さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

録画放送翌日の遅い遅い雑感

2011-01-11 21:46:18 | 海外ボクシング
昨夜ですが、今年一回目のWOWOWエキサイトマッチ放送がありました。
タイムリーオンエアでも不足、本来生中継やろコレ、と言いたくなるような好カード。
好試合必至、というだけでは足らず、ものすごいコトになるに決まってるやん!という一戦。

37歳にして王国メキシコの象徴、ファン・マヌエル・マルケスと
豪州の激闘王、マイケル・カツディスの激突。
ぬわんと、当ブログにも時々コメントをしてくださるnekomick18さんが
現地観戦を敢行したというこの試合、ネットでも一応見るには見たんですが、
改めて綺麗な映像をフルに見て...正直、言葉を失いました。

昨夜のうちに見てるんですから、さっさとブログ書けば良さそうなもんなのですが、
何を書いていいのかがよくわからん、というくらい頭が熱くなっていました。
一晩頭冷やして明日何か書くべ、ということで昨夜は寝てしまい、今日になって書いております(^^;)


挑戦者のカツディスには、試合一月くらい前でしたか、親族に不幸があったという話で、
先の長谷川穂積にも似た状況にあり、そのことは当然知っていたわけですが、
試合始まったらそんなこと(というのは語弊がありますが)は、すっかり頭から消えていました。

あれだけ徹底して自分から前に出続け、それでいてただの一度たりとも
頭から突っ込むような真似をしない。闘うのはふたつの拳でのみ。
その姿に、真のボクサー、ファイターとしての誇りを見ました。
こういうボクサーこそ、勝敗よりもまず、真に尊敬に値する、真の一流というものです。
画面を見ていて、自分が今、本当に「ありがたい」ものを見ているのだな、と実感していました。


対するファン・マヌエル・マルケスについては、ウェルター級で喫した
フロイド・メイウェザー戦での黒星のあとも、本来のクラスで
しっかりと自分の技量を発揮した、その揺るぎなさに改めて感動しました。

あのつらく厳しい試合内容と結果を経てもなお、彼は何も失っていない、と
見る者に感じさせるこの闘いに向けて、彼が乗り越えてきた葛藤、費やした労苦たるや
それこそ膨大なものがあったと思います。

それでもなお、3R、果敢さ故に決まったカツディスのカウンター、左フックによる痛烈なダウンを
喫しても揺るがず、カツディスの間断無き攻撃を固いブロックで止め、自在かつ強烈なコンビで
真っ向から打ち返すマルケスを見て、改めて脅威を感じました。
「王者」というものは、かくも強く、偉大なものなのか、と。


試合は9R、ダメージを負ったカツディスがほぼ1分ばかり手を出せず、レフェリーストップとなりました。
王者と挑戦者の、それぞれが背負った誇りがぶつかりあった、至高の「拳譜」でした。
「ボクシング」の純度が高い、不純物がほとんどない、クリーンかつ熾烈な攻防が切れ目無く続く試合を
堂々と闘い抜いた両者に拍手、です。


しかし...これ、現場で見たらどんな感じなのかな、と、今になって考えています。
私は以前、見たい試合は皆見たる!的な勢いで、関西を中心にあれこれ試合を見まくっていた時期があります。
その頃は、広く知られていない試合の中にも、知られざる感動や衝撃があり、それを見出すことに喜びを感じていた、
今振り返るとそういう感じだったように思います。
それはこのような試合を見て感動することとは、ある意味違う種類の情熱であったのかもしれませんが...。

ただ、言えることは、このふたり、マルケスにもカツディスにも、そして私がかつて目にし、惹き付けられた
無名の知られざる選手たちにも、共通するもの、通じるものがあった、ということです。
それは上手く表現出来ず、ありきたりに「戦士の誇り」とでも言うしかありませんが、それを見たいと感じることは、
場所が府立の地下であろうと、MGMグランドであろうと、結局は同じことなのかな、と、ぼんやりと考えています。


そう感じるのは、やはり現地で緑色の帽子かぶって、ちらっと画面にも映ってたnekomick18さんの姿を見たから、でもあります(^^)
今は到底無理な状況に生きる自分ですが、いつかは...という気持ちが芽生えている、録画放送翌日の夜でありました。



コメント (2)
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