さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

心配だけど楽しみなニューヒーロー

2010-12-06 00:03:28 | 関西ボクシング
今日は京橋のIMPホールで、OPBFスーパーフェザー級タイトルマッチ、
アラン・タナダvs仲村正男戦を観戦してきました。

正午過ぎ会場につくと、5千円の席は完売、1万の席もあと1枚、とかで
残りは立ち見3千円のみ、とのこと。
立ち見チケットを手に場内に入ると、なかなかの盛況ぶりで、セミセミの頃には
すっかり満員、空席はほんのわずかでした。
これはちょっと予想外で、嬉しい驚きでしたが、考えて見れば、この一戦に、仲村正男に
ファンの大きな期待が集まるのも、無理からぬところかも知れません。

一時は絶好調だった関西勢も、先日フェザーで戴冠した長谷川と、宮崎亮、井岡一翔以外に
タイトルホルダーがいないのが現状、そこに加えて11連続KO勝ちという記録も加わり、
IMPでは手狭な観客動員となったのでしょう。

そして大入りの観客の前で、セミセミでは竜宮城こと宮城竜太の痛烈なKO負けがあり、
セミも加治木了太と山崎晃が激戦の末、加治木がタフな歴戦の勇士山崎をストップするなど、
激戦、熱戦、壮絶な試合が続いたものだから、メインまでに場内はすっかり暖まっておりました。


その展開をそのまま引き継いだかのようなメインイベントは、仲村がジャブで先制、
小柄なタナダが思い切りの良いフックを飛ばすなど、最初からテンポの速い攻防。
タナダが大振りのあとの小さい左フックで飛び込み、仲村をぐらつかせるも、
仲村が右ヒットしてロープ際に追い詰めて打ち合い、双方ヒットを取り合う中ゴング。
場内はさらに盛り上がっていったのでした。もちろん私もおおおー、と興奮しておりました。

2回、またタナダが小さい左のあと、下がった仲村を追うように右を当て、ダウンを奪います。
立った仲村ですがタナダの連打を受け、一瞬膝をつきますがこれはレフェリーが見落とし。
なんとか粘る仲村、追撃をしのいで乗り切ると、3回からは丁寧にジャブを突いて足を使い出しました。

長い距離を維持すれば、仲村のストレート主体の攻撃が奏功します。
距離を縮めてしまうフック系のパンチや、打ち終わりを狙われるボディブローは封印した仲村、
時々胸を張って左を伸ばすあたりが危なかったですが、この闘い方に徹したことで、
小柄なタナダはすっかり手数を出せなくなり、仲村がペースを奪い返しました。

4回も同様の展開、タナダも単発の強打を返しますが、終盤仲村が右を4発、5発とヒット。
5回、右ストレートから連打でダウンを奪い、立ったタナダを連打で滅多打ち。
緩慢な韓国人レフェリーによるストップで、劇的な逆転TKO勝ち、新チャンピオンとなりました。


仲村正男、確か試合を直に見たのは初めてだったと思います。
技術的にはまだまだ粗いところが目につきますが、チャンピオンになったからどうとか、
連続ノックアウト記録がまた伸びたからどうとかいうことではなく、まずは「楽しみな若手」として
今後の試合ぶりを見て行きたい、というところです。

ただ、2回に安易に打ち合いに巻き込まれ、打ち負けたその後、闘い方をがらりと変えて
劣勢だった試合をひっくり返したあたり、もちろんセコンドの指示なんでしょうが、
その指示をきちんと実行出来る能力と、その懸命さは、並みのボクサーとはちょと違うな、とも思います。
危うさも抱えながら、将来、大成することを期待したくなる、心配だけど楽しみな、そんな選手です(^^)

あと、パンチがあって、アグレッシブで、男前で、とにかくぱっと見が華やかですね。スターの素質があります。
あらゆる意味で、関西のボクシング界にとり、貴重な存在になりそうです。
かく言う私も、また次の試合見に行きたいなー、なんて思っておる次第で(^^)
次回は、もうちょっと広めの会場が良いかも知れませんね。

コメント (2)
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