さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

硬いかなと思った矢先でした

2009-10-10 22:04:36 | 西岡利晃
後から何を言っても、しょうがないんですが、立ち上がり、硬そうに見えたのです。
肩の辺りがいかにも力みがちで、或いは膝から下のバネが効いてないな、とか。
いかにもしなやかで、ひらりひらりと舞うように立ち上がった挑戦者と比べると、
ますます重いな、硬いな、と見えました。
しかしそれは言ってみればいつものことで、と思った矢先に、
挑戦者の左フックらしきものが飛び、リナレスが倒れていました。

こんな試合見たことあるぞ、WOWOWの生中継世界戦で、帝拳の選手といえば...
と思う暇もなく、かつての葛西裕一よりもあっさりと詰め切られてしまったホルヘ・リナレス、
初回73秒で試合は終わり、王座を失いました。

体調不良でもあったのか、さんざん繰り返されたVTRを見ると、
明らかに身体が重そうでしたし、再開後にいたっては相手が詰めてくる姿が
見えていない様子でした。

まさかまさかの結果で、本当に驚きました。
リナレスの今後はいったいどうなるのでしょうか。
当然、再戦すると思うのですが、昨年同じく痛烈な初回ノックアウトを喫した
アミール・カーンのように、慎重なカムバック路線が必要になるかもしれません。


新チャンピオンのファン・カルロス・サルガド、風貌といい体つきといい、
しなやかでキレのあるボクシングといい、短い試合でしたが、なかなかの実力者に見えました。
まあ、初回ノックアウト勝ちで弱く見えるボクサーもいないでしょうけど、
それを割引いても、ナックルを立てたまま打つロングの左フック一発で、
あのリナレスを倒したのですから、その一点だけ取っても見事です。
いずれまた、試合を見る機会がありそうですので、じっくり見ていきたいですね。


メインの西岡利晃は、イバン・エルナンデスに3回終了TKO勝ち。
アゴの負傷による挑戦者の棄権、という、ある意味本場っぽい終わり方でした(^^;)

試合自体はロングのストレートパンチで西岡を切り崩そうというエルナンデスに、
右を当てて左は下、要所で左強打を上に決められるか、という緊迫した攻防が繰り広げられました。
エルナンデスは打ったあと、身体が前にのめってしまう場面が多く、ややボクシングが崩れてるかな、と
思いはしましたが、それでも西岡が攻めきるのは容易ではない感じでした。
それだけに、あっさり棄権で驚きましたが、左は相当効いてたんでしょう。

西岡は相手の長いリーチを克服して左を決める場面も多々あり、自信持って闘っていました。
仕上がりも良さそうでしたし、次はビッグマッチになるかもと言われていますが、
この感じで行けば、ジョニー・ゴンサレス戦に続く大仕事、期待してよさそうです(^^)



さて、WOWOWの無料放送ということで、きっと普段のエキサイトマッチ以上に、
多くに視聴されたであろう3時間生中継でしたが、ちょっと不満もありました。

まず、最初のほぼ1時間が、そして早く終わったメインの後が、無為に解説やら紹介VTRに費やされたこと。
ゲストや解説がリングに背を向けてトークをしている最中に、背後で細野と榎が闘っている姿が
小さく見えたときは、本当に驚きました。ずんだおじさん...じゃなくて香川照之さんなんか、
しゃべりながら試合見たそうにしてた...ように見えましたが。

ハイライトで流れたこの試合、なかなかの好ファイトとなったようでした。
フルに見ていないのでなんとも言えませんが、細野の若さが榎を押し切った、という感じでしょうか。

あと、下田vsセーンヒランと、三浦vs小口など、ハイライトでいいから流して欲しかったですね。
どっちも普通ならメインで通じるカードなのに、もったいない限りです。


結果的には、リナレスの痛烈な敗北、西岡もちょっと唐突な終幕で、好カードを揃えた興行が
必ずハッピーエンドになるとは限らない、というボクシングの厳しさが出た印象でした。
しかしこういう魅力ある興行を実現した帝拳には、ファンとして敬意を払いたいと思います。
地上波放送が厳しい状況であるならば、出来れば年に1回くらい、WOWOWの枠でこういうイベントを
やってもらえたら嬉しいところなんですが、いかな帝拳といえど、楽ではないのでしょうね。


しかしリナレスがなぁ...誰や知らんようなのに(←私が無知なだけなのでしょうか)
一発でやられてしまうとは。ボクシングって怖ろしいです。
コメント (6)
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