「時計草」 こんな不思議な花はめったありませんよね~ (13-7-3)
今日は庭掃除をして、お庭がさっぱり、涼しげになりました。価値のある草木は
ないお庭ですが、私なりに、育てている、いとしい花々です。
図書館に行ったのですが、さすがに、午後の陽射しが強いのと、午前中の庭掃
除で、疲れているのとで、往復ともバスで行きました。
歓喜の仔 天童荒太
主人公は吉丘誠、弟=正二、妹=香だと思うのですが、父は負債がかさみ姿を
隠す。母は謝金の取りたての強引さに、神経を病み、はては寝たきりになる。
誠は、家計と返済のために働き詰め、故にその母を看病するのは正二の仕事。
誠が頭の中で自分たちと同じ環境であると仮定したリードと言う少年、弟、妹、
と寝たきりの母親と話は同時進行する、一寸ややこしい。
何故誠はその少年を「リート」と名づけたか? 高校に通っていた頃、合唱部に
いて、「第九」の練習をしていた。その時基礎的なドイツ語の単語、愛=リーベ。
夢=トラム。空=ヒンメル。海=メーア。 歌=リートから取った。
今誠の話だと思って読んでいると、いつの間にかリートの話に変わっている。
と言う具合で、頭の中で整理しながらも「ややこしい!」と思っていた。
母=愛子、父=信道、と言う項で、それぞれの越し方が語られ、やっと誠の誕
生までが説明されて一息つける。
その中で「墓」の説明があって、私の今まで考えてきた事を正反対であるのが
目を引いた。こう記されている『日本のお墓は基本的には家のもので、先祖代
々の墓に入れるのは、例えば長男夫婦と、それに続くものでなければならない
藤沢の叔父さん(母の兄)夫婦が入る墓で、お嫁に出たお母さんは入れない。
お父さんは次男だし、自分たちで新しい墓を作る必要がある。その墓に入れる
のはお前とお前の嫁さんである』
我が家は、主人は3男だけれど、姑と同居していたし、長男は埼玉に住んでい
たから、尼崎の墓はず~っと、私たちが守ってきたし、今も、守っている。先年、
義兄がなくなったとき、義兄の家族は関西までの墓参りは大変だからと関東に
墓を求めたから、姑の死去以来、もう何十年もこちらの墓には詣でていない。
墓は一家に一基と言うことになってきた現代が、正当な墓の守り方と言うこと
になるのだろうか? 友人が本家の墓に主人の「お骨」を入れさせてと言えば、
拒否されて、自分たちで、新しい「墓」を作ったと聞いた。この本に因れば、そ
れが正しいことになる。本当は如何なんだろう?
また話がそれました。長男・誠は親の借金の為に、夜中にはヤクザに覚せい
剤の袋詰めをさせられている、一日中働いている。次男・6年生の正二は寝た
きりの母親の世話をしている。妹の香は死んだ人が見えるという。
色んな苦労の末にこの兄弟に(そしてニートの兄弟にも)。やくざ同士の争い
から、警察にリークされたやくざから、開放されることになっ誠兄弟。正二は
色が感じられない、灰色の世界から、色を識別できるようになり、香は悪い臭
しか感じられなかったが、良い匂いも感じられる様になった。
そして歌えなくなっていた誠に音が戻ってきて「第九」のソロを兄弟に歌って
聞かせることが出来るようになった。それは、自由を得た「歓喜の仔」である。
説明するにはとても難しい本です。