「芙蓉」 尼崎・立花の道端 (13-6-29)
一日、降ったり止んだりでしたが、夕方の雨は凄かったですね。すぐやんだのは
よかったです。しかし「阪神・巨人戦」は中止になりました。お弁当を作って、会社
から直接来る、主人と待ち合わせて、行った「甲子園」もう遠い昔になりました。
はぐれ鷹 熊谷達也
この作者の本は以前に2.3冊読んでいます。そして、好きな作家の一人です。以
前読んだのは「くま」のお話でしたが、これは「鷹匠」のお話です。
主人公は「杉浦岳央(たけお)」弟子入りした「富樫総一郎」は「最後の鷹匠」とい
う角鷹(くまたか)使い。弟子入りしたものの、無休、無給で、家の雑用をさせられ
るので、早いと思ったが、1本立ちする。
師匠から譲り受けた「鷹」を死なせてしまう。誰にも話さず、隠しとおしていたが、
山で出会った猟師に打ち明ける。彼は「鷹」が2羽の雛を生んでいると教えてく
れる。「鷹」は2羽を生んでも、強いほうの1羽だけ育てると言う習性がある。
岳央を撮影に来ていたスタッフにその事を話してします。岳央が禁止するので、
はじめは遠くからの撮影で我慢していたスタッフが、岳央が離れている隙に、
「声がほしい」と木に登って上ってマイクをつけようとする。それを知った「親鷹」
は1羽を巣から突き落とす。
岳央はその雛を探して、法律的には禁止されているが小屋に持ち帰り育てる。
しかし「鷹」は何処で間違った育て方をしたのか獰猛に育つ。鷹が自力で野う
さぎを捕まえた。岳央が側に行くと、猛烈に襲い掛かってきた。岳央は初めは
防いだが、鷹は攻撃を緩めない。
小足縄を切って「鷹」を自由にしてやる。自分の手に負えないからではなく、一
瞬だけでも鷹に対して「殺意を覚えたから」である。一度でも殺意を覚えたいじ
ょう、この角鷹とは鷹匠としての関係は結べない、嫌ならないと言うのが岳央な
りの鷹匠としての美学である。
新しく知った事
・ 巣子(すこ)=巣立ち前の雛を捕えたもの、人慣れはするが、狩りは上手く
ない。
・ 出鷹=巣立ったばかりの若鷹を捕獲して鷹狩りに使う鷹。神経質で扱い難
いが、最初から狩が上手。
・ 猟をするためには、絶食が必要だが、それが過ぎて体重を落としすぎると
死ぬ。胸の肉の付き具合を調べたり、目や口の色、糞の状態で知る。鷹は
どんなに弱っていても、死ぬ瞬間まで、毅然とした態度を持ち続けるので、
鷹の一挙手一投足から目を離すなと教えられる。