ちいさな幸せ

幸せの基準ってある?
それは自分の心の中にあると思う。
私は何時も陽だまりのような幸せの中に居た。

エンジェルフライト

2013年07月11日 | 読みました

    「ミソハギ」     仏さんにお供えする花だそうです    (13-7-7)
    

夏のホームウエアーはよく洗濯しますし、カンカン照りですから、すぐ色あせ
します。そこで、買い置きの布があるのを思い出し、何年振りかで、裁断をし
ました。今着ている服の中から、着安いものを選んで型を取りました。明日か 
ら、久しぶりに、ミシンを踏もうと思っています。ズボンのすそ上げや、ブラ
ウスの袖丈直しに使うことがあっても、服を縫うのは何年振りでしょうか。今
日は頭の中で、縫う段取りを考えていました。やっぱり、楽しいです。


    エンジェルフライト   佐々涼子

この作品は第10回開高健ノンフィクッション賞を受賞しています。

エンジェルフライト=国際霊柩送還士。こういう職業の人がいると知ったのは、
何時の頃だっただろうか…。確かテレビで見たと思います。それから、気には
掛かっていました。

私は異国でなくなった方の死を知りません。書かれていることによると、飛行
機に乗せると、気圧の関係で、膨張、液漏れなどで腐敗が進むそうで、変色し
たり、異臭を取り除いて、腐食を防ぐ処置を「エンバーミング=防腐処理」と
言うようです。遺体に関する感情は、国よってころなり、杜撰な処置をされて
送り返されたご遺体は腐敗が進んでいるそうです。

エアハース(日本の会社名)は日にちがたったりしたご遺体を、生きていたと
きの形にして、遺族に送り届けるお仕事のようです。顔はパスポートを見なが
ら修正するようです。

なければならない職業とはいえ、自分に関係する人の職業としては、身を引く
感じは否めません。社長は女性なのですが、やはり、夫だった人は、この仕事
に就くことが納得できず離婚しています事務のほうを手伝っているようです。

国によっては、臓器売買のために、臓器が抜き取られていることもあるそうで
す。

エアハースのエンバーミングを受けた遺体を迎えた家族は、とても感謝される
そうです。心を込めて生前の面影に近づけた処置をしてくれるからです。

霊柩車の後ろのドアには棺を運ぶエンジェルが書かれている。社長はー天使
が運ぶように優しく運ぶと、亡くなった人が翼に乗って旅をするのが「天使のフ
ライト」のようだと国際霊柩送還の事を「エンジェルフライト」と呼ぶようになった。

利恵(主人公・社長)は亡き人の名前をなんども呼びかけながら処置をする。
息子や娘が利恵を助けている。息子は無心で処置をし、娘はジムを手伝う。

保険に入っていない遺体は、書類も大変だし、料金も高額である。保険に入
らずに、海外旅行に行くのがいかにリスクが高いかが分かる。

ある地域で死者が出ると、その周辺での死者が何故か続くそうですよ。

土葬をすると白骨化の期間を想定し、2年間は掘り起こさないと言う暗黙の前
提がある。この度の大震災の時、このルールが親族に破られて大変だったらし
い。今の棺は火葬に適するように軽く、燃え安いように出来ている。この度の、
震災でのご遺体は、2年間は掘り起こさないという暗黙のルールを破ったため、
大変な状態のご遺体を掘り上げることになったらしい。棺は埋葬した時の1m
以上の土の重みや、湿気を想定していないから、掘り起こされた棺は潰れて、
崩れて、内部の遺体の腐敗は進行していたから、遺体を洗浄しなおし、新しい
棺に入れて火葬場に送らねばならなかったようです。

アメリカのエンバーミングされた遺体は、処置のあまりに完全な保存状態を見
るにつけ、彼らのエンバーミングは、遺体が自然に朽ちていくことに抗し半永
久的に遺体を保存しようとする強い意思のようなものが伝わってくる。エアハ
ースの遺体の処置に、永遠を希求する姿勢を見ることはない。生前そのままの
姿である事を彼らはあくまで追求する。

アメリカにおいては、エンバーマーは神父や牧師の次に尊敬される職業である。
日本では、まだまだ、そのような環境にはない。

心に残った言葉

             親を失うと過去を失う。
 
              

             配偶者を失うと現在を失う。

             子供を失うと未来を失う。


    

   
コメント
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