ちいさな幸せ

幸せの基準ってある?
それは自分の心の中にあると思う。
私は何時も陽だまりのような幸せの中に居た。

遍路 (89回)

2010年03月21日 | 思い出話
               平成15年11月16日
               第81番札所 白峰寺




        距離:26K   高松 … 白峰寺 … 根香寺 … 旅館 百々屋  

後6Kを思い切って歩き始めました。苦しみはまだまだ序の口でした。そんな私
たちを慰めるがごとくに左手に海に浮かぶ島々、島に架かる橋、すばらしい瀬
戸内海のパノラマがしばし疲れを忘れさせてくれました。5Kほど歩いたでしょう
か「ここより白峰寺」の文字を見たときの嬉しさ…。

ところが誘われるように入ったその道は優に1000段は超える石段だったので
す。登れども…曲がれども…その先には石段以外何も見えない。永遠に石段
かと泣きたい思いをこらえて、ひたすら登ります。前を見ても、後ろを見ても只々
私は石段の真ん中に居るだけ。今までで1番長い石段でした。

昔の遍路道はここだったそうですが、今は80番から81番は7Kでつくというの
です。誰が10K多いこの道を選ぶでしょうか。私たちは間違って経験したので
す。絶えることは無いかと思った石段のうえに第81番札所 白峰寺 はあり
ました。



                     ↑  七棟門(しちとうもん)


崇徳上皇のお話、雨月物語等々楽しみにしていましたのに、何しろ疲れました。
その上にこれまた本堂まで又石段…、逃げ出したいというか、ここから早く離れ
たいという気持ちにせかされました。


                          ↑ 御成門    

     ↑ 本堂への石段    ↓ こんな足型はいくつか見ましたが、模様が面白かったので…


門の手前で「大福もち」や「蒸かし芋」等が無人で売っていたのです。昼食の為に
買っていこうかということになりました。大福3個250円なんです、二人とも50円
玉を持っていませんでした。

300円入れるのも嫌だし…と考えていますと若者が寄ってきました。「50円も
ってません?」「ありますよ」と50円硬貨1枚出してきました。「違うのよ、100
円を両替してほしいのよ」「これだけです。使ってください」だけど若い人から貰
うわけにいきません、「だったらこうしましょう100円と50円と交換してください。
私は250円のものを買って300円払うのが嫌だっただけですから、貴方に50
円お接待ということにしましょう」と商談成立…。

所がです、お茶も買っていこうということになり、はっと気がついたのです。先に
お茶を買えば、自販機ですから50円のおつりが手に入ったのにと…たった50円
若者に接待しただけなのに、なんとけちくさいことを考えるのだろうと自分を恥じ
ながらも、でもやっぱりそんしたかな~と遠慮がちに考えてしまう私でした。

それにひきかえ1000円、500円、100円と私たちにお接待してくださる
四国の人は偉い!! 本当にありがたい!
コメント
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