ちいさな幸せ

幸せの基準ってある?
それは自分の心の中にあると思う。
私は何時も陽だまりのような幸せの中に居た。

世の中こんなにカラフルだった?

2010年03月01日 | 今日この頃

          「尼崎・花いっぱいの会」から頂いた「スノー・ドロップ」が咲きました
                       私は始めて育てました



新しい月、弥生3月です。私の両眼、新しくなりました。目の前の世界が違っ
て来ました。色鮮やかなんです。全てがピカピカと輝いているのです。

2月16日に左目(悪いほうの目)を先に手術しました。やっぱり緊張していた
のでしょうね。あんまりよく覚えていないのです。手術室に入る前に、何度も目
薬をさしました。最後の方で「表面麻酔」とか目薬を差しました。少しピリピリ
痛かったようです。

手術室に入ってギョッとしました。私は先生お一人だと思っていたのに、私が
座るべき椅子(座った後に平らに手術台になる)を囲んで中央の先生と同じ格
好をした人が2人(血圧、心電図、点滴等の機器の係りの人)両脇に、計3人
の人が帽子とマスクで目だけを出した格好でおられたのです。「えらいこっち
ゃ?!」心臓がどきんと波打ちました。

「大丈夫ですよ。すぐ済みますよ」の先生の声も上の空に聞こえます「もう『ま
な板の鯉』だと思ってください…」先生はいろいろと話しかけてくださいます。
目に顕微鏡がセットされていますから「ハイ」と頭でうなずいてはいけないんで
す。声だけで返事するのです。

「はじめますよ」「緊張しないでね」「「レンズを入れましからね、そのままじ~っ
としていてね。力を入れるとレンズが飛び出しますよ」「ハイ終わりました。後は
仕上げますからね」長いような、短いような手術が終わりました。隣の部屋で20
分ほど休憩して帰ります。その間に病院が、主人に電話して「無事終了、お迎
えを…」と連絡してくれます。大きなアルミで出来たシェルの形の眼帯をして、
家路に着きました。

翌日(2月17日)は眼帯をはずしてもらいました。待合室で順番を待つ間、周り
を見回しました。唖然としました。字がくっきり見えるだけではありません、「黒、
赤、青の色」がくっきりと、毒々しいまでに目に飛び込んできたのです。私はあ
わてて左目を瞑り、まだ手術を受けていない右目で見てみました。そこには今
まで見慣れた「やわらかい色彩」が映りました。先生の検診を受けて「良好で
す」私はすかさず「新聞読んでもいいですか?」「新聞は2,3日読まなくてもいい
のでは?」と軽~く拒否。「テレビは?」「疲れない程度なら…」と許可をもらい
ました。

眼帯を外して外に出た私は、しばし始めてみる町のようにわが町を見つめてい
ました。そこにはくきりと絵を見ているような建物群が目に飛びこんで来ました。
私はそろそろと我が家に向かい歩き始めました。「うわ~、こんな町だったの?」
って呟きながら…。我が家の隣の「高圧線」、空に向かって黒々と、そそり立つ
ように映ります。私は急いで「右目」に変えました。そこは元通りの「やわらか
い風景」でした。

家に帰り着くと、まず芝の雑草が浮き立つように、みずみずしく飛び込んできま
した。「こんなに一生懸命に生きているのに、抜くのは可哀想」と思ってしまう
ほどです。

台所に行きました。電気器具がピカピカと私を迎えてくれました。食器棚に目を
移して、私はぽかんとしました。今まではパステルカラーに見えていた食器が、
それぞれの色を際立てて目に飛び込んできました。我が家は「藍」の食器が多
いのですが、その「藍色」の美しいこと!

自分のお茶碗を見て、これまたびっくり「紅」のラインの入っただけのシンプル
な模様ですが、又その「紅色」のきれいなこと!私は毎日こんなきれいなお茶
碗で真っ白なご飯を食べていたんだわ…いまさらながらに驚きました。家の中
をぐるぐる歩き廻りました。本の背表紙も置物も襖も写真も絵画もカレンダーも
みんなピカピカでカラフルです。

明日一日(18日)はじっとしているように言われ、19日(金)にお医者さんに
行きました。来週手術の「右目」の目薬を3種類いただいて、1日4回注すよう
にと言われました。左目が4種類ありますし、順番はいいのですが1種類注す
間を5分以上あけるようにとの指示です。この1週間(2回目の前後1週間)が
一番大変だったですね。入院すれば看護師さんが時間毎に注しに来られるで
しょうけどね。

帰りにスーパーに買い物に寄りました。ここでもいり口で絶句です。お野菜が
皆艶々なのです。品物の袋に印刷の字が、絵が実にカラフル…、アニメ映画
の世界に迷い込んだようでしたよスーパーってこんなにカラフルな場所だった
の…、あれもきれいこれもきれいと隅々まで見て回りました。お魚だってお肉
だって、今までと違って見えます。今までだって、真剣に新鮮さを確かめてみ
ていたんです。でも今度の私の新しい目は「今まで何見ていたん?」と思うほ
どの差なんです。

23日(火)に「右目」も無事すみました。両目が成功してからは眼鏡を掛けな
くとも小さな字がどんどん読めるようになりました。でも初めは時々ぼやけるこ
ともありました。症状が定着するのは1.2ヶ月かかるそうです。

夜空を見にベランダに出てみました。なんと何と、そこに無数のお星様が見え
ました。感動に胸が詰まりました。私のベールのかかった目にも美しかった、
屋久島の夜空、恐ろしいほどの漆黒のグランドキャニオンの夜空の星、あんな
にきれいに見えたんですもの、今なら更に見事に見えるんでしょうね。

神様はこの新しい目で、私に何を見せてくださると言うのでしょうね。
期待でわくわくしています。

「細部まで見える」「色がきれい」と良いことばかりではありませんよ。まず「自
分の手の甲」を見て唖然!!!です。そこには「目に付くシミ」は片手に1つず
つだったはずなのに、小さなシミ(そばかす?)が無数に散らばっているのです。
あわてて二の腕まで袖をめくってみました。そこにもあるわあるわ無数のシミ。
あ~ぁ!と嘆きながらも「もしかして、私長生きできるかも?」言いませんか?
ソバカスの多い人は長生きするって…。どこまでもノー天気な私です。

次が、恐る恐る覗き込んだ鏡です。完全に降参です。無数のシミと小じわです。
後半年で「後期高齢者」の顔がそこにはありました。どうりで近頃、よく席を譲ら
れるのはこの皺で年齢を推し量られて居るのだな、と悲しい納得。何日も顔を
洗っていない日が続いていました。だから水分不足もあると思います。昨日か
らせっせと洗顔して水分補給に努めております。デモね、わが顔に驚くだけで
はないのですよ、相手の方の皺やシミもよ~く見えるんです。ウフフフフ…。
神様は片手落ちではありません、すべてに公平でした。

まだまだありますよ。汚れやチリもよく見えます。「えっ!」と今まで思いもしな
かった場所も汚れていて、げんなりしています。窓ガラスの汚れもばっちり見
えてしまいます。世の中いいことばかりはないようです。

でもやっぱり思い切って手術してよかったと思っています。今年は「梅」は家の梅
で間に合わせますが、「さくら」はどんなに綺麗だろうかと楽しみにしています。
今目にする花はどの花もとても綺麗に見えているんですよ。

☆ まだ完治したわけではありません。なるべくはお休みしないつもりですが、
  予告なしに、大事をとりお休みする日もあるかもしれません。

                            (1305回) 
   


               横から見ると「ミツバチ」のように見えません?





コメント (4)
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