ちいさな幸せ

幸せの基準ってある?
それは自分の心の中にあると思う。
私は何時も陽だまりのような幸せの中に居た。

遍路  (31回)

2009年07月11日 | 思い出話
       平成14年9月30日 (月)  別格 月山神社


 距離:23K  民宿 きたむら ~ 竜串 ~ 月山神社 ~ 民宿 花屋  (2)


叶崎灯台を左に見つつ、美しい景色を見ていますと、不思議な音が聞こえてきました。道路から随分下の海岸からのようでした。波が引くときに水底の石が転がる音なのです。随分距離がある海岸ですから、その光景は見る事は出来ないのですが、「阿寒湖(北海道)のマリモのように丸いのかな~?」と想像を逞しくして、暫く音を楽しんでおりました。

目前の景色も良く「きれいね~」と見とれておりますと、「お茶でも飲んでいきなさい」と道路の反対側のお家から声をかけてくださいました。「よばれよか…」と行こうとして、フッと足元を見ると、少し低くなった位置に座り込んでいるご夫婦がおりました。なんと、みやじさんご夫妻だったのです。「ご一緒しませんか?」と4人揃って庭先に出されたテーブルのお茶とオカキを頂きました。

座敷は開け放たれていました。寝たきりらしいご主人がベットからこちらを見ておられました。「この人は何でも解っていますよ」と言われました。手伝いに来ていると言う妹さんも出てこられました。「歩き遍路さんを見かけるとお接待させて貰っています」と言われました。とても朗らかな肝っ玉母さんタイプの方でした。






みやじさんご夫妻は月山神社には立ち寄らないと言われるので、分かれ道でおわかれした。私達は月山神社に廻る事にしています。山道でした。又も後悔の気持ちが涌きました。まっすぐ行けばこんなにしんどい思いをしなくとも済むのに…。途中、東屋の様な休憩所がありました。なんと「くりくり坊主」さんが休んでいたって、私は東屋があったのは知っていましたがまさか「くりくり坊主」さんが休んでいるなんて知りませんでした。私達の前に居るなんて思いませんよ。

主人が見つけて聞いたそうです「あれ?早いね?」「途中まで車で送ってもらった」と言う答え。そうでしょう、そうでしょうとも、喫茶店で別れた時は、「くりくり坊主」さんは食事前で、既に出かけた私達を追い越すことは不可能です。超スローペースの御仁としてはね…。だから私が通るときには見えない所で休んでいたのかな?




月山神社は、ひなびた小さな神社でした。昔は栄えた神社だったそうですが…。月山神社でトイレを拝借。借りている間中犬が吼えているのです。次の宿で聞いた話では、今は犬が留守番をしていて、神主さんも里から通勤だそうです。もう出勤しておられるらしく、犬を叱る声だけは聞こえていたのですが…。

お参りを済ませて立ち去ろうとした時、例の「くりくり坊主」さんがやってきました。なんだか照れくさそうでしたよ。若い自分のズルを見つかったからかな~「どうぞ、ごゆっくり」だって…。この挨拶は後に残る人に、先立つ人が言う言葉だよね~? 私達が「くりくり坊主」さんに残す言葉だわね~、ではこれ如何いう意味?

地図の通り左の道を進みましたが、困った事に又、三叉路に差し掛かりました。ままよ!と又左の道をとって歩き始めると、其処に軽トラックが来ました。地図を示して目的地への道を尋ねました。「この道は地図に無いが『姫の里』に出ます」と言う事でした。「ラッキー!!」でした。

姫の里は赤土の里でした。テニスコートの色を想像してください。丈の低いコスモスがアチコチに見られましたが、蕾は上っているのですが、花はまだでした。全面咲けばさぞ美しいだろうな~と想像しました。

        元は「釣宿」だった面影を残す「旅館 花屋」


今夜の宿「旅館 花屋」に着きました。大きい故に凄く寂れた感じがしました。女将さんの話では「以前は釣り客で忙しくて大変だった。たまに少ない日が嬉しかったくらいですが、この頃のようにお客さんが無いと困ります。釣り客も来なくなった(ここでもマイカーの普及で、もっと海辺で泊まるようになってしまったのでしょう)自動販売機も置いていたけれど、金額の変更になた時に機械を買い換えないで、置くのを止めてしまいました。隣が酒屋なので、アルコールが入るなら隣で買ってきてください」と言われました。飲兵衛の主人は自分の好みのお酒が選べるので喜んで買いに行きました。ビールはいいとして、お酒も中ビンを買ってきたので、私はむくれました。遍路中はビール1本、酒1合の約束なのに!時々平気で約束を破るので困ってしまいます。お客は勿論私達だけでしたよ。

          9月30日  旅館花屋  (6泊目)




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