世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

マニキュアが乾くまで

2009年03月21日 23時37分36秒 | Weblog
昨日は久々に友達に会った。
気合いを入れて、自分でネイルアートをしてみた。

最近、会社の女子の間では「1ヶ月持つネイルアート」が流行っている。
お値段もそこそこらしい。

たしかにプロにやってもらうと楽であるし、仕上がりも綺麗だ。

でも、自分でマニキュアを塗っているあの緊張感に満ちた時間が、私は嫌いではない。
初めてマニキュアを塗った高校生のときから、その感覚は私の中で根付いていた。

乾く間は指を使わずにじっとしていなければならない。

次第に硬質なものへと変化を遂げていく指先の艶を恍惚とした表情で眺めるあの時間こそ、とても贅沢な時間だと私は思う。
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春を楽しむために

2009年03月21日 23時27分29秒 | Weblog
土曜出勤。
風邪がまだ抜けず、咳を圧し殺して仕事をした。
業者からの電話がなくて、フロア全体が静かだった。
このまったりとした雰囲気…実は好き。

今週、会社の階段の踊り場にはチューリップが飾られていた。

花弁の中の様子を覗き込む。
雄しべと雌しべがハーモニーを奏でているのが見えた。


会社隣にある公園の桜の蕾も、遠くから見て分かるぐらいにぽっこりとしてきた。
月曜日には咲くだろうか。


春を楽しむために、早く風邪を治そう。
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「Precious Memories」

2009年03月20日 23時26分01秒 | Weblog
大学時代の友達M子ちゃんから連絡があったのはつい最近のことだ。

今まで年賀状のみを交わしていたんだが、数年ぶりに会うことになった。

昼に待ち合わせの上野へ。
改札で会った彼女は当時のままだった。
細い体と透き通った肌は「冷凍保存したの?」という感じである。

純粋で真面目な彼女。
汚れなき天使のような素敵女子なのに、私と友達でいてくれるだなんて奇跡である。

まずは喫茶店で近況報告。

「最近どーよ?」

仕事のことなどを話す。
金融業界に進んだ彼女は日々部下の教育に忙しいらしい。

資格も私が挫折したFPを持ち、読んでいる本もビジネス書ばかりで、彼女がなんだか遠くに行ってしまった感があった。
しかし、「私も頑張ろう」と思えるから友達って不思議だ。

宝石店を散策。
記念にネックレスを購入。
私はクマのネックレス。

彼女はシンプルなシルバーネックレスを買った。


続いて旧岩崎邸へ。
洋館である。
「私が東京で一番好きなところ」
と言い、彼女を連れてきた。
100%私の趣味。
久々に会うのに、思いっきりマイワールドに引き入れてしまった。

彼女もこういう建造物が好きらしく、二人でコーフンできた。
「令嬢になった気分だね」
とのんびりとした会話をした。
喜んでくれて良かった。










上野公園の屋台でたい焼きを食べ、いざ銀座へ。

「Shot Bar PHILOSOPHY」
ここで大学時代の友達K君がバーテンダーをしている。

彼のお店に行くのは初めて。


ネクタイ姿でビシッとしているK君の姿にクラクラ~。
…こんなに立派になっちゃって。
シェーカーを振る姿なんて、もう貫禄が付いちゃってて、私ゃたまげたよ。

「ねぇ、クマのカクテルを作って頂戴」
と、リクエストをしてみた。

「えー、無理だよー」
と言うK君。
しかし仕事熱心な彼は、酒の瓶の前で悩みながらもクマカクテルを作ってくれた。

蜂蜜味を効かせた甘いカクテル「クマ」は、鼻の奥で歓喜の涙の味がした。
嬉しかった。
ありがとう。


「あの子は何をしているの?」
「こないだ会ったよ」
三人で思い出話をしていたら、あっという間にM子ちゃんの電車の時間になってしまった。

なかなか会えない友達。
個々の星たちが星座を織り成すように、私たちも繋がっているに違いない。
友達という星が瞬くのを見て、私も励まされる。
銀座の夜景に包まれて、そんなことを思った。
様々な大切な事をを再確認できた一日だった。




「Precious Memories」(globe)

学生の頃の話 カウンターで足を組み
カクテル少しピッチ早くて
いろいろ話題が飛ぶ
あの娘はどこで働き あの男は何をしてる
最近あいつが電話してきたよ
あなたは今も飲み友達で
オフィスビルすりぬけて
今日も一日が終わって
クーペタイプの疲れたシートに座って
カーステレオから slow dance
そして切ない love song
時々 ふっと思い出す
precious memories

懐かしくても会えずに
どこにいるかも理解らずに
偶然 街ですれ違っても
気付かずに お互いの道を目指してる


階段をかけのぼって
ヒールもだんだんはかない
アドレスのデータも
ほとんど使わない人ばかりになる
週末ばかり気になって
今もそんな話題がでてる
だけど ふっと思い出す
precious memories

懐かしくても会えずに
どこにいるかも理解らずに
偶然 街ですれ違っても
気付かずに お互いの道を目指してる


月日が流れて少しづつ
遠ざかる夢のかけら
誰と暮らしているかも
知らずに 何かを忘れてく


懐かしくても会えずに
どこにいるかも理解らずに
偶然 街ですれ違っても
気付かずに お互いの道を目指してる
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久闊

2009年03月19日 21時30分23秒 | Weblog
明日、大学時代の友達と会う。

パックしたり、着ていくものを考えたり、ムショウにわくわくしている自分に気づく。

思えば、昔も新しく買った化粧品やその他諸々で我々は刺激しあってきたような気がする。

その最たるものが彼氏という存在であった…。

いやー若かった。

会えばずっと互いの彼氏の話ばっかりしていた。
人生を四季に喩えたら、あれはおそらく新芽の季節だったんだ(今は葉桜の季節かな。それとも枯れ葉…!?)。

明日会う彼女がどんな風になっているのか、楽しみだ。
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あの純粋な気持ち

2009年03月19日 21時30分09秒 | Weblog
頬に薔薇色を湛えた学生たちが、社内を彷徨く季節になった。
どの子の表情も、緊張した面持ちだ。

ナチュラルストッキングで包まれた足が寒そう…。

気づけば、就活真っ盛りの季節である。

去年までは学生優位だった就活だが、昨年秋に起こったリーマンショックで明らかに厳しくなったもよう。


私にもあんな時期があったんだろうか。

1999年春。

私は紺色のリクルートスーツに身を包み、黒の鞄と靴で武装して就活に挑んでいた。

路線図を片手に行ったこともない都内を徘徊し、「御社が第一志望です」と言いまくったり、エントリーシートを書きすぎて腱鞘炎になったりしていた(当時はリクナビなんて無かった)。

今日、久々に今自分がいる会社を受けたときのことを思い返した。

無垢なる気持ちで挑み、そして受かりたい一心だったような気がする。

インスピレーションが働き、「この会社に入りたい」と強く思ったからだ。

「何がしたい?」という選択などする余裕はなかった。
とりあえずどこかに入らなければ、という就職氷河期特有の脅迫にも似た現実が絶えず目の前にあった。
それを差し引いても、「この会社に入りたい」となぜか強く思ったんである。

「入れてくれれば何でもします」
ってな気持ち。

あの熱き想いを私は忘れかけていた。

あの頃の私が今の私を見たら、きっと感動するに違いない。
それぐらい、今の職場環境は恵まれている。
それが当たり前になってしまっていた。

心が日々の仕事に磨耗され、いつしかあの純粋な気持ちを失いかけていたんである。


年に一度やってくる就活の学生たち。

彼らは私に、「初心忘るべからず」という言葉を教えてくれる。
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経費削減

2009年03月19日 21時26分11秒 | Weblog
最近、我が部長●●●ィ~は経費削減の鬼と化している。

「それって無駄じゃないデスカ」
が彼の口癖。

頭が良い人なので、時間や労力をコストに置き換え、その関係性を頭の中で即座に計算しているはずだ。

私が提出した日用消耗品の納品書を凝視する●●●ィ~。

ある物品の価格を
「高いんじゃないデスカ?」
と指摘してきた。

「もっと安いものを探してみてクダサイ」
とも言われた。

他の書類に埋もれていた私は一度作業を中断し、言われた通り、カタログをペラペラと捲った。


面倒だと思った。

私がこの部署に来てから、3ヶ月に一度、買い続けている物である。

これが一番安くて丈夫なんだよー。
今更何をガタガタ言ってるんだよー。
いいじゃん、今まで通りでさー。

という気持ちもあった。


カタログを捲っていた私の指は止まった。

現状の物よりも安くて(半値)、品質も大差ないものがあったのである!

ぎょえ~!

落ち着け、私。
こーゆーときは素直に謝るのが一番だ。

おずおずと●●●ィ~の席に近づく。

「あのう。先程の件なのですが。あのう…現状のものよりも安くて品質も大差のないものが売っていました。申し訳ございません」
ひたすら謝る私。

「なにぃ~?今まで3ヶ月に一度購入してきた差額を合計したら大変な金額ですよね?アナタ、どう償うおつもりデスカ?」
と、●●●ィ~。

「給料からの天引きでも何でもしてください…申し訳ございません」
頭を垂れる私。

「天引きなんてしませんヨ。…でも後でお仕置きしますからね…フフフ」
と言い残して●●●ィ~は消えていった。
ニヒルな笑みも残して。

後でお仕置き…ガクブル。


今やっていることが必ずしもベストなことではないと深く反省した。

正直、経費削減のことを深く考えたことがなかった。
できることは、残業を減らすようにとか、他の建物に行くときは一度で済むように工夫するとか、というようなことで、私にできることは限られているのだと思い込んでいた。

でも、今日の一件で自分がいかに驕っていたのかということを痛感した。

私は真面目な人間ではない。
そんな私のモチベーションに火をつけた●●●ィ~。

今後、自分の仕事に掛ける時間や物品購入の際の価格を見直す良い切っ掛けになった。

経費削減のチャンスは私の前に大海原のように広がっている。

視野を広く深く持ち、無駄を省きたいと思う。


●●●ィ~が我が部署に降臨してもうすぐ丸2年。

初めて彼から感動を得たような気がした。
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命がけで愛するということ。

2009年03月18日 22時50分54秒 | Weblog
愛するものに殺される時、人はどんな気持ちになるんだろうか。

最後の一呼吸をする最中、自分を傷つけた対象を赦せるんだろうか?
それともやはり憎むんだろうか?

mixiで「クマになら殺されてもいいかも~」というコミュニティがある。

私はクマが好きである。

勿論、ちゃんとそのコミュニティに参加している。

以前は、そのコミュニティの想いを無垢なる同意を持って見守っていた。
しかし、上野動物園で見たエゾヒグマの餌付けの様子に、私の考えは急転した。
クマは、獰猛なのである。ホントに…。

週に何度かのご馳走である鮭を鋭い爪で押さえつけ、ガツガツと食する様子は、隣でさっきまで「かわい~」と嬌声をあげていたカップルを黙らせた。

辺りに漂う血の臭い。
それは口許から時々見える歯茎と歯のあたりを染めている血液から漂うものに違いない。

怖かった。
うっとりとしつつも、恐怖でいっぱいだった。
柵の向こう、わずか5メートル先で繰り広げられているクマの食事の様子に私は震えた。

あんなに大きな体、そしてそれに付いている鋭い爪と歯を持つクマに森で遭遇したら、やはり怖いに違いない。

96年、カムチャッカで写真家がクマに殺された。
番組の撮影のため、テントでの就寝中に襲われたらしい。

その写真家・星野道夫さんの撮るクマは被写体の全てを写し出している。
しぐさ、視線、クマの考えていること、におい…そのようなものが写真に収められている。

星野さんの残した写真も大好きだが文章も好きだ。
淡々としていて具体的なのに、どこか抽象的な文章。
惹き付けられる。

学生時代、通学時間中に、日常に流れる時間の他に「もうひとつの時間」を想っていた星野さん。

「もうひとつの時間」とは、北海道という同じ国にある土地では、クマが倒れた木を、今、まさに跨いで歩いているという事実が流れる時間のことを指している。

偶然にも、普段からそんな想いを持っていた私は、星野さんに内なる気持ちを代弁してもらったような気がして嬉しかった。

星野さんはきっとクマを愛していたに違いない。
大自然に魅了され、アラスカへ移住までしたのだから、私よりもきっと何倍も何倍もクマを愛していたはずだ。

なのにクマに殺された。

殺されたんである。

愛は報われない性質のものなのだろうか。
それとも愛が足りなかったのか。

クマが自ら人に近づいて人を襲うという「稀なケース」に嵌まっただけなのか。

真相は分からない。
もしも。
星野さんに質問できるとしたら。

「クマに襲われたとき、どう思ったのか?」

ということを訊きたい。

あの独特の文章で、ぜひ彼の回答を聞きたい。

でもそれは今となっては叶わない。

だから、私は彼の残した作品からその答えを感じたい。


命がけで何かを愛すること。

その直向きな想いが星野さんの作品には滲み出ていて、平凡なクマ好きレベルの私は揺るがされるんである。
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ほっと一息

2009年03月17日 22時09分44秒 | Weblog
残業、歯医者の治療を終えたあと、母に一日の報告の電話。
その後、髪のトリートメントとシャンプーが切れていることを思いだし、薬局へ。

「社会人なんだから印鑑(シャチハタ以外)を会社に常備しとけ」
と上司に言われ、100円ショップで印鑑を購入。

バタバタした一日だった。

仕事も「ぐちゃ!」としているし、風邪も吹き飛ぶ目まぐるしさである。


ようやく喫茶店で一服できたのは21時。
お疲れさまでした。

近々大学時代の友達と会う予定。
卒業してから群馬の実家に帰ってしまった彼女に会うのは久しぶり。
楽しみだ。

何着ていこうかな?
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あっけらかんと不機嫌

2009年03月17日 22時06分34秒 | Weblog
歯医者デー。

今日の真田先生は明らかに機嫌が悪かった。

なんちゅーのかな?
「俺、機嫌悪いの。そこんとこ、よろしくぅー」
みたいな電波を犇々と発信しちゃってる?みたいな。

いきなり
「ああ!もう」
と声をあげた真田先生。
前掛けをして待っていた私はビクッとしてしまった。

歯科助手に切れたらしい彼は、
「●●くん、ちょっといい?」
と歯科助手一名を拉致し、説教部屋で説教を始めた(筒抜け)。

先生が説教部屋に立て籠っている間、
「今日の先生、機嫌悪いですね?」
と、他の歯科助手2人に言ってみた。

「わかります?患者さんに感じ取られるなんて駄目ですよね」

「いつも、あーなんですよ」

と言う彼女たち。

わかる!
わかるぞう!

ここは会社の給湯室か?っつーぐらいのこのリアリティ。

いずこも同じなんである。

男性社員特有の不機嫌に振り回される彼女たちに熱いシンパシィを感じてしまった。


「生理前なんじゃないんですかね?」
と言ったら彼女らは爆笑した。

「僕、あと三日で来るみたいだよ」
「遅れてるんだ」
と真田先生の物真似をしながら談笑していると、
「お待たせ」
と言いながら真田先生は帰ってきた。


私の上司たち(●●●ィ~、吉熊上司)はあまり不機嫌な気持ちを露呈しない。

なのであそこまであっけらかんと内なる気持ちを出されると、患者といえど私は戸惑ってしまうんである。


今日も痛い根管治療を施された。
痛かったんだが、感情を押し出せずに、我慢してしまった。
「痛いです」
なんて言ったら
「ちゃんと磨かないからだよ」
と言われそう…。

くわばら、くわばら。
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性善説

2009年03月16日 22時12分58秒 | Weblog
昨夜から喉の調子がイマイチだった。
今朝起きたら案の定喉に激痛が走った。
ついに風邪が降臨したらしい。今年初?

今日は我が部署に新たな2人がやって来るので、いつも通り出社した。

熱はあっという間に37℃まで上昇。

幸い鼻水や咳は出ない。
しかし、喉が焼けるようにヒリヒリと痛い。
唾を飲み込もうとすると涙目になるぐらい。

帰りたい。
と思ったんだが、今日は四季報の発売があったり、経費分析やなんやかんやがあり、そうもいかず。
しかも●●●ィ~(部長)から売上高の来歴云々を知りたいと言われた。
吉熊上司から数字をもらったんだが、紙の上で数字が回った。

まじで。
回ったのである。

♪まわる~まわる~よ、数字はまわる~
喜び悲しみ繰り返し~


仕方がないので夕方、私用外出許可をいただいて町医者へ行った。
私の風邪は、市販薬よりも医者が処方した薬の方が安く済むし、高い効果を得られる。

医者に喉を見せると
「真っ赤に腫れているよー」
と感想を述べられた。

インテバン(解熱剤・鎮痛剤)
フロモックス(抗生剤)
トローチ

を処方された。

いつも飲んでいる薬と合わせて見てみると、ある意味壮観な眺めである。
ジャンキーというか。
飲み合わせは大丈夫なんだろうか。



残業していると●●●ィ~に
「まだ居るんですか~?」
と言われる。

いつものことだが…。

私、要領悪いのかな?
「お前みたいな低能力な奴に残業代を払いたくない」
と思われているのかな?

だとしたら、風邪引いてまでやっているこの仕事って何だろう。

…ダメダメ。
そんなことを考えたらキリがない。

彼の前では鈍感なふりをひたすらしていれば良いのである。
彼の天才的な思惑や嫌味を考えていたら、それこそ泥沼で溺れるようなものだ。

「私のことを心配してくれてるのね」
と思った方がストレスが少ない。


身を守るために、性善説を信仰する風邪一日目の私であった。

早く寝よう…。

ブアックション!
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続・謎の小袋 80袋

2009年03月16日 22時10分07秒 | Weblog
お茶・伊右衛門を購入。
おまけが目的である。
この巾着袋、デジカメにジャストフィットする。しかも中がフワフワしていて貴重品入れとしても使えるかもしれない。
これは重宝するかも、と思い、再び購入。

今日の謎の小袋は、「紅葉」



ロッキー、あんた、何やってるの?
鳥・バードみたくなっちゃってるよ…。


さくら!
烏帽子じゃないんだからね。


吉熊。
苦しくないか?



いたずらっ子のクマたち、…先が思いやられる。
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一泊二日の帰省

2009年03月15日 22時35分39秒 | Weblog
昼近くまで布団でコロコロし、起きたら母が買っておいてくれたメロンパンと炒めものでブランチ。
居間には春らしい日差しが降り注いでいて
「幸せだなぁ」
と、つい加山雄三のように囁いてしまう私。

我が家の庭に咲くクロッカス。


花が好きな母は庭に多種多様な草木を育てている。
冬の間に培われた生物のパワーが、庭のあちこちから芽吹いているのを感じた。

今日は天気が良かった。

昼過ぎ、両親と真岡の井頭公園にお出掛けをした。


公園の中心には大きな池がある。
その池には鴨や鯉が悠々と泳いでいる。
我が家の人々は食パンの耳を保存しておいて、ここに来る際に必ず持参をする。
で、ひたすら餌付けを楽しむんである。
特に、普段はおとなしい父が気が狂ったかのように餌付けする様子は凄まじい。
一種の支配力が為せる技なんだろうか。

私は池の縁で四つん這いになり、パンの耳を水面に近づけた。

鯉が寄ってくる。
唇をびょょ~んと伸ばして一生懸命にパンの耳にありつこうとする鯉たち。
彼らが食べようとする寸前にパンの耳を引く。
フガフガいいながらがっかりする鯉の様子が面白く、何度も繰り返す。

「愚か者が!」
とか言い放つしまつ。

次第にサディスティックな気持ちが私の中で芽生え、
「ひっひっひっ~」
と怪しい声を上げながら餌付けしている自分に気づく。

鯉も学習するのだろうか。
次第に私のエリアからは遠ざかり、ノーマルに餌付けをする父の方へ移動していった。
鯉、頭良い。

鯉に無言の放置プレイを強いじられた私は、四つん這いをするただの変なオバサン…。


園内を一周。


みどりの相談所にて思わぬ花との遭遇。チューリップタイムという椿の一種らしい。


帰りにFKDインターパークに寄り、プラプラ。
雑貨店にて桜の葉書を購入(帰省のあとは毎回両親に感謝の葉書を出している)。

夕御飯はお好み焼き。
ホタテ、コーン、山芋、キャベツ、卵、ツナ、肉が入った豪華版お好み焼き。

多目に焼いて、持たせてくれた。明日の朝、食べよう。

美味しいものをたくさん食べ、快速ラビット号で東京に帰る。

宇都宮に住むことはもうないと思う。
こんなにも両親といて楽しいのに。
でも、一人暮らしの気楽さが体の隅々まで滲んでいる私には、この一泊二日の帰省が一番ちょうどいいのかもしれない。

荒川を渡ったり、やがて私は東京の毒女、いや独女モードに切り替える。

明日からも頑張ろう。
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ふるさと

2009年03月14日 21時38分51秒 | Weblog
宇都宮の実家に帰省。
月に一度、必ず帰るようにしている。

夕方の東北線は少し混んでいて、小山駅まで座れなかった。
ドア付近に立ちながら流れていく車窓をただ眺めていた。

夕闇に染まるそれを見ていたら、いつの間にか泣いていた。
どうした、俺。

隣に立っていた酔っ払いのおじさんが、私を見て明らかにビビっていた。

悲しいことはない。
けれども、時々、大脳新皮質がウズいて泣いてしまうんだ。


雀宮駅に到着。
寒い~。
歩いて帰るのか…と思っていたら、ロータリーに見慣れた父の姿が見えた。
車で迎えに来てくれたらしい。助かった。父、GJ。

玄関を開けると餃子の匂いが漂ってきた。
母が私の帰宅時間に合わせて焼いていてくれたらしい。
宇都宮のソウルフード・餃子。
我が家は正嗣派。
3人前ほどガッツリといただいた。



このグリーンのお皿は後輩若君の結婚式の引き出物。
家で料理をしない私は実家に譲渡した。
けっこう活用されているらしい。



今夜は母の隣で寝よう。
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クマタオルケット

2009年03月13日 22時59分20秒 | Weblog
バレンタインのお返しに、先輩(女性)からプレゼントをいただいた。

クマタオルケット~。

クマ、クマ、ク~マ!

なんだかとても高級そうだぜ。

実は布団の縁が汚れやすくて、困っていた。

今夜から、このクマタオルケットを布団の縁に覆って使おう。

良い夢を見られそうだ。
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生きている実感

2009年03月13日 22時42分02秒 | Weblog
今週は何だかんだでとても疲れてしまった。
パトラッシュとネロのように教会で寝てたら、昇天できっかも?
でも迎えに降りてくるあの天使たちは偽善的であまり好きではない。生々しい肌とか、生理的に受け付けられない。


生理前なのか明らかに情緒が安定しない。
そわそわして落ち着かない。
予期不安に押し潰されそうで、とにかく困った。

無になりたいとか願ってしまうんである。

パキシルを飲んでなかったら、もっと落ちていたかもしれない。
そう思うとゾッとする。

嗚呼、私の頭ん中はパキシルがセロトニンの再取り込みを阻止してるんだなぁ…などと妄想すると、少しは楽になれる。

がんばれ、パキシル。
ビバ、セロトニン。

そんな私の極上の癒しといえば、珈琲・煙草・本である。
この三種の神器があれば、気持ちを無に近づけることができる。

スメタナが流れる喫茶店で、珈琲を啜りながら煙草片手に頁を捲る。
幸せである。


新しい本を読む心境ではない。
新しい本を読むときはそれなりに覚悟が必要である。
読書とは、その物語の主題や作者の主張を聞かないと(読まないと)ならないことだと私は位置付けている。
新たに他人の主張を受け入れることは今の私にとっては困難だ。
したがって、読み慣れたものを持ち歩いて繰り返し読んでいる。

「カフェー小品集」(嶽本野ばら)
題名の通り、カフェーを舞台にしたオムニバス作品である。

その中で一番好きなのは
「眠りの国、青い屋根の人の家」



どういう訳か、土曜日だというのに、あの日、インクラインには僕と君の姿しかありませんでしたよね。人の姿のなきインクラインを歩くのは初めてのことでした。僕達は線路をつたいながら、三度、キスをしました。三度目のキスは珍しく、極度に照れ性の君からのおねだりだったもので、僕は白昼堂々、君を強く抱き締め、長い長いキスをしました。世界の終わりのようなキスを。短いキスを期待していたらしき君は、恥ずかしさに耐えかねて僕の頭をポカポカと殴りつけましたよね。しかし、あれは短いキスではいけなかったのです。君と交わすキスは僕にとって祈りなのですから。祈りのキスのなかには形骸化した食前の祈りのように短く日常的なものもあれば、奇蹟を求めて一心に祈る長いものもあります。あの日のあのキスは、長い敬虔な祈りでなければならなかたのですよ。




この部分が好きで。
昨年はこのシーンを再現しようと京都のインクラインまで行った。
もちろん、相手は吉熊だったけれども。

目が痛くなるほどの夏の光が、緑が、私を貫いていった。
廃線のレールをよちよちと歩き、私は野ばら先生の息づかいさえも感じていた。

不思議なカフェー・若王子は閉店してしまっていたけれども、あの夏のあの場所、あの時間は、私の人生の中で濃厚な「生きている実感」を得た時空であった。

なんて楽しいことを考えていたら、気持ちが少しだけ浮上できた。

今年もパキシルと吉熊をお供に、様々な時空で「生きている実感」を得たい。



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