次は…

「僕、次はこれが観たい！」
と、吉熊。

『ウルビーノのヴィーナス』（国立西洋美術館）
5月18日まで。

来月、行ってみよう。

煙草2本分の一期一会

博物館を出たら、もう夕暮れだった。

舂づく空が綺麗で、思わず見とれる。

「あー。一服するか」
長時間立っていたので腰が痛い。しかもヤニ切れ。

ベンチに腰かけて煙草を吸っていたら、隣の青年がいきなり話しかけてきた。

「けっこう若いカップルが多かったですね」

と。

それから本展の感想を述べ合い、
「もう少し日本史を勉強していたらもっと楽しめたかも」
という話に至った。


映画でも演奏会でもそうなんだが、今観た、今聴いた感動を分かち合えるのって良い。

2本目の煙草を灰皿に押し当てて、
「じゃ、さようなら」
と、私はその場を去った。

この一期一会が、私のソロ活動の糧となるである。

はじめての二人旅

東京国立博物館で開催されている「国宝薬師寺展」に行った。

昨夜、NHK特集「日光月光菩薩　はじめての二人旅」を観て、ぜひ実物を見たくなったんである。
薬師寺とは天武天皇が奥さんの持統天皇にプレゼントした愛の建造物である。（ちなみに持統天皇の歌は百人一首にも選ばれている。
「春過ぎて
　夏来にけらし
　白妙の
　衣干すてふ
　天の香具山」
衣替えシーズンの今の季節にぴったりの歌だ）

番組では薬師寺にある「日光・月光菩薩立像」が、はじめて二体揃って東京にお出掛けする模様が放送されていた。
旅立ちの前、イケメンなお坊さんが菩薩を一生懸命に磨きながら
「東京にお行きになり、様々な人に見てもらいたい」
と言っていたのが印象的で…行ってみた。

番組の翌日だった為、館内は激混み。

レンタルした説明イヤホンから流れてくる市原悦子の声が、日本昔ばなしちっくでおどろおどろしい。


月光菩薩（向かって左）…背中の滑らかさからすると、やや女性らしい。ウエストにくびれがある。
日光菩薩（向かって右）…背中が隆々としていて、やや男性らしい。お腹も月光菩薩よりもメタボ。
蛇行する通路の果てにある二階から二人を見たとき、私の目には涙が浮かんできた。
目の前にいる二人には、1300年分の様々な人の願いまでもが詰め込まれているように見えたからだ。
古来から、そして昨日の番組のイケメンお坊さんの願いに至るまで。


日光菩薩の前に佇み顔を見上げるとわずかに口角が上がっているように見えた。
私の願いも、赦しを乞う心も、全てを彼に託した。
託されるだけではなく、
「じゃあ、願いを叶えたいのならば、何からするべきかな？」
といった問いかけもくれる。
無言の心療内科医のようだ。

自然と両手が前で合わさる。


スポットライトに照らされて、二人は少し恥ずかしそうだった。
「1300年を以て、はじめての外出でして…」
と言っているかのようだ。


二人の間に佇み、薬師如来のポジションを全身で感じてみた。
globeでいうとKEIKO、昔のドリカムでいうと吉田美和の立ち位置だ。

…なるほど。

心の安寧を感じる。


いつもは光背を背負っている二人。
光背を外された二人は日本史の教科書で見たよりも遥かに人間的な姿だった。
彼らの艶かしい背を拝み、「次、この背を見ることはあるのだろうか」と思ったりした。

本展では、吉祥天像や聖観音菩薩立像など、国宝てんこ盛りである。
あと、水煙。
部屋に置きたいぐらいの完璧なフォルム。
よく見てみると天女がダンスしている様子が分かる。初めて知った。



数年前に同じ場所で開催された「唐招提寺展」と同じぐらい満腹になれた。


日光＆月光菩薩、あの二人に会えて良かった。

芽吹きパワー

いつの間にか、桜の枝に若々しい葉が生まれていた。
日差しも日に日に強くなり、初夏に突入しそうな雰囲気。

今日はスプリングコートを着用しないで出勤した。
黒スーツの下には、萌木色のヒラヒラ襟のブラウス。
ちょっと秘書風。

春色ネイルに、香水はエリザベスアーデンのグリーンティ。
社外に出て深呼吸をすると、空中に放たれている芽吹きパワーが、この身に浸透していくような気がする。

「セイムタイム・ネクストイヤー」

「セイムタイム・ネクストイヤー」
作/バーナード・スレイド
演出/斎藤アーサー

東大宮コミュニティセンターにて。

私の大好きな劇団レインボウ城！の主宰であらせられる斎藤アーサー様の舞台。
今回は「UTAKAI」主宰の粕谷ひろみさんとの二人芝居である。

ストーリー
ドリス（24歳）とジョージ（27歳）。
旅先でのナンパをキッカケに知り合った二人は、互いに子持ちの所帯持ち。
意気投合した二人は、年に一度、同じコテージでデートすることに。
25年目の1975年まで続くが…。


二人の心の移り行く様子が、舞台上でよく表現されていたと思う。

年に一度の逢瀬を25年間。

これって、なんだか凄くロマンチックで贅沢な約束ではないだろうか。

ドラマ「恋人よ」の私書箱恋愛を彷彿とするような。

ぶっちゃけ、W不倫の話なんだが、それにとどまらない高貴で純粋な愛…というよりも友情に近いものが私には眩しかった。
舞台装置の演出ではなく、本当に眩しかった。

生きている世界とはまた別個にある、本音を言い合えるコテージ。
そこで語らうことで、客観的に互いの家庭を、そして自身をも見つめ直す二人。

背景にあるアメリカという国の情勢や互いの家庭事情に翻弄される二人だが、最後は…涙で終わる…と言いたいところだが、ハッピーエンド（？）で終わる。

あの、しれっとした最後が好き。

熱演する二人が本物の恋人同士のように息がぴったりで、びっくりした。

本音と対峙することで、人は客観性を養い、成長するのかもしれない。

私にとって本音を溢せる場所とは、やはりこのブログだろうか。



成長して…る？

シュシュ

シュシュといっても、殿方には分からないかもしれない。
シュシュとは、髪を束ねるアイテムで、ゴムを筒状の布で巻いたものである。

ゴムやピン、バレッタなどで髪を留めると必ず痕跡が残る。
あれ、私は生理的に嫌いだ。

アフター6に用事が無くとも、髪にあれを残して帰宅することはしたくないんである。
縛るんなら朝からヘアクリームをべっとりと撫で付けてきっちりと縛りたい。
後れ毛一つでないぐらいに。


最近、縮毛矯正をした私。
髪を下ろして仕事することが多い。
でも、俯くと髪が邪魔。

で、テケテケン！
（ドラえもんが道具を出すときの効果音）

シュシュである。
これで髪を縛ると痕跡が髪につかないんである。

今日、大宮のルミネをフラフラしていたら、こいつに出会ってしまった。

即購入♪

紺色は私の好きな色であり、所々に見え隠れするゴージャスなサテン地が素敵ではないか！

明日からの短信チェック！
こいつで髪を束ねて赤を発見するぜ。

茜屋珈琲店

大宮で下車。
大宮駅は、大学時代、乗り換え駅だった。
久々にルミネやアルシェを見たんだがけっこう変わっていた。
大学時代、
「就活、めんどくせー」
「内定でなかったらどーしょ？」
「ていうか、今年も経済学の単位落としそうなんだけどー。誰かノート持ってない？」
「亮子ちゃん、今年も経済学落としそうなの？」
「うん。だってマクロとかミクロとか、つまんないんだもん。ところで、〇〇さんとはどーなの？」

という会話を友達としたカフェバーは違う店になっていたし、よく洋服を買っていた店はなくなっていた。

こういう現実に直面すると、時代の流れを感じずにはいられない。そして、孤独感が降ってくる。


大宮駅近くの喫茶店茜屋に行く。
ここも会社の先輩に教えてもらった。

先輩曰く、「毎日でも通いたい」とのこと。

なるほど。
挽きたての珈琲の味は深くて、でもまろやかな味がする。
ティーカップも多彩らしく、今日は紺の花柄のシックなものだった。

時というものが永遠の概念を持つならば、変わらないものなんてこの世にないはずだ。
大宮が変わってしまったのと同じぐらい、私だって変わっているに違いない。

勝手に孤独に浸っていた自分に終止符を打とう。

今日新規開拓した茜屋珈琲店のこの味。
またいつか味わうときには、どんな自分になってるんだろう。

そんなことを考えていたら、店内にバッハの「目覚めよと呼ぶ声がきこえ」が流れてきた。

久々の尾道の味

小魚、背脂、濃い醤油味。
私が愛する、懐かしき尾道の味を堪能できた。

スープ1滴残らず完食。

大盛りは無料らしい。
次回からはぜひ大盛りで。

尾道学校入学

名札（裏面ポイントカード）をもらった。

ラーメン15杯で1杯無料ですって。

らーめん尾道学校 東大宮分校

会社の先輩に話を伺って以来、気になっていたラーメン屋さんへ行った。
なんつったって、名前が「尾道学校」！
毎年夏休みは尾道に行く私。
気にならないはずがない。

東大宮駅東口。
店内は学校みたいな雰囲気。
黒板、そして学校の椅子。
メニューが変わっていて

こってり醤油
1年1組(本場尾道らーめん）
2年1組（こだわり尾道玉子らーめん）
3年1組（特製尾道チャーシューめん）
4年1組（贅沢尾道玉子チャーシュー）

あっさり醤油
1年2組(本場尾道らーめん）
2年2組（こだわり尾道玉子らーめん）
3年2組（特製尾道チャーシューめん）
4年2組（贅沢尾道玉子チャーシュー）

みそ
1年3組（本場尾道みそらーめん）


ってな具合。

給食係と称するイケメン店員さんに食券を渡し、暫し待つ。

吉熊、店内の様子にコーフン気味。
落ち着け。

日光浴

布団を干した。
ついでにリラックマも日光浴♪

今夜はフカフカの布団にくるまれて、フカフカのリラックマを抱き締めて寝よう。

蛇足なんだが、干した後の布団の香りって…ダニの死骸の香りらしい。

馴れ初めが顔剃り…？

洗顔後、化粧水をぴちぴちつけようと鏡を見たら、ビクーリ。

産毛がすげー！

鼻の下とか、カールおじさんみたいになってんの。うっすらと。

そうだ。
顔剃りに行こう。

2月に後輩若君の結婚式前、初顔剃り＠理髪店をした。
その後の化粧ノリは筆舌しがたいほど良くて、また行きたいと思っていた。

今日は雨。
一日家で過ごそうと思っていたんだが、予定変更。
美肌を入手するべく近所の理髪店へ。

「いらっしゃいませ～！あら！」

おばさんは私を覚えていてくれていた。
ちょうど先客の若い殿方が終了しかけたところで、非常に良いタイミングだった。
その若い殿方とおばさんの会話を聞きながら、少し待ち、席に案内された。

ボーボーのうなじに泡が塗られて、そしてぞりぞりと剃られた。

続いて顔。
ぞりぞり。
剃刀に抵抗する我が産毛の音がスゴいのなんのって。

それにしても、おばさんはよく話す人だ。
マッサージするときもパックするときも本当によく話す。

大好きだったご主人を亡くしたあと、女性客を取り入れるべく顔剃りやエステに力を入れていること。
花好きだったご主人の仏壇に造花を供えたら娘さんに猛烈に叱られたこと。
庭に咲いていた椿を供えたら、今度はご主人さんの姉に激怒されたこと。
今年就職した娘さんのこと。
自身が福島の港町で育ったこと。

本当によく話す。
でも手もよく動く。

「おねーさんみたいな若い人の肌は、効果がすぐに出るから、やっていて楽しいわ」
と、1時間も手入れをしてくれた。

昨日化粧したまま寝てしまいボロボロだった私の肌は、眩いほどの美肌になった。
一皮むけて、もちもちつるつる。

鏡越しに見る肌をなでなでしている私におばさんは、
「さっきのおにーさんも宇都宮出身なんですって。素朴で良いコなのよ。彼女募集してるみたいよ。おねーさん、どう？」
と。

え？
勤務先が永田町とか言っていたさっきの眼鏡男子？

…。（←妄想中）

ふふふ。


…でも、馴れ初めが顔剃りっていうカップルって…。

人生ゲーム

いつの間にか、決算書類作成時期に突入していた。

後輩男子が作成
↓
後輩女子がチェック
↓
私チェック
↓
吉熊上司チェック

…ちょっとした問屋制家内工業みたいな雰囲気。

しかし、殺伐とした掟があり、
…吉熊上司チェックの時点で赤が発見されたら、何故か私がクビにならなければならない
…らしい。

間違えないように頑張れ！後輩たち！
（↑他力本願）


昔、といっても6年ぐらい前の私は、作成とチェックの段階をも担っていた。
他にも合理化されていない仕事や電話を取ったり、来客があればお茶も煎れたりしていた。

あの頃は毎日が今よりもハードだったのに、無心で頑張れていた気がする。
若さゆえなのか？

吉熊上司の根本的な教えは、「仕事は自分で見つけること」。
これって結構難しい。
与えられている仕事をこなすことは０。
言われなくても自ら考えて用意していて、日の目を見れば＋1ぐらいの加算。
ミスしたら容赦なくマイナスされる。

毎日がリアルな人生ゲーム。

そこまで分かっていながら、どうして私は頑張れないのだろう。

全員集合！

我が家のクマたち。

あと、巨大クマのユメちゃんと木彫りのクマ子さんがいる。

うさくみゃも可愛いが

うさくみゃも可愛いが、うちの吉熊もすこぶる可愛い。

母が編んだ檸檬色のチョッキを着用。