世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

吉熊のお仕置き部屋

2007年01月31日 22時52分37秒 | Weblog
給料日だったので、帰りに雑貨店に入店してみた。

鬱鬱としていた最近。
遠ざかっていた類の店である。

先日、化粧品置き場の一斉清掃をした。
化粧って、けっこうゴミの出る作業だ。
ティッシュ、綿棒、コットン。
それらは使用後、当然ゴミとなるんだが、だらしのない私はそこら辺に放置したままにしてしまう。
塵も積もれば…とはよく言うもので、気付くと、そこら辺に使用済みのコットンなどが散乱しているんである。

このままではいけない

そう考え、ゴミ箱を購入することにした。

本当はその都度、ゴミを処理すべきなんだろうが、私にはそれができない。
できないのである。

ゴミを溜められて、尚且ゴミが目に触れないという見映えを考慮した結果、導き出されたのはゴミ箱の存在の必要性だ。
しかも小さいやつ。
あまり視界に入らず、ゴミの存在を考えなくて済むようなサイズのゴミ箱がいいんである。

そして、買ったのは…クマのゴミ箱。←即決。

帰宅後、吉熊を入れてみたらジャストサイズではないか!
…これから、悪戯をしたらここに閉じ込めてしまおう。

覚悟しなさいね、吉熊。
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睡魔貯金

2007年01月31日 22時45分38秒 | Weblog
桜の咲く時期並のあたたかい一日だった。
日中は、コートがいらないぐらいの気温まで上がった。

春眠暁を覚えず、にはまだ早いが、仕事中、睡魔と戦う自分がいた。
ソラナックスの副作用なんだろうが、それはそれは眠かった。

午前から後場終了にかけては、ホント、自分でも驚くぐらい気が張っていた。
しかし、夕方からじわりじわりと睡魔が歩み寄ってくるのを感じた。

1月の経費を締めなくてはならぬ。
…でも、眠い。
ああ、今、この瞬間に布団にくるまって目を閉じることができたら、どんなに幸せだろうか…。
そして、不眠症を患う私は時間外れの睡魔を「もったいない」とも思った。

睡魔銀行、睡魔貯金とかあればいいのに。
眠りたいときに引き出せる睡魔貯金。

睡魔に蝕まれた頭でそんなことを考え、再び電卓を叩く。

今夜は少し早めに寝よう。
睡魔銀行から睡魔を融資してもらいたいと密かに思っているんだが、うまくいくだろうか。

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マニキュアを塗りながら

2007年01月30日 22時44分32秒 | Weblog
いつも、深夜にマニキュアを塗りなおす。
トップコートを含めて三度塗り。
乾くまで、おとなしくしていなければならない。
途中で本など捲ったりしたら、気付かぬ内に爪の表面に傷が生じて、
初めからやりなおさなければならない。
栃木弁で言うならば、まさに「いじやける」という言葉が適切な状態に陥るんである。

せっかちな私には耐えがたい30分。
大抵はテレビなどに見入って気を散らせるのだが、最近この時間の新たな楽しみを開発した。

懐メロ。
懐かしいメロディである。

しかも音源はカセットテープだ。

机の奥から引っ張り出した埃塗れのカセットテープ。
先日、気まぐれでかけてみた。
無精な私がラベルなど貼付するわけもなく…何の曲が入っているか解らない。
わくわく。

流れてきたのは、中学時代に流行った
「愛は勝つ」(KAN)
「心の旅」(吉田栄作)
「どんなときも。」(槙原敬之)
「BELIEVE IN LOVE 」(LINDBERG)
などなど。
親友わかめ殿から借りてダビングした「ネバーエンディングストーリー」のテーマも入っていた。ひどく懐かしい。

また違うカセットには
「島唄」(THE BOOM)
「go for it!」(DREAMS COME TRUE)
「真夏の夜の夢」(松任谷由実)
そして多数のXの曲。
高校時代初期に聴いていた、音楽が無秩序に編集されていた。
(高校時代後期からはほぼ小室哲哉一色に染まっていく)

嗅覚と思い出がリンクするように、
音楽もその時々に感じたことや情景に、容易く結び付く。

そんなことは、ずっと以前から多くの人に言われ続けてきたことなんだろう。

しかし、…駄目だ。
今日、私の脳味噌は、中学時代及び高校時代にタイムトリップしてしまっていた。

中学時代、あの3年1組のストーブで担任が炒ってくれた銀杏の味を思い出して浸っているのは…私だけだろう。きっと。
懐かしい音楽によって呼覚まされたマニアックな思い出は、いつまでも頭から離れてはくれない。

伸ばした爪にマニキュア塗り、乾かしながら思い出に浸る私。
校則で爪を伸ばせなかったが、何にでも感動できたあの頃の私。

どちらが幸せなんだろう。
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どうでもいい

2007年01月29日 23時25分36秒 | Weblog
何からしていいのか、わからなかった。

ああしておいて。
こうしておいて。

残業時間に突入しても、それらの嫁的業務を目の前にし、途方に暮れていた。
そして、今日もメインの予算作成&経費の締め業務には至らず。
…もう、このまま一生それらの業務にはたどり着けないような気がする。

♪もう蜃気楼なのかもしれない、
(仕事に)片想いなのかもしれない~♪
って工藤静香が困った表情で歌い出しそう。
そんなことを考える私も困った顔になっていただろう。

こんな日は、他人のちょっとしたことにもカンに触る。

…知らねーよ、クソが。
初めから、てめーが、やればいいんだよ。
ばーか、ばーか、ばーか!

…いけない、いけない。
急いで、悪態とソラナックスを喉に押しやる。

やがて来るのは、優しくて心穏やかな私っていうか、鈍感な私。
もう、何もかもどうでもいい、と思えてくる。

「どうでもいい?
 違いますよ。
 ソラナックスはリラックスする薬ですよ」

医師は苦笑しながらそう言ったが、絶対に違う。

あれは「どうでもよくなれる」薬だ。

人の視線、
人が自分をどう思っているのか、
人より劣る私の実力とか

んもぅ、そんなこと、どうでもよくなる。

無の境地で仕事に取り掛かれる。
集中できるんである。

抗鬱剤、安定剤、睡眠導入剤。
それらに頼る自分を責める自分を諦めた。

「白線流しスペシャル」で、睡眠導入剤を飲んでいる冬美を、友達のまどか(看護婦)が咎めるシーンがある。
私はあのシーンを残酷だと思う。
冬美は眠れないから睡眠導入剤を飲んだまでなのに、どうしてあんなふうに怒られなくてはならなかったんだろうか。

「あんた、こんなもん飲んでいるの!!!
薬に頼るような冬美じゃなかったじゃない!」

キャンプ場に木霊する、あのまどかの言葉は、眠れる者の奢り以外のナニモノでもない。


もう、どうでもいい。
今、私はそういう時期にいるんだから。

ODしないよう、ちゃんと薬の分量を厳守していれば、
何ら変わりない自分を演じられる。
素晴らしい文明の力ではないか!薬。

あの夏、社内で上司に切れた私は、それぐらい、自分の心をコントロールすることに自信がない。

…ああ、まだ月曜日なのに暗いことを書いてしまった。
今宵は吉熊たちとマフマフして、もう寝ようっと。
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咲き乱れるのか 朽ち果てるのか 二つに一つのダイス

2007年01月28日 23時33分44秒 | Weblog
まぁさ。
しつこい人はたぶん、これから先もしつこいままだと思うのね。

だからさ。
自分を磨くの。
仕事を完璧にし、
威嚇して、
プライベートでもつけこまれないようにするの。

自信を持つのよ。

そうしてれば、何を言われても
「ああ、この人は私が羨ましいのだなあ。だから色々と詮索してくるのだなあ」
と思えるような気がしてきた。

まずは自分の土台作りから始めよう。

私は私のために生きるの。
人生を1秒でも無駄にはしたくない。
こんな生活をしているから、そんなに長くも生きられないだろうし。

彼女の為にイライラして時間をロスするなんて、私の人生の流儀に反することだ。
まずは、自分が変わらないと。
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生きた証

2007年01月28日 23時29分03秒 | Weblog
どうやらパキシルは私には合わないらしい。
胃が痛む、眠りが浅くなる、…もぅ嫌だ。
でも、これを拒否れば、残された道はピルしかないらしいので、我慢するが(ピルは節煙しなければならないらしいっぽい…無理)。
パキシルの副作用を調べてみた。
あまりにも心が軽くなり、
迷いとかもなくなり、
買い物しすぎて破産した
…など書かれてあった。ガクブル。

そんな副作用を気にしながらも、今日は自分に少し早めの誕生日会を開催することにした。
来週、私は29歳になる。
30歳よりもインパクトありありの歳だと思うのは私だけだろうか。
別に切なさを感じるわけでもないが、なんだか自分がここまで生きてきた実感をあまり得られない。
特に就職してからの私の人生って何だったんだろうって思う。
株主総会、決算発表説明会などのイベントを除けば、毎日毎日同じことの繰り返し。
毎月、月末の締めをいかにスムーズに仕上げるかを考えているうちに29歳になったというのが、自分の中で得られる唯一の真実だ。

そんな自分に、靴をプレゼントすることにした。
デパートにてセール中の靴を物色していたんだが、やはり履き心地や見た目を兼ね備えた靴はセール除外品。
私の仕事は3分の1はそこら辺を駆け回るので、履き心地を重要視する。
服も地味なものが多いので、それに合わせるにはシンプルなものが好ましく、かつ華奢なデザイン、ヒールは5センチ以上というものを求める。
以上の欲求を満たす靴はそんなには多く存在していない。
一時間ぐらい迷い、決定!

疲れた…。

喫茶店でケーキを食べ、誕生日の前祝。

明日、新しい靴を履こう。
そして、社内をパタパタと走るのだ。

そんな積もり積もった日常こそが、私が生きた証になるのなら。

「土曜日引きこもり症候群」…やや軽め

2007年01月28日 23時21分46秒 | Weblog
1/27(土)

外が明るくて、なんだか春めいているのを寝床からも感じることができた。
しかし、着替えて、化粧、髪をブローしたりして外出をする気にはなれず。
たしか先週もそうだった。

名付けて「土曜日引きこもり症候群」

縦のものを横にするのも、指一本動かすのも面倒に思えて仕方がない。
それでも先週よりはやや改善したようである。
林真理子先生の最新作を読み返してみた。
いよいよサイン会まで一週間を切った。
何着ていこうかな~。楽しみだ。

その他、布団を干した。
洗濯した。
ファンデーションで汚れたスポンジを洗った。
一年以上使用していない化粧品を処分した。
ヤニで汚れたテレビ画面を拭いた。


「本当は~もするべきだったのに、結局〇〇しかできなかった」
という考えを辞め、
「〇〇できたんだから良かったじゃない」
と考えるクセをつけよう

…初めて今の心療内科の医師に言われたことを、今日久々に思い出した。
「ついでに、風呂も掃除しようかな」
という欲張りをすると、結局、何からしていいか分からなくなって、その場に座り込んでしまう。
まずは目の前に置かれたことにのみ集中する。

そうやっていれば、いずれは「できたこと」に自信が持てるんではなかろうか。

綺麗になった部屋は、やっぱり気持ち良い。
この気分を忘れないで、できることからコツコツと進捗させていきたい。

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週末のまったりタイムに思うこと。

2007年01月26日 23時59分13秒 | Weblog
今週も、ようやく終わった。
週の後半、吉熊上司が不在だったため、けっこう神経を擦り切らした週だった。

心療内科のあと、某ファーストフード店でまったりタイム。
「はぁ…」
席に着くなり一服。
どっと疲れが出てくる。
窓ガラスに映った自分は、見るのも嫌になってしまうほど、老けて見えた。

週末のリラックスタイムは、来週に向けての大切なリセットの意味も兼ねている。

あの件、早くやってしまわないと…
そろそろ、あの件にも着手せねば…
あの表、作成しておいて、吉熊上司を驚かせちゃおう…
月末の締め、早く正確にするのにはどうしたらいいか…

とか。

私のキャパシティを考えると、
それはそれは、
理想に近いものになってしまう。

しかし、諦めたらそれまでだ。

中学の卒業文集。
大好きだった英語の先生が残してくれた言葉、
「まだまだ大きく成長していってほしい。力は無限大だと信じて」
を信じて。

週末のまったりタイムは、私の生きる源である。


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パキシルデビュー

2007年01月26日 23時40分36秒 | Weblog
心療内科デー。
ここ最近の気分の落ち込みを素直に医師に報告連絡相談したら、パキシルデビューすることになってしまった。
私としては、これ以上薬を増やしたくないんだが。
しかも、胃が荒れるっていう医師のお墨付きだ。

しかし、これからの忙しくなる時期を、この爆弾を抱えるているような感情で、乗り越えることにも自信がない。
…ああ、いろいろ考えていたら余計にイライラしてきてしまったではないか。

今日はあまり医師と話たくなかった。
ちょっと無愛想に振る舞ってしまったかもしれない。
診察時間もいつもより短かったし。
感じの悪い子だと思われていないかなぁ…。

これからパキシルってみよう。
自分を信じられないので、せめて、とりあえずは、医師を信じてみようっと。



パパになったミートくん

2007年01月26日 23時37分33秒 | Weblog
昨日、ブログを更新している最中、私の携帯電話に着信があった。
呼出音はすぐに切れてしまった。

「はて。誰かな?」
着信歴を見たら、中学時代の友達Oくんだった。
彼とは中学校の三年間を同じクラスで過ごした。
小柄で童顔な彼は、みんなに「ミートくん」(キン肉マン)と呼ばれていた。
5年前に開催された同窓会のときに、電話番号を交換したのを思い出した。
さっそく、電話を掛け直す。

「もしもし?」

声変わりしたのも疑わしいほどの幼い声。
紛れもなくミートくんだ。

「ごめんね。息子がさっき携帯いじってたから、たぶんそのときにかけちゃったみたい」


ふーん。

…え?

何?

む、むすこっ!?

誰の?

ミートくんは父親になっていたのだった!
彼に言わせると、「マジやばい」ぐらいの可愛さで、将来はジャニーズも夢ではないぐらいのイケメン男児らしい。
1歳8ヶ月の赤子に期待しているミートくん。
妻のことを「うちのおかあちゃん」と呼んでいる!
…あのミートくんがねぇ。
思わず微笑んでしまう。

担任だった畑先生のこととかクラスの友達のことを話して、笑い転げた。

「…あっ、あんまり長電話してっとよぅ、おかあちゃんが起きちゃうからよぅ。んじゃ、またね」

ミートくんは、立派に家庭を築いている。
夜の窓から溢れる、ほんのりとあたたかい光を見た気がした。

所帯を持ったミートくんは、きっと、もう私の知っているミートくんではないんだろうなあ。


♪もう耐えきれ~ない

2007年01月26日 23時31分50秒 | Weblog
いったい、なんなんだろう。
んもう、耐えられない。

♪もう耐えきれ~ない
 孤独のセレナーデ
 虚像の海に流してぇ~

と、歌っちゃうぐらいに、うざいよ!
同僚の某女性。

うざすぎ!

私の昼御飯にいちいち干渉しないで。

…たまにはオニギリが食べたいのよ、オニギリセット410円が。
ダイエットじゃないから!
ただ単に食べたかったの!
梅とおかかの変哲も無い、オニギリが!


私の食生活に興味を持たないで。
他部署の〇〇さんは自炊して、前日の夕御飯の残りをお弁当に詰めてきて偉い…あなたは見習わないの?だと。

…見習いませんよ。
何か問題でも?

私の鞄や服や髪型について、過剰なまでのアドバイスをしないで。

「それ、新しいスーツ?前にもそれと似ているの持っていたじゃない。どうして買ったの?」
「ヴィトンのあの鞄、最近持ってきていないよね。どうして?」
「髪、パーマかけないの?切らないの?長いよね」

…。
だから、何?
あなたに迷惑かけたか?


あと、仕事中に無駄話をし続けないで。
給料もらってんだからさぁ!
場を読もうよ、場を!

不愉快極まりない。
姑か?彼女は…。

って本人には言えないんだが。
辛い。
イライラして歯を食い縛り、頭と胃が痛い。
なのに人を傷付けてはならないという強迫観念から、笑ってしまう自分。
いつか糸がぷっつんと切れてしまうんではないだろうかという不安が過ぎる。

きっと、無邪気な彼女には悪意などないんだろう。
いーなあ。
私なんて悪意がなくても勘繰りされて、悪い女に見られがちで損してるのによぅ。

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花の想い

2007年01月25日 23時25分57秒 | Weblog
あなたという蝶を見たのは、あの夏のはじまりの日でしたね。

梅雨の晴れ間の空に舞っているあなたを、
見上げた私は、
一目で恋に落ちました。

地に張る根っこが邪魔をして、
自由にあなたの元へ会いにいけない私は、
甘い蜜を体の奥底でこしらえて、
今日もこの野原で待っているのです。

恥ずかしさが邪魔をして、
想いを伝えられない私は、
あなたのことを想いながら花弁を揺らして、
今日もこの野原で待っているのです。

明日も、明後日も。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

と、まぁ、こんなこと書いてはみたけれど、
恥ずかしいったらありゃしない。

最近の私は素敵な異性を目撃して萌えると、
「これは転移なのだ!そうに違いない…」
と、自らを切磋琢磨し、誤魔化そうとする。

昔はけっこう積極的だったんだが。
最近はもう、何もかも面倒で。

そんなドライフラワーのような私に寄り付く蝶なんていなくて、
「それもまぁいいか」なんて、腐女子炸裂な思考に走ってみたり…。

だから私は、今夜もこうして妄想という野原で楽しんでいるのである。

エンジョイ妄想。
ビバ妄想。
妄想マンセー。

…過去に付き合っていた殿方で、一人だけ、私を花に例えてくれた殿方がいた。
そんときは、秋桜花に比喩された。

どうせだったら、薔薇か百合に例えられたかったと思ってしまう今の私を、彼はどう思うんだろう。


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化粧と私

2007年01月24日 23時28分06秒 | Weblog
会社帰りに、化粧品を買いに行った。
私は化粧品売り場のカウンターに行く際、必ず化粧を念入りに直す。
店員さんに「げっ、この人の顔、汚い」と思われたくないのだ。
普段はだらしがないのに、こういうことには妙にこだわりを持ってしまう。
時々こんな自分に疲れてしまう。
しかし、惰性に負けた自分を他人に晒した挙句、卑屈になる自分自身にも耐えられない。
何なんだろう、自分…。

目的物の他に、薦められるがままクレ・ド・ポーのフェイスカラー「トゥッシュシュブリム」を購入。
「今季の一押しアイテム」とのこと。
売り場カウンターにて施してもらったんだが、なかなか良い。
塗った頬骨の辺りが光を集めて輝き、顔に立体感が出る。

私が本格的に化粧を始めたのは、18歳の時。

高校を卒業した後の春休み、某化粧品会社からDMが自宅に郵送されてきた。
そのDMを近くの化粧品店に持っていくと、もれなくサンプルをもらえるのだった。
大学入学前の春休み、サンプルに付いてきた小冊子を片手にし、私は野口英世並に化粧の研究に勤しんだ。
それはそれは楽しかった。

3月にリリースされた華原朋美の「I'm proud」を聴きながら、
これから始まる大学生活にワクワクし、
毎日好きなことをして過ごしたあの春休みは、
本当に至福のヒトトキだった。
窓から刺し込む淡い春の日差しさえも、私の味方だと思えた。

何かの書籍に
「初めて口紅を引いたときに流れていた化粧品のCMソングは、女の子にとっては忘れられないものになる」
と書かれていた。

しかし、私にはどうしてもそれを思い出すことが出来ない。
それほど「I'm proud」ばっかり聴いていたんだろう。

そんな思い出は、毎朝慌ただしく化粧をし、その楽しみを失いつつある私を、少しばかり修正してくれる。
初めて紅を纏った唇の、あのくすぐったい感触さえも懐かしい。

…明日は久々に早起きしようかな。
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『経営成績の進捗状況に関する定性的情報等』

2007年01月23日 23時54分39秒 | Weblog
雛鳥は親鳥の嘴から餌をもらう。
真っ赤な口をあんぐりと開けて、
自らの欲求をアッピールするべくピーピー鳴く。
やがて雛鳥は自分で獲物を探す訓練をする。
それは、本能なのか、親鳥の導きによってなのか…。

「好きなようにやっちゃっておいて」

親鳥である吉熊上司の言葉に、いよいよ自分で餌を探しに行く時を知る、雛鳥亮子は、ここ最近、悩んでいた。
「どうしたらいいんだろ」
ここ数日は、プレッシャーに押し潰されそうだった。
自分が、無邪気に「わからな~い」で済まされる年齢でないことぐらい、
来月29歳を迎える私は知っている。

この仕事に取り組むのは初めてではない。
ただ、いつもは吉熊上司と共同で行っていた。
今回は全て任されたのだ。

やや無難な感じに収まったが、なんとか文章を完成させた。
たった数行の文章。
しかし、それが決算資料の一部を担い、誰かの目に触れることを考えただけでドキドキする。

こんな私が、
こんなことをやっていいのだろうか、
と思う。

「あの子、なんであんなに気が小さいんですかね」

社長が私のことを他部署の人間にそう言っている。
そのことを吉熊上司は心配しているらしい。

気弱な自分を打破したい。
吉熊上司を安心させたい。
…そんな思いから、私は不安な心を封じて書類を吉熊上司に提出した。
精一杯の私の背伸びだ。

書類に目を通す吉熊上司。

駄目かな?
やり直しかな?
…やっぱり、ドキドキ。

「いいんでないかい」

あっけなく採択された。
緊張が緩み、思わずハイヒールで跳ねてしまう。

でも、安心するのはまだ早い。
これは決算書類の完成ではないのだから。

これから皆で数字チェックや校正をし、
ようやく世間にお披露目となる。


雛鳥には、自分で餌を探さなければならない時が来る。

それは雛鳥にとって、寂しくて辛いことには違いない。
しかし、空を飛べる楽しさも得られるはずだ。

青い空を自由に飛び、
それに伴う責任を自覚しながら生きるのも、
そう悪いことではない。

親鳥のぬくもりを感じながら、
今の私は、
そう思う。

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マリー・アントワネットと、あるOLの類似点について

2007年01月23日 01時17分32秒 | Weblog
残業後、化粧品を買いに行く。
が、売り切れ…。
あと数日ぐらいの残量があるから大丈夫かな。
ウロウロとショッピングモール内を歩くと、映画館にぶちあたった。
そういえば、最近の大型SCには必ずと言っていいほど映画館が併設されている。

前々から観たかった「マリー・アントワネット」の映画が、あと数分で始まるところであった!

おお!
この偶然は「今、観ろ」っていうことなのねん、と勝手に解釈し、観ることにした。

内容は、言わずもがな、ルイ16世の妃、マリー・アントワネットの話。
そう、あの贅沢しすぎて民衆に首チョンパされちゃった人。

私は彼女が好きだ。
小学生の頃に読んだ本が切欠だ。
世界の人物が紹介されている学習漫画での彼女の描かれ具合いが気に入った。
あれが彼女との出会い。
きらびやかなドレスや宝石、舞踏会…日本の片田舎に住む女児には刺激的であった。
私もああいうドレスを着用して、城で踊りたい!…妄想癖があった女児には、学校の蛍光灯がシャンデリアに見えた…。

7年前に初めてベルサイユ宮殿に入場したことは今でも覚えている。
アントワネットが日向ぼっこをしたと伝えられている廊下の突き当たりで、うっとりとしている私の顔を写真で見る度に、その感動が蘇る。
「アントワネットの二酸化炭素がこの部屋に残されているかもしれない」と、深呼吸をしながら見た装飾の激しい天井は、目がくらむぐらいの贅沢さであった。

さて、映画だが。
(ネタバレあり)

しょっぱなから裏切られる!
アップビートなサントラで幕を開けるのだ!
ジジャーン!といった具合いに。

「もしや、これは下妻物語?」と思った。

私の脳内では桃子が茨城の田園で
「その名も下妻!」
と、カメラ目線で言うシーンが頭を駆け巡ったのである…。
そんなノリなの?この映画…。
一瞬、頭が混乱する。

色鮮やかなケーキや靴や花など、女子心をふんだんに取り入れた映像はポップでキュート。
甘いものが好きではない私でさえも「マカロンとやらを食べてみたい」と思った(マカロン未体験)。

甘美な宮廷絵巻を想像していた私は、随所に散りばめられるそんな音楽や映像にポカーンとしつつも、でも次第にその斬新さの虜になっていった。

それらの現代風にアレンジされた手法は、現代女性とアントワネットとの距離を縮めさせる役割を果たせたのではないだろうか。

アントワネットだって、私とあまり年齢が変わらない女子なんだと、親近感まで沸いてきた。

14歳でオーストリアからフランスに嫁いだアントワネット。
国境で下着から全部フランス製のものに着替させられるシーンがある。
教育係のおばさんに、愛犬までぶん取られる。
私が吉熊をあのようにカツアゲされたら、かなり怒り狂うだろう。
おばさんに噛みつくかもしれない。

結婚してもなかなか性行為をしてくれないルイ16世に不安になりつつも、なんとかその気にさせて、子供を産む。

…しかし、公開出産。

つくづくこの時代の女性は大変だなと思った。

母親になったアントワネットは宮殿の煩わしさに耐えきれなくなり、突然ロハスに目覚める。
ルイ16世からプチ・トリアノンという田舎の宮殿をプレゼントされ
「田舎っていくね?」
とか言っちゃう。
ターシャみたいにガーデニングをするんである!
野に咲く花を幼い娘と手を繋ぎながら愛でるアントワネットは、凄く幸せそうであった。

しかし、豪遊は止まらず。
朝まで遊び狂う。
朝日を見ながら、遊び仲間たちと青春したり。
浮気までしちゃって、んもう、すっかりお淫ら三昧。
…当然、貧困に喘ぐ群衆からブーイング。

しかし、アントワネットは
「何か問題でも?」ってな感じで、無視。
潔くてカコイイ!

とうとうベルサイユ宮殿を群衆に取り囲まれる。
騒ぎ声が室内まで届き、響き渡る。

が、普通に食事。
そのときテーブルの上で手を繋ぐアントワネットとルイ16世が好き。
やっと二人の心が通じあった瞬間だ。
しかも、こんな時になって。

皮肉だわ。
切ないわ。

…なんて感じていたが、実際には飢えで死んだ市民もいっぱいいるわけで…。

根本的に私はアントワネット気質ではないんだろう。
憧れてはいるけれども。
自己評価が低いので、いつも周囲の目を気にして過ごしている私は、あんなに奔放になれない。心から贅沢を楽しめない、せせこましいOLだ。

でも、唯一アントワネットの気分が理解できることがある。
一度贅沢な化粧品を使うと、もうそのレベルを下げられないということだ。

アントワネットも、きっと贅沢な生活レベルを下げられなかったんだろう。
怒り狂う群衆の声も耳に入らないぐらいに。

不況になっても化粧品会社が利益を保持できているのを見ると、アントワネットなソウルを持っている女性が、私だけではないことを感じる。
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