世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

カルピス最強伝説

2014年01月30日 23時03分20秒 | Weblog
夕方、後輩女子Cちゃんとカルピスの話になった。

予算作成は根気がいる仕事で、集中力が途切れるとどちらからともなく声を掛ける我々。
「疲れました」
と言う彼女に、机の中からキャンディーを取り出して「どうぞ」と差し上げた。カルピス味のキャンディーだ。
「あ!懐かしいですね、カルピス」
とCちゃんは笑った。

カルピスといえば、小学校時代の夏休みである。
お中元でカルピスがよく我が家に届いた。うちは三人兄弟なので「あそこん家は子供が多いから」という理由で送り主たちが送ってよこしたのだと今ならば容易に想像がつく。
今はよく知らないが、当時、カルピスはガラス製の瓶に入っていた。やけにずっしりとしたそれは子供の手で持つには難しく、主に祖母や母が冷蔵庫からそれを取り出してカルピスを作ってくれた。白い原液がねっとりと線を描いてガラスのコップに溜まっていく様子が、蝉時雨とうだるような暑さとともに思い出される。茶の間に運ばれた水と氷で薄められたカルピスが入ったグラスは、やがて表面に水滴を纏い始める。線になって流れていく水滴が網戸からそよぐ風に揺れるのを見つめながら、甘くて冷たい液体を飲み干す幼き日の亮子。

嗚呼、私の夏の原風景。



…ふっ(恍惚)。


しかし、その甘美な思い出はやがて私に不快な感覚を呼び覚ます。

あれだ、あれ。
カルピスを飲むと喉の奥というか口内に、なんつーのかな、何かがへばりつかないか。
子供の時、真相を確かめたくて、カルピスを飲みながら、わざと唾を溜めて勢いよくティッシュに「ペッ」と吐きだしたことがある。するとやけに純白で小さなねばねばしたものを確認。
「これなに?」と大人たちに聞いても「カルピスの塊だよ」と適当なことを言われてあしらわれ、やがてそんなことはどうでもよくなり、大人になった。

今日、後輩女子Cちゃんに「カルピスを飲んだ後ってさー、口の中で何かが発生しない?するよね?」と訊ねたが、「え、ないです」と即答されてしまった。え?なんで?同じ栃木出身なのに?
偶然通りかかったパートさんに訊いたら「あ、あるある。あれ、なんだろうね」と言い、「ない」と答えたCちゃんに「え、ないの?」と驚きの表情を浮かべていた。

あれ、なんだろう。

カルピスのHPによると…
「「カルピス」を飲んだ後、口の中や舌の上に残る白い塊は何?」
答え:
「カルピス」を飲んだあとに口の中に異物が残った経験がある人もいるでしょう。
それは、「カルピス」の中に含まれるカゼインというたんぱく質と、唾液に含まれる成分が反応してできた白いかたまりです。
また、唾液の中の成分には個人差があるため、凝集物のできる人とできない人がいます。この凝集物はからだに悪い影響を与えるものではなく、胃の中で胃酸により溶かされます。

と書いてある。


でた、個人差!!

私・パートさんと後輩女子Cちゃんの間に高々と壁が聳えている気がした。
カルピスの壁。
カルピス、すげー。ベルリンの壁もびっくりだ。
そしてカゼインと唾液に含まれる成分のケミストリーが私とCちゃんを分断したのを感じた。
予算作成で励まし合いながら日々残業をしている仲なのに。


夏の思い出。謎の白い物体。分断。
…嗚呼、カルピス最強伝説ここにあり。


嗚呼、ここまで熱く書いていたら無性にカルピスが飲みたくなってきたなう。
もう何年も飲んでいない、カルピス。飲んだらまた口内で白い物体を発生させ、あの夏の日に帰ろう。

「おなか すいたやろ カルピスも 冷えてるよー」
(By「火垂るの墓」清太のお母さん@浜辺)




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非常事態で気付くもの

2014年01月29日 21時59分35秒 | Weblog
昨日から発熱した吉熊上司は、案の定、今朝も熱が下がらずに休んだ。朝一で病院に行き、これからインフルエンザの検査をするのだとLINEで教えてくれた。私が以前受けたインフルエンザの検査は鼻の中に綿棒を入れるタイプのもので、ちょっとした恥辱プレイそのものだった。今日吉熊上司が受けたのは喉の奥に綿棒を入れるタイプのものだったそうだ。

結果が出るまで10分ぐらいかかるとのことで、妊娠検査薬で判定を待つような気分を朝から味わった。
ドキドキ…。

結果はインフルエンザではなかった。よかった。
しかし、高熱のため、身体の節々が痛いと言っていて、私まで切なくなってしまった。
彼が弱気になるだなんて珍しいことだからだ。
私も以前、ノロウイルスに感染し、人生初の39℃を記録した時は心細くなってしまい、母ヨーコたんに電話を掛けて「電話切らないで」と口走ってしまったことがある。彼もきっと心細いのだろう。

今日は後輩女子Cちゃんも不在。
卒業した大学で、彼女がお世話になった先生の最後の授業があるとのことで有給を使って出席した。

そんなこんなで、今日は私が彼女のルーチンをこなしたのだが、すげー大変だということを改めて感じた。
郵便の仕分け、お弁当の発注、店舗への消耗品の送付の処理、店舗から来た書類を各担当者に渡す作業…それらを彼女はいつもニコニコとやってのけるんである。やっぱり後輩女子Cちゃんのスキルってかなり高いんじゃね?と改めて思った。彼女の様子を見て大変そうだったら(もしくは大変になる前に)、自分から手を出そうと思った次第。



午前中はバタバタしていたのだが、午後は予算作成に取り組むことができた。
後輩男子ししゃも君と一緒に、吉熊上司宛の電話対応とかアポなしで来た来客への対応などをこなした。
4人いる経営管理室メンバーが半分の2人になるという非常事態をちゃんと乗り切ることができた。

キリが悪かったので残業突入。
その前に一服。
そしてひたすらエクセルとの戦い。
今日は昼御飯にヒレカツ弁当を食べたので頑張れた。


明日は木曜日。
週末が射程距離圏内に入って来た。うしし。

明日も頑張ろう!!


ドラマ「紙の月」

2014年01月28日 22時54分58秒 | Weblog
今朝、
「おはようございます」
と吉熊上司に挨拶するために彼の顔を見てびっくり。
顔色が悪いではないか。そして大きなマスク。
尋常でないことを咄嗟に判断した。

「おはよう…熱が出ちゃって…」
と弱々しく答える吉熊上司。
午前中の来客を終え、
「悪いけど、俺、帰るね」
と言って、彼は帰って行った。

その後、LINEでやり取り。



夕方、39℃台を記録したらしい。
今、吉熊上司は予算作成・四半期決算作成で忙しい。
インフルエンザでないことを祈る。
心配…。



彼が退社してからすぐ、私の会社のパソコンがウイルスに感染したことが発覚。
げ…。
システム関連の部署の人に
「上司がいない間に何か変なサイトでも見たんじゃないですか?」
と笑いながら言われた。
見ていませんってば、マジで。
どうやら他部署の社員も感染したらしい。
ウイルス、流行っているのだろうか。

結局、パソコンが直ったのは夕方過ぎ。
それまで予算作成はお預け。
パソコンを使わないアナログ的な仕事(伝票整理)等をしていた。
震災で電気が止められパソコンが使えなかったあの悪夢のような体験がよみがえった。


そういえば、今年の初っ端から勃発した「今年も他部署の仕事をやらされそうな件」はなんとか解決したもよう。
みんなで負担を分かち合うという結果になった。
この事件勃発によって人間関係に気を揉んで抗不安薬を処方されることになった私個人としては、もういいかげんにしてくれ、と思う。
当然のように他部署に仕事を押し付けて、断られたと言って大騒ぎして社長を巻き込んでこじらせた…そんなことをしでかす「あの部署」への見る目が変わったのは、きっと私だけではないはずだ。
でも去年のような嵐は回避できるっぽい。よかった。

帰宅後、洗濯物を畳みながらドラマ「紙の月」を見る。

すげー面白い。原作にほぼ忠実に描かれている。
人妻銀行員・梨花の青年・光太への静かな執着がコワイ。
純真な愛情だったのに「自分は光太に、これだけのこと(横領してまでも貢ぐ)をやってきたのだから」という執着心に変わっていく梨花の様子に目が釘付け。
その要因は「お金」という魅惑のアイテムだったりする。
改めて「お金って何だろう」と考えさせられる。

てか、光太。映画作りに没頭する爽やか草食系男子だったのに、梨花がお金を掛けた結果、徐々に色黒のギャル男に変化してておもしろい。露骨過ぎだろ、あれ。
「はだしのゲン」の朴さんの戦後の変貌を彷彿とするのは私だけだろうか。

   ↓




そんなこんなで火曜日終了。
明日も頑張ろう。


楽しみの種を撒く

2014年01月27日 22時42分46秒 | Weblog
週末の熱海旅行メンバーたちとニヤニヤしながら朝の挨拶。
「写真ありがとう」
「また行きましょうね」
「楽しかったですね」
と、コソコソ…。

熱海旅行でストレスを発散したせいか、今日は仕事が捗った。


お昼休み、吉熊上司から、かりんとうをいただいた。
週末出かけた際に買ったらしい。
ひゃっほう!

こうして見ると染色体みたいだ。


口に含むと、ほのかに桜の香りがする。
うっとり。
味覚で感じる春、爛漫。



今週の会社の花はガーベラ。
淡いピンク色をしていて、とても可愛い。




今日も残業。
夕方まで他の業務をやっていて、それらが終わってから予算作成に取り組む。今日は諸会費をやった。予算作成には多大な集中力を要するので、時間があっという間に過ぎる。

残業後、後輩女子Cちゃんと一緒にロビーを通過するとき、
「今週の花、私これ、好きなんです」
と言った。
花の優しい佇まいが、なんだか彼女に似ている。

Cちゃんと電車に揺られながら、本音トーク。
今週末、経理部O主任も誘って、お好み焼き飲み会をする予定を立てた。
三人で熱く語るつもり。
楽しみの種は前の方へ撒かなくては。
週末まで駆け抜けるぞ!
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熱海旅行~春、発見~ 1

2014年01月26日 21時53分22秒 | Weblog
1/25(土)

職場の女性5人と熱海旅行。
メンバーは、
叶姐さん(経理部)、T姐さん(総務室)、N係長・K子ちゃん(運営部)、私(経営管理室)
である。
前回同様、上野~伊東園ニューフジヤホテルの直通バスを利用。

前回
2013年11月16、17日
熱海旅行~潮騒のメモリー~1、熱海旅行~潮騒のメモリー~2



行く時にバスの中から富士山が見えた!
大きい!綺麗!
私が住んでいる場所からはあまり富士山は見えないので大興奮。


悪戯っ子吉熊。


熱海だ~!


熱海に到着。
あったかい!
ホテルにチェックインして荷物を預けて、散策。
桜が咲きかけているのを発見。


ちょうど「あたみ桜 糸川桜まつり」が開催されていた。
熱海市長が挨拶をしていた。
超かっこいい!



桜の薄紅色に心が躍る。


春、発見。


商店街のショーウインドーにクマがいるのを発見。


くまくま。


横断歩道を渡る際。
信号機の音を一人が真似すれば皆で爆笑、という女子独特の空気感、最高。


テクテク歩き、起雲閣へ。
来るのは5年ぶり。
洋館と和室の和洋折衷の建物。
15年前まで旅館だったらしい。

今回はボランティアガイドを頼んだ。
品の良い初老のご婦人だった。





ハイチーズ!


「我が家へようこそ」




今日の一枚。
水仙の花。
レトロな洋館の雰囲気に凛とした香と佇まいを漂わせていた。






洋室の暖炉の上のレリーフを観て
「映画『かぐや姫の物語』のクライマックスみたいですよね…かぐや姫を強制送還した奴…」
とN係長に言ったら笑いながら激しく同意していた。
私も彼女もどうやらあのシーンがトラウマになってしまったもよう。
あの音楽が脳内に蘇ってくる。



谷崎潤一郎の書。



多くの文豪に愛されてきた起雲閣。
部屋の一室に設けられたこの小さなスペースで文豪たちは名作を生んだらしい。
落ち着くんだろうなあ。


吉熊「文豪って何?」


お風呂。
大野屋のローマ風呂っぽい。素敵過ぎる。



起雲閣を出て、双柿舎へ向かったのだが生憎開いていなかった。
みんなで残念がる謎のポーズで記念撮影し、下って行くところに古い家があった。
ノスタルジック。



海蔵寺に寄り、みんなが散策しているあいだ、私はN係長と一服。



夕方、メルヘン色に移ろいでいく街を横目に、みんなでホテルに戻る。
大きなビルがなかったら、ちょっと尾道に似ているかもしれない。



ホテルに到着。
喫煙できるロビーで暫しN係長と語らう。


夕御飯前に風呂に入る。
普段仕事をしている人に一糸纏わぬ姿をさらけ出して普通に入浴することの不思議さったら。

夕御飯はバイキング。
飲み放題ということもあり、2人の姐さんはビールをハイスピードでお代わり。
私は津軽リンゴサワー(自分で作る)をヘビロテ。
御飯は中央のポテトグラタンが美味しかった。
あと蓮根の天ぷら。



部屋に戻り、必要なものを持参して展望露天風呂へ!
海風がぴゅーぴゅーいっているところで急いで体を洗う。
ぎゃあああ!寒い!
凍えながら「歩く秘宝館です~」と皆がいる浴槽のスペースに歩み寄る私。
「出た、歩く秘宝館」
と笑われながらハ~ビバノンノ♪
温泉、最高!!
逆上せると、夜景を見ながら海風に当たり、また寒くなると湯船で肩まで浸かる…を永遠と繰り返す。
体が喜んでいるのを感じた。

「これ、会社の階段で転倒した時の傷です」
と1年前に2針縫った膝小僧をみんなに見せた。
「あ~、懐かしい!」


部屋に戻り、また語らう。
そして今度は地下のお風呂へ。
展望露天風呂よりは温かい。ここで洗髪をした。

要所要所でN係長を連れ出し、ロビーで喫煙。
「マジっすか」
「でさー…」
煙を吐きながら、普段話せないことをたくさん話した。

私とN係長。



部屋でまた語らう。
T姐さんの息子の話が中心。
優秀な息子で大学を出て大企業に入ったのにすぐに仕事を辞めてしまった。以来、自分で事業を興すものの失敗。借金を抱えたが2年でそれを返し、今は外資の企業にいるらしい。
「いやーでも立派ですよ」
「そうは言っても親は心配なのよぉ」
という話で盛り上がった。

みんな色々あるんだなあ。
そんな話をしていたら、どうやら私、疲れていたようで焦点が定まっていなかったらしい。
0時。
みんなはまだまだ飲食をしながら盛り上がっていたが、私は早々と薬を飲んで寝てしまった。


熱海旅行~春、発見~ 2

2014年01月26日 21時26分33秒 | Weblog
7時起床。
起きたら誰もいなかった。どうやら日の出を見に展望露天風呂に行ってしまったもよう。

皆が戻って来た後、私も朝風呂へ。
生まれたてのお日様がちょうど雲の間から顔を出していた。
ふ~。
あ~も~、本当気持ちいい。

朝食もバイキング。
前回同様、大好物のライチ山盛り。ちょっとしたライチ祭り開催中。


化粧をしながら、まったりトーク。
叶姐が語る経理部の実情について。
どこも色々あるのだなあ。
他にもうちの会社の嫌な点についてみんなで激論。
両姐さんたちは独身時代に日本を代表する会社に属していたので、当社のやり方の変なところへの突っ込みが鋭い。


チェックアウトをし、荷物を預けて「芸妓見番」へ。
熱海芸妓連による舞を見られる。
舞は勿論、着物の着こなしや仕草までじっくり堪能。
前々から観たかったので来られてうれしい。



見番を出た後、
「♪おっちょこちょいのちょい」
という節を叶姐さんが再現するのでみんなで爆笑。




商店街を散策。




猿回しをしていた。


饅頭屋「源楽」でお土産をゲット。





お昼は台湾料理「昇龍」へ。
「台湾ラーメン」480円、美味しい。


ホテルに到着。
14時に上野行きのバスに乗る。

看板のホテル名の上に書いてある「人生は旅」っていう文言、すごいよな。言いきっちゃっているよ、人生は旅って。


さようなら、熱海。


鈴廣のかまぼこ店に寄る。
店頭の梅が咲き誇っていた。
良い香りが春を感じさせてくれた。


写真を撮っていたら、おばちゃんに
「あっちにはピンクの梅が咲いていたわよ」
と教えてくれた。


蝋梅の香りも甘くていい。


海老名サービスエリアで喫煙をしていたら、今度はおじちゃんに声を掛けられた。
「いつも何本ぐらい吸ってるの?」
それを見ていたN係長、爆笑していた。
「亮子ちゃんて誰にでも話しかけられるよねえ」

嗚呼、東京タワーとか見えてきちゃったよ…。
急に現実に引き戻されていく。


17時すぎ、上野駅でみんなとバイバイ。
「お疲れ様~!」
みんなのお陰で良い旅ができた。
K子ちゃんと同じ電車で一緒に帰った。

K子「明日から仕事なんですよねえ」
亮子「明日、熱海に行ったことがばれて上層部に呼び出しくらったらどうする?」
K子「え?停学とかなっちゃうんですかね」

…停学って…!


今回の熱海旅行も相当楽しかった。
来られなかった後輩女子Cちゃんのことを考えて「もしここにCちゃんがいればなあ」と考えると淋しくなったが、まあ、次回一緒に裸の付き合いをしよう。

明日から仕事。
頑張ろう。



商店街で遭遇

2014年01月26日 09時13分07秒 | Weblog
昨日、熱海の商店街を歩いていたらETに遭遇した。

しかも正装!

熱海なう!

2014年01月26日 09時10分33秒 | Weblog
熱海なう!
昨日の出発から、ずっと飲み続けている。

さっき朝風呂入ってきた。
露天風呂から朝焼けを見ながら、ハービバノンノ♪

朝食後にまたひと風呂浴びてこよう。

日常の光景

2014年01月24日 21時02分54秒 | Weblog
正月に出勤した喫煙所仲間の先輩が、先日、振休を取った。
その日、私が薦めた映画「かぐや姫の物語」を観たそうだ。



感情の起伏があまりない彼女も「良かった。泣いちゃった」と言っていた。
そして、やはりクライマックスは映画館で見るべきだとのこと。
神々しくて美しくて怖くてメルヘンなあのシーンだ。
「あの音楽、何なの?すごかったね」
とも言っていた。

「ですよね。『天人の音楽Ⅰ』っつーんですけど、あれ、インパクト大ですよね」

「ね。良い意味で裏切ってくれたというか。本当、曲が突拍子がなくて笑えるんだけどストーリー的に泣けるよんだね」
と話が盛り上がった。


今まで観た人生観を変えた映画は「夕凪の街 桜の国」だったが、今後は「かぐや姫の物語」も挙げよう。
これを観て以来、私は、生きていること、生きている実感を、意識し始めた。

かぐや姫の物語 プロローグ (スタジオジブリ作品)


「天人の音楽I」もいいが、エンディングテーマ「いのちの記憶」も泣ける。


二回観たけど、実はもう一回観たい…。





稟議決裁が下りたので処理をして各部を回る。
「昨日どうだった?姜尚中さんのサイン会」
と某部の女子たちに聞かれた。
「握手した手を洗いたくなかったです」
と言うと、
「じゃあ両手を上げて帰ればよかったじゃん」
と先輩女子。
「そうですね。こうやって…」
と両肘を内側に向けて上げてみた。

「それって片平なぎさじゃん。スチュワーデス物語の…」
って喩えが古いわな、ホント。








今日もひたすら予算作成。
経営管理室4人で販売管理費のそれぞれの科目を受け持って、月々の経費分析や予算作成を行っている。
「苦手な科目ってないですか?」
との私の問いに
後輩女子Cちゃん「保険料が苦手です」
後輩男子ししゃも君「う~ん、私は水道光熱費でしょうか。後回しにしちゃいます」
と。
私は修繕費と運賃搬送費が苦手。

「吉熊さんは?」
と私が問うと、吉熊上司は

「ないよ。…仕事ですから」
と笑いながらもきっぱり言った。
思わず
「かっけ~」
と歓声を上げる我々ひよこちゃんたち。
いや、本当、カッコいい!!さすが俺たちの吉熊上司!!



明日より一泊二日で熱海に行く。
同僚女子5人と珍道中の旅。
歳末商戦の販売応援から咳が止まらない後輩女子Cちゃんは一昨日、キャンセルした。
Cちゃん、一番張り切っていたのに…。「秘宝館に行ってみたいです」と喜んでいたのに。
彼女が行けないということを考えたくなくて、信じたくなくて、受けとめられない私。
事実を直視できないまま前日になってしまった。ショック。泣いちゃいそうだ。まあこれで最後っていうわけではないので、次回は参加できればいい。そう思うしかない。

何も準備していない。まずい。
これから化粧水を小さなボトルに入れ替えるとか、地味な作業を開始しなくっちゃ。でもこういう細々とした作業、けっこう好き。わくわく感も重なって楽しさ倍増。





2014年01月23日 23時15分07秒 | Weblog
午後からは予算作成に全力集中し、今日は車両関係費の予算を完成させた。
夕方からは警備料に着手。なかなか良い進捗だ。

定時に会社を出て、新宿の紀伊國屋書店へ。
姜尚中先生のサイン会に行く。
既に何回か彼のサイン会や講演会に行ったことがある。
会場に到着したのは19時ちょいすぎ。
列に並ぶと私が最後だったことが判明。セーフ!
静かな室内に、時々笑いを含んだ姜尚中先生の声が響く。
ああ、なんて素敵なのだろう、この柔らかい声。

今回の作品は、まだ半分しか読んでいない。
声同様、柔らかな文章が印象的。
夏目漱石『こころ』をベースに、過去を力に変えて、心の実質を太くする生き方が書かれている。
昨年読んだ「心」も良かったが、本作品も一文字一文字を丁寧に読ませる力がある。


会場の係の人に、名前を書いた紙を渡す。
いざ、私の番!
姜先生は、私の顔を見て一瞬「はっ!」となってらした。まさか覚えているとは思わないがなんだか嬉しかった。
私の名前をその通りに口にしながら書いてくださった。
そして、ご自身の名前をさらさらと。
指の流れが、しなやかで滑らかで、見いってしまう。爪の形まで凝視。
最後に握手!
私は、
「ありがとうございます」
と挨拶をするだけで精一杯。

そういえば「心」の冒頭シーンはサイン会だった。
同じ大学の親友の死に遭遇し苦しむ青年・直広が、「私」のサイン会に行き、「これを読んでください」と言って手紙を差し出して、走り去った。
そこから直広と「私」のメール交換が始まる…。


サイン会の後、イベント会場を出あたり…英会話の本が陳列されている場所でうろうろしていたら、会場の中からから姜先生が颯爽と現れた!
すげー!背が高い!足が、私の肋骨ぐらいの高さから始まってる!スーツ姿とか、もうね、ヤバいって。ホント。かっこいい。
先生は、鼻血ブーになる寸前の私に気づき、またあの声で「今日はありがとうございました」と仰ってくださった。


呆けたように書店を出て、ミスドへ。
食事をして、新宿駅に向かう私を男性が声をかける。
また熟女バーの勧誘かね?と視線を上げると、声の主はカメラを持った若い男性だった。
片言の日本語しか喋れないところを見ると観光客っぽい。
ユニクロを探しているらしい。
もしや、ビックロのことかしら?と聞くとそうだと言う。

それなら分かるぞ。
青年と歩きながら、
「Where are you from?」
と訊ねると、韓国とのこと。
観光で来ているようだ。

カバンの中からさっきサインをいただいた本を取り出して見せると、青年は相好を崩した。
姜先生を知っているらしい。

青年をビックロの前まで案内し、
「Enjoy」
と言って別れた。
青年は「ありがとう」と言いながらビックロに消えていった。

2010年、NY一人旅に行ったとき、私はあの摩天楼で迷子になった。
あの時、ハンバーガーショップでたむろしていた少年たちは迷子の私をとても案じてくれた。
自らの携帯電話を使って私が宿泊しているホテルに電話をかけてくれる勢いだった(結局自力で帰ったが)。
あれ以来、東京に来る外国人観光客には極力優しく接しようと心がけている。おもてなし、である。


「心の力」には、今という時代を嫌うだけでなく、でも全てを受け入れるのではなく、自分を見失わないで、図太く生きることについて書かれている。
プラスαとして他人に優しくできる心の余裕を持っていたい。
人でごった返す新宿駅を歩きながらそんなことを思った。


予算作成シーズン

2014年01月22日 23時00分42秒 | Weblog
昨晩は心療内科を出た後、夕御飯を食べてから帰ったので、寝るのが遅くなってしまった。
今日はさぞかし眠いのだろうなあと思っていたのだが、そうでもなかった。
気が張っていたからだろうか。それともソラナックスのおかげだろうか。

午前中は伝票の整理をし、午後は予算作成に本格的に取りかかる。
新聞図書費を完成できた。
作成前に、先立って他部署に聞いておく費用についてをまとめたり、メールを送っていたりしていたら残業に突入。


受け持っている科目が多いので、予算作成進捗表というものを密かに作り、状況把握をしている。
自分なりに創意工夫をして、例年より少しでも時間短縮ができたらいい。

そういえば、心療内科に最近入った受付の若い女子が、仕事できそうで感心している。
ちょっとむっちりしたショートボブの私より若い女子だ。
クマ医師との連携も上手くいっているっぽい。
私もああいうふうに吉熊上司を支えられたらいい。
予算作成に第3四半期決算短信作成など、この時期の吉熊上司は忙しくて、いつもみたいに冗談を言える雰囲気ではない。
私の補佐力が試されている!と勝手に思っている。
頑張る!

寒さは一段と厳しいが、気を張らなくてはいけない時期なので、かえって有難い。



今日のお昼ご飯は奮発してカニ飯!!

カニの甘味がたまらん!
吉熊も満足した表情。


制服の件、昨年の新しい夏服についてアンケートを取った。
その改善案への対策もせねば。

明日もBダッシュ!

退社後は新宿紀伊國屋へ。
姜尚中先生のサイン会だ~!


大丈夫

2014年01月21日 23時59分51秒 | Weblog
心療内科デー。

待ち時間3時間半。角田光代の小説「紙の月」、ほぼ佳境に入るが、寸止めしておいた。
家で落ち着いてクライマックスを迎えたいから。


今日は診察時にクマ医師に渡そうと、現状を時系列にそしてその時々の感情などをレポートにしたためて持参した。口では上手に伝わりそうもないので。それを読み返し、言い添えることなどを確認していた。

年始早々から、職場がきな臭い。
心が弱っている。
生理後なのに焦燥感や不安感で苛立ちで眠れなくて、勝手に余っているソラナックスを飲んでた。
仕事も忙しくなると吉熊上司に当たってしまう。今日も彼の懐の広さに泣きたくなったり、もう、本当クマっているなう。
…レポートには、まあそんなことを書いた。

さて、診察。クマ医師、散髪したてらしく、横の髪が短くなっていた。カワユス。

「どうでしたか、この2週間」
との問いに、
「実は…」
と言ってレポートを提出。
ガン読みするクマ医師。
その間、放置プレイされた私は、卓上に飾ってある置物にふと目をやったりしていた。昨年末にクリスマスプレゼントとしてあげたものである。ああ、あれから一ヶ月か。
それにしても、このシチュエーションって、会社っぽいよな。吉熊上司に書類を見てもらっている、そんな日常と目の前の光景を照らし合わせて、私はこっそりと笑った。上司も主治医もクマっぽいって。因果かしら。


レポートを読み終えたクマ医師に、質問をいくつかされた。

ことの発端は人事部女子が仕事をこっちに振ってきたのが原因なのだが、それに付随するかのように、無駄に妄想や勘ぐりが働いて、我が心身に問題が勃発。
今も苛立ちが止まらない。仕事なのだから振られればやるが、まるでこっちが暇みたいな感じで押し付けることが許せない。
また「なんだ暇そうじゃん」と言われているかのようで普段の生活が怖い。
被害妄想かもしれないんだが。



クマ医師は
「これは、人事部の問題ですよね」
と。
「あなたが、暇そうだと思われていないかどうかを案じるのは不必要なことですよ」
とも言っていた。

なるほど。
客観的な立場での判断をいただいて私は深く安堵をした。


人事部寄りの社長に対してはもう少し彼自身を信じてみましょう、とのこと。
でも、少しパワハラ入っていることは否めないもよう。

はいほー。



「忙しくなると他人に当たりそうで怖いんです」
と言うと、
「大丈夫です。あなた、できていますよ。大丈夫です」
と繰り返し言われた。

今日の診察は、私の視点(考え方)を大きく変えた。
見方が変わると心って変るんだなと改めて思った。

それから、暫くぶっちゃけトークを展開し、30分ぐらい話した。
こんなに長い診察は久しぶりだ。

「ソラナックスを勝手に飲んですいません」
と謝ったら、クマ医師はそれを否定しなかったので、内心怒っているのだと思う。
で、またソラナックスを処方されるという…。

「せっかく減薬できたのに、なんだか残念です」
と言うと、クマ医師は
「ソラナックスは依存性がないですし、予算作成や人事部の仕事の手伝いシーズンだけという期間限定での処方ですから大丈夫ですよ」
と言った。

「頑張ってくださいね」
と送り出された。
そう、彼は最近私が席を立つと声を掛けるようになった。


また2週間。頑張るぞ!
昨日、吉熊上司から来期のスクラップアンドビルド予定などをいただいた。いよいよ今日から予算モード炸裂期に突入した。これからもっともっと忙しくなり、周囲の視線なんて気にならなくなるんじゃないか、自分。


大丈夫。

やって当然と言わんばかりの人事部には腹が立つが、別に仕事だけの付き合いだし、割りきるか。


大丈夫、大丈夫。
クマ医師が言うんだもの。大丈夫。
自分を信じよう。



処方変更あり
ゾルピデム酒石酸塩、防風通聖散、カームダン(ソラナックスのジェネリック)



クマ医師にレポートを渡す際に使用したクリアファイル。
クマクマ。


吉熊、また2週間、私を守ってね。





山の女の血

2014年01月20日 23時34分48秒 | Weblog
昨夜、土曜ドラマ「足尾から来た女」を観た。
妹と、LINEで実況しながら。

番組HPより
明治末。栃木県谷中村は足尾銅山の鉱毒で田畑を汚染された。田中正造の闘いもむなしく、村は16戸にまで激減。国は住人に村を捨てるように命じ、残った家の強制執行に踏み切った。

この谷中村の娘が田中正造の仲介で社会運動家・福田英子宅に家政婦として派遣された史実をもとに、一人の女性が見知らぬ東京の地で石川三四郎や幸徳秋水ら社会主義者たち、さらに石川啄木や与謝野晶子など多彩な人物と交わる中で成長する姿を描く。

故郷を失う苦しみを味わいつつ人間としての尊厳を守り、たくましく生き抜くヒロインを、NHKドラマでは連続テレビ小説「カーネーション」以来の単独主演となる尾野真千子が演じる。

エンディングに流れていた足尾銅山の鉱夫の写真を見て、泣いてしまった。
苛酷な労働環境であろうその中で男たちがじっとこちらを見ている写真。



私の母ヨーコたんは足尾出身である。祖父は銅山で働いていた。


私が小学生の時、夏休みは毎年、「ふるさと足尾の会」のイベントに参加していた。
川に放たれたマスの掴み取り大会で34匹も取って地元の男子に勝って喜んだことなど忘れられない。
猿田彦神社へのお参りや、スイカ割りもした。
宇都宮では味わえない夏だった。


足尾は宇都宮よりも標高が高くて走っても全然暑くなかった。
銀山平のバンガローに宿泊し、お風呂はかじか荘で借りた。
そこで恐る恐る食べた鹿肉の刺身の味は忘れられない。偏食児だった私がモリモリ食べて家族は驚いていた。
あと、川魚が苦手なヨーコたんから分けてもらった鮎もほのかに甘くておいしかった。

そこら辺で赤とんぼが飛んでいて、トロい私でも容易に採れた。


夜は肝試し。たしか慰霊碑(中国人殉難烈士慰霊塔)まで子供たち四人ぐらいで歩いていくのだが、途中で心無い大人たちに驚かされるという、まじで失禁ものの肝試しだった。
驚かされる度に「ぎゃああああああああ」と叫ぶ子供達。その声が山奥まで木霊して、また怖い。嬉しがる大人。


当時、足尾には伯父と伯母が住んでいた。
私達家族が来るのを楽しみにしてくれていた。
私は、毎年、足尾に行くのが楽しみだった。

小学校6年生の夏、もっと奥の方に行くときれいな川があると伯父と伯母が言うので、車で行った。
本当にきれいな川で、澄みすぎていて魚が住んでいないという。そこで父が「水清ければ魚無し!!」などと得意げに語っていたのだが、子供達は「そーなんだ!パパ」で終了…ごめんクマパパ。


山肌から鹿が顔を出す、そこはまさに秘境だった。
川遊びをしているのは我々だけだった。
マスの掴み取りで優勝した私だったが、強い日差しの中で透明すぎてやけにキラキラ光っている青い濁流に身を投じることに怖気づいた。

さっきから違和感を感じる。…周囲の山に木が生えていないのである。
だからこんなにも不気味なんだと感じた。
今まで見てきたどんな山には当然のごとく木があった。しかし、ここの山には木がない。

叔父の話では、足尾銅山の鉱毒のせいで、あと100年ぐらいしなければ緑は戻らないよ、とのことだった。
「公害」…私は社会で習ったばかりの覚えたての言葉を口にした。


夏休みの日記にそのことを書いたら、担任にウケた。
父兄参観のあとの懇親会で私のその日の日記が発表されたようだ。
母は喜んでいた。今までクラスの日陰でひそやかに生きていた私が唯一表舞台に出た瞬間であった。


高校1年生のとき、叔母が亡くなり、それから数えるほどしか足尾には行っていない。
しかし、母ヨーコたんが私に足尾のことを語る内容及び時間は、年々深く長くなっているように思う。
まるで今足尾に住んでるんじゃね?っつーぐらいの勢いで語るので、びっくりである。
昨日今日のことは忘れることも多いのに足尾の事は事細かく記憶しているんである。
そういえば認知症だった祖母も足尾の事はよく覚えていた。


幼き日の楽しい足尾の夏の思い出。
そのキラキラした光の中で、あの裸の山肌の冷たさは、一際私の心に残っている。


母はことあるごとに「私は山の女だから」とか言う。
自分に言い聞かせるかのように。
私にもその「山の女の血」が何CCか流れているのだとすれば、それはそれで嬉しいことである。


「足尾から来た女」
第二回目も楽しみだ。
柄本明の田中正造、栃木県立博物館にいた人形にそっくりすぎ。
スイッチ押すと語りだすやつ。

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寒い日曜日

2014年01月19日 21時56分03秒 | Weblog
午前中に起きたのだし、出掛けよう、花を撮影しに行こう!と思っていたのだが、如何せん、寒くて引きこもっていた。
お布団を干すため、ベランダに出たのだが冷たい風に煽られて意気消沈。
洗濯をしたり読書をしたり勉強をしたりして、のんびりと過ごせた。

お年玉付年賀はがきの当選番号が出た。
さっそく調べてみる。
ちんぴ☆・ぴち夫妻から頂いた年賀状、後輩女子Yちゃんから頂いた年賀状、そして余ってしまい出していない年賀状が3等だった。上京して14年。当選したのは初めてだ。しかも3枚も。
切手シート、嬉しい。助かる。明日、郵便局で交換してもらおう。


夜はダイソーへ。来週の熱海旅行の化粧水入れなどを購入。
スーパーでお菓子(つまみ)も購入した。旅行の準備って楽しい。
女子6人の熱海旅行。どうなることやら。

喫茶店に寄ってまた読書。そして溜まったメールに返事を書く。
隣の席ではセンター試験を終えた受験生がお喋りしていた。
センター試験…私も受けたのだが、試験会場前でうちの高校の先生が校旗掲げて待っていたっけな。
懐かしい。
あれから18年。私も歳取ったな…。


スーパーに寄り、惣菜を買って帰宅。
今日はそんなに動いていないのであまり食欲がない。


さて、明日からまた新しい一週間が始まる。
寒さに負けず、頑張ろう!!


決起大会2014

2014年01月18日 23時59分22秒 | Weblog
夕方、妹に会うべく新宿へ。
アルタ横の銀行の前で待ち合わせ。
「芋ちゃん!」
「姉ちゃん!」


店に行く前に、紀伊國屋書店で姜尚中先生のサイン会の整理券をゲット。
「心の力」
サイン会までに読み終えたいのだが。




妹・芋子は相変わらず元気そうだった。
今日は、彼女のおススメの店、新宿三丁目の「どん底」。
その店構えが、んもうなんつーか、「老舗ですが何か?」っつー感じで入店前からドキドキ。
1951年創業らしい。スペインにも店があるとのこと。





入店すると、まるで迷路のような世界が広がっていた。
漆黒の階段や柱、灯る照明、中2階。神保町の「さぼうる」に似ている。

なにか大きな空間の「どん底」にいると錯覚しそうなほど、深くて独特な空間である。
我々は三階のカウンターに通されたのだが。


かんぱ~い。


チーズが濃厚なピザ。



ピロシキ
優しい味がした。



「林さんのライス」
ハヤシライスではない。
これが絶妙に美味しかった。




今宵も芋子とたくさん話せた。
2014年はどうしたいのか、など。
私は去年燃え尽きてしまったので具体的な目標はないのだが、芋子はちゃんと目標を持っていてそれに近づくためにどうしたらいいかよく考えている。

芋子とは幼い頃の記憶が重なっているので思い出話もすんなりできる。
32年も一緒に生きてきたので互いの性格も熟知している。良き理解者だ。

「正月の朝、寝ている姉ちゃんが可愛かった件」とか。
小柄な私が身を屈しながらすやすや眠っている様子を見て「姉ちゃんかわいい」と思った芋子。
そんな客観的視点に驚きつつ、そして爆笑。

吉熊も一緒。



目の前のバーテンダーの方がズボンのポケットに文庫本を入れているのを目ざとく発見。
「何の本ですか」
と訊ねたら永井荷風の「ふらんす物語」だった。
おお!大学時代、彼氏に薦められて読んだことを思い出した。
バーテンダーさんと先日の直木賞の話などができて嬉しかった。


0時過ぎまで飲み、気付けば終電ギリギリ。
飲兵衛姉妹だ。

伊勢丹前を全力疾走し、ホノルルマラソンに毎年出ている芋子に勝ったど~!
あんなに本気で走ったのは久々だ。
酔って火照った頬が街の冷気を切り裂いていくのを感じた。
そして先日観た映画「かぐや姫の物語」の全力疾走シーンを思い出し、芋子に「あれ、面白いから見てね」と薦めておいた。


深夜なのに人大杉状態の新宿駅で別れた。
「またね」
「バイバイ」

2014年は初っ端から仕事で嫌なことがあったが、挽回できそう。
ありがとう芋子!