世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

日フィル 「第九交響曲」特別演奏会

2010年12月26日 21時34分21秒 | Weblog


コバケンの第九に行ってきた。チケットを入手した晩夏からずっと楽しみにしてきた。
第九を聴かないと新しい年を迎えられない体質になったのは、いつ頃からだろうか。気付けば毎年聴いている。
第九との出会いは、小学校5年生のとき。在籍していたクラスの学級の歌だった。ドイツ語で。担任のフクダ先生が教えてくれた。田舎の小学生に彼は様々な文化的なものを与えてくれた。「お前ら、馬鹿だ」が口癖で、超ウルトラ厳しかったけど。もしもあのとき第九に出会わなければ、これほどまで第九には惹かれなかったはずだ。

さて今日の演奏会は東京芸術劇場にて。

出 演: 指揮/小林研一郎 
パイプオルガン独奏/徳岡めぐみ 
ソプラノ/安井陽子 
アルト/栗林朋子 
テノール/錦織健 
バリトン/青戸知 
日本フィルハーモニー協会合唱団 
日本フィルハーモニー交響楽団


指揮者はコバケン。炎のマエストロ、小林研一郎である。賛否両論ある彼の第九だが、すぐに売り切れてしまうところをみると、やはり人気があるらしい。今日は昨年のように唸ってはいなかったが、時折、「フッ」とか息を吹き出していた。華奢な肢体をダイナミックに操り、オーケストラをガイドしていた。彼が指差す部分から音が湧き出てきて、見ていて面白かった。頷いたり、指差したり、指揮棒を持っていない左手を後方に投げ出して「ホールの後ろまで聞こえるように音(声)を出せ!」といわんばかりの彼の指揮、かっこいい。

指揮と言えば、高校時代の合唱コンクールで、凄く素晴らしい指揮をした同級生がいた。曲名は「ほたるこい」。校長先生が「背中で音楽を表現している」と評したように、彼の指揮は繊細で綺麗な力が溢れていた。同窓会で再会し、今はマイミクである彼。先日、コバケンの第九を私より一足早く聴いたらしい。


オーケストラ、合唱も、コバケンの熱意に応え、素晴らしい演奏を聴かせてくれた。
ソリストも最高だった。青戸さんの地から生まれてきたかのような力強い声「O Freunde, nicht diese Töne !」は拳を握ってしまうほどだった。錦織さんの艶かしい声はヨダレもん。錦織さんの左耳のダイヤモンドのピアスは昨年同様、今日も大いに光っていた。2ctはあると思う。確かめたくて、オペラグラスで凝視してしまった。

昨年同様、今日も1階S席。
ロビーの外にある喫煙所が近いため。それだけの理由。


第九が始まる前、パイプオルガンの演奏があった。芸術劇場ご自慢の秘密兵器・パイプオルガン!!
あの音色、やっぱり良い。「くるみ割り人形」だなんて珍しい。パイプオルガンの「花のワルツ」は、メリーゴーランドに跨がって上下運動している気分にさせられた。超メルヘン!夢見心地で、1階席から仰ぐように観るもんだから、本当に口角からヨダレが垂れた。パイプオルガン演奏は両手両足を動かす。いつも「器用だなあ」と感心する。

第九のあと、コバケンのお言葉。
「ベートーヴェンの世界を皆さんに少しは伝えられたかと思います。皆さんの新しい一年のご多幸を祈ります。また来年会いましょう」
みたいなことを仰っていた。

楽しい時間はあっという間に過ぎてしまう。
今宵は静かに今日の演奏会を振り返ろう。
また来年、清々しい気持ちで第九を聴けますように。



この日の為に、一張羅を引っ張り出して着用してきた吉熊。


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