海外ミステリーの大家といえばアガサ・クリスティですが、
作品の特徴としては(全部ではないですが)、全体的にコ
ンパクトにまとまってるというか、設定範囲が狭く、ゆえに
「密室ミステリー」なんて言われ方をしています。
そこに不満と改善を求めたのが松本清張氏で、密室の仕
掛け小屋から外にミステリーを出し、さらに現代社会の歪
みをテーマに盛り込み、「社会派」というジャンルを構築し
ました。
東野圭吾のミステリーは、そんな「密室の仕掛け小屋」と
「社会派」を上手く融合させた進化系だと思うのです。
本作『ゲームの名は誘拐』は、狂言誘拐がテーマ。仕事も
プライベートも合理的に生きる男が、会社のプロジェクトから
外され、納得できず酒の勢いでプロジェクトから自分を外す
ようにした取引先の大手自動車メーカー副社長宅にタクシー
で乗り付けますが、その副社長宅から女性が塀を登って外に
出てきます。
後をつけて、ホテルで宿泊しようしていたその女性に声をかけ
ると、家出をしてきたと告げます。さらに女性は副社長の複雑
な家庭事情を話し、これを聞いた男は、狂言誘拐を企てます。
しかし、超合理主義な男のなかに、女性への想いが芽生えて
しまいます。果たして身代金は手に入るのか・・・
ラストは大どんでん返しで、こういう展開を用意していたのか、
と唸らずにはいられませんでした。
松本清張の短編「水の肌」という作品にも、超合理主義な男が
出てきて、この男はその合理的がゆえに自分勝手で理不尽な
理由で殺人を犯してしまうのですが、対比として、男は冷徹な
ほど合理的に描かれており、そんな男が殺人を犯すというその
ギャップが面白いのですが、『ゲームの名は誘拐』の主人公の
男も、もっと冷徹に描ければ、狂言誘拐に付き合った女性と恋
に落ちるというギャップがより面白くなったかな。
作品の特徴としては(全部ではないですが)、全体的にコ
ンパクトにまとまってるというか、設定範囲が狭く、ゆえに
「密室ミステリー」なんて言われ方をしています。
そこに不満と改善を求めたのが松本清張氏で、密室の仕
掛け小屋から外にミステリーを出し、さらに現代社会の歪
みをテーマに盛り込み、「社会派」というジャンルを構築し
ました。
東野圭吾のミステリーは、そんな「密室の仕掛け小屋」と
「社会派」を上手く融合させた進化系だと思うのです。
本作『ゲームの名は誘拐』は、狂言誘拐がテーマ。仕事も
プライベートも合理的に生きる男が、会社のプロジェクトから
外され、納得できず酒の勢いでプロジェクトから自分を外す
ようにした取引先の大手自動車メーカー副社長宅にタクシー
で乗り付けますが、その副社長宅から女性が塀を登って外に
出てきます。
後をつけて、ホテルで宿泊しようしていたその女性に声をかけ
ると、家出をしてきたと告げます。さらに女性は副社長の複雑
な家庭事情を話し、これを聞いた男は、狂言誘拐を企てます。
しかし、超合理主義な男のなかに、女性への想いが芽生えて
しまいます。果たして身代金は手に入るのか・・・
ラストは大どんでん返しで、こういう展開を用意していたのか、
と唸らずにはいられませんでした。
松本清張の短編「水の肌」という作品にも、超合理主義な男が
出てきて、この男はその合理的がゆえに自分勝手で理不尽な
理由で殺人を犯してしまうのですが、対比として、男は冷徹な
ほど合理的に描かれており、そんな男が殺人を犯すというその
ギャップが面白いのですが、『ゲームの名は誘拐』の主人公の
男も、もっと冷徹に描ければ、狂言誘拐に付き合った女性と恋
に落ちるというギャップがより面白くなったかな。