晴乗雨読な休日

休日の趣味レベルで晴れの日は自転車に乗ってお出かけ。雨の日は家で読書。

アレックス・ガーランド 『ザ・ビーチ』

2009-06-01 | 海外作家 カ
必要最低限の荷物を背負い込み、世界じゅうを旅してまわる
「バックパッカー」。その目的は、自分の視野、見聞を広める
ものや、自分探しをするものなど。

本作『ザ・ビーチ』も、バックパッカーの青年が「楽園」を探して
そこで生活をする話で、タイの安宿で出会った男が青年に紙を
渡すと男は死んでしまい、その安宿で出会ったフランス人カップ
ルとともに、紙に書いてある「楽園」を目指します。

バックパッカーの多くは、ガイドブックなどで紹介されて観光地化
されたリゾートを嫌い、俗化されていない真のリゾートを求めます
が、そもそも自分がそこを訪れることが俗化の第一歩であること
に疑問は抱かないのでしょうか。

さて、その「楽園」ですが、交通手段の無い孤島の中にあり、また
その島に上陸できたとしても、たどり着くまでにはジャングルや滝
などの自然の要塞をくぐりぬけ、地元マフィアの栽培する麻薬の畑
を突破しなければならず、容易にたどり着くことはできません。

「楽園」での暮らしは、いわば自給自足の集団生活。真のリゾート
とは、つまるところ、脱文明?
排他的で、一度「楽園」に足を踏みいれたものには口外を許さず、
俗化を嫌います。入り口はあっても出口は無い、イーグルスの
「ホテル・カリフォルニア」のような世界観。

「楽園」の住人も、ここで生活することになる青年も、とにかくしじゅ
うドラッグやりまくり。作品じたいは全面的にドラッグを肯定している
わけではありませんが、青春の一ページのように扱っているのは解
せない。

コメント
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