晴乗雨読な休日

休日の趣味レベルで晴れの日は自転車に乗ってお出かけ。雨の日は家で読書。

畠中恵 『まんまこと』

2016-05-19 | 日本人作家 は
久しぶりの投稿です。ここ最近、早寝早起きを心がけておりまして、
今までの読書タイムである、さて寝ようとベッドに入ってからの
30分~1時間ぐらいなのですが、数ページ読んだらもうバタンキュー
ってな感じで、一冊読み終えるのにものすごい時間がかかるんですね
これが。

まあいつも通りのしゃらくせえ言い訳ですよ。

そんな与太話はさておいて、『まんまこと』です。
ちょっと前、といっても去年ぐらいですか、NHKでドラマをやっていて、
その時は見たり見なかったりで、とりあえず主人公が江戸時代の町名主
の息子というくらいは分かっていたのですが、その他の登場人物との
関係がよくわからず、あまりよくわかってないうちにドラマは終わって
しまい、まあ近いうちに原作でも読もうと思ってたわけです。

主人公の麻之助という男は江戸神田の町名主の息子。この「町名主」
という肩書なのですが、江戸時代では、町奉行が今でいう警察と裁判
を行ってたんですけど、人口が年々増加していく江戸においてこの
町奉行(与力とか同心ですね)の数が足らなくて、町人どうしの
軽微な揉め事は長屋の差配人(大家さん)か、各町の人望がある人が
「名主」となり、名主の家で裁きを行ってたわけですね。

よくいわれるのが、与力や同心は基本的には一代限りとされていたの
ですが、実際は息子か養子が跡継ぎつまり世襲となっていた、というのは、
捕物帳の時代小説ではほぼ必ず説明がありますね。
ですが、この町名主も世襲がほぼ形式となってたんでしょうかね。

で、この麻之助、十六歳までは真面目だったのですが、なにがあったか
それから「お気楽な若者」に変わってしまいます。
年齢は二十二歳。もう遊んでばかりもいられず、名主代理となって
町方の揉め事の解決に。
そんな麻之助の友人は、同じく町名主の息子の清十郎。そして、同心見習い
の吉五郎。

表題作「まんまこと」は、麻之助の友人、清十郎のもとに、町内の太物問屋の
娘に子ができた、相手の男は清十郎だと言ってきたのですが、清十郎はこの娘
おのぶとは面識がなく・・・
「柿の実を半分」は、質屋三池家の主人、小左衛門のもとに娘を名乗る女の子が。
この娘は亡き母から小左衛門のことを聞いていて、証拠の品もあるというのですが・・・
「万年、青いやつ」では、麻之助に縁談話が。相手は吉五郎の遠縁のお寿ず。
ところが、このお寿ずさんには恋人がいるという意味の分からない話。
さてそんな中、万年青という観葉植物をめぐって町内で揉め事が・・・
「君の子か、他の子か、誰の子か」は、清十郎の異母弟の幸太が、とある大名家の
侍に「わたしの孫だ」と名乗られ困惑し・・・
「こけ未練」では、麻乃助が見舞いにでかけるのですが、途中に犬を拾い、
さらに襲われそうになってた女の子を助けます。ところがこの女の子、名前は「おしん」
と名乗ったのですが、家を聞いてもだんまり。そのうちに見廻りをしていた岡っ引きが、
ある女の子を探してるといい、おしんを番所に連れて行こうとすといきなり逃げ出し・・・
「静心なく」は、前の話に出た幸太が、誘拐されます。犯人は五十両の身代金を要求。
犯人は、名主の裁きに不満を持った町内の者か・・・

ドラマを見ていたときに、麻之助がたびたび訪ねていた病気で寝たきりのお武家が
出てきて、麻之助との関係がよくわからずにいたのですが、この人が「万年、青いやつ」
で登場したお寿ずの恋人、水元又四郎と判明しました。

又四郎は余命いくばくもなく、お寿ずとの縁談もなかったことになったのですが、
お寿ずは又四郎の看病を続けたくて、麻之助と縁談して、麻之助と会うこを口実にして
又四郎の看病をしようとしていたのです。

ちなみに「こけ未練」で麻之助が見舞いに行った相手は又四郎。なんだかんだで
ふたりは良き話し相手に。なんと又四郎は麻之助に、自分が死んだ後にお寿ずと
一緒になってくれと頼むのですが・・・

あと、麻之助が「十六までは真面目だった」と先述しましたが、その理由は、
清十郎の異母弟、幸太の母、お由有が関係しているのですが、果たしてふたりに
何があったのか・・・

こちらもシリーズになっていて、続きが気になりますねえ。

コメント
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