晴乗雨読な休日

休日の趣味レベルで晴れの日は自転車に乗ってお出かけ。雨の日は家で読書。

鷺沢萠 『途方もない放課後』

2017-11-29 | 日本人作家 さ
書棚の整理をしていたら、未読本が出てまいりました。

この作品はエッセイ集で、著者の作家デビュー十周年で
出されたそうで、おもに雑誌の連載ですので、それぞれ
は短いです。

いきなり最初のタイトルが「三十路の誓い」。デビュー
十周年で三十路ってことは二十歳に作家デビューという
ことですね。

当時はおそらく史上最年少とかだったのでしょうか。
その後、現役高校生がナントカ新人賞受賞という話も
チラホラありますね。

そういえば三十路で思いましたが、あるアメリカの
ドラマで、主人公の女性が三十歳の誕生日の前日に
「三十までにはすでに結婚してて子供もいる予定だっ
たのに(独身ってことですね)」ものすごく落ち込ん
でて、友人が「でも、三十代の女の人生はバラ色って
言ってたわよ」と励まし、「誰が言ったの?」と訊く
と友人「四十代の女」というシーンがあって、ブッと
噴いてしまいました。

前に著者の小説はいくつか読みましたが、正直ハマる
というほどではありませんでした。まあ数作しか読ん
でないのに作風を語るのはアレですが、なんといいま
すか、色、空気感、距離感、そういったものが自分に
フィットしなかったんですね。

で、このエッセイを読んで、なんとなくですが、なる
ほどと思いました。そして、小説よりも、エッセイの
方が、読んでて心地良かったな、と。

著者にとって「居心地の悪い」モノ、場所、雰囲気、
そういったものが(普通の人)にとっては「居心地の
良い」もの、といったらまるで著者が普通ではない
みたいになっちゃいますが、このエッセイを読むと
「ああ、この人、良くも悪くも(普通)を捨ててる
なあ」なんて思います。

あと、ときたま「すげえ」といった表現をされるのに、
個人的趣味ですが、ドキッとします。ときたま。
常に「ウッセンダヨー」「テメーザケンナヨー」とか
言ってたらゲンナリしますが。
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佐伯泰英 『吉原裏同心(九)仮宅』

2017-11-23 | 日本人作家 さ
今作のテーマは「仮宅」。前作「炎上」での当ブログでは
「仮見世」と説明しましたが、まあ意味は同じですね。

吉原は、幕府公認の(色里)なわけでして、吉原の郭内が
火災に遭ったら、他の場所での営業が許可されます。
お金持ちの(大見世)などは繁華街の浅草界隈に臨時で
営業できますが、中小規模ですと、浅草から離れた場所、
さらには大川の東側、本所深川に見世を出すことに。

吉原の外での営業となりますので、吉原で行われていた
面倒な(しきたり)は省かれるので、売上げは大幅アップ
なんだとか。

さて、(三扇楼)という中規模の見世のトップ、花蕾と
いう遊女が仮宅に帰ってきません。
どこかに逃げたというのでしょうか。神守幹次郎と吉原
会所は花蕾を探すのと各所の仮宅の見回りに。
すると「吉原に恨みがある」と突然刃物を突き付けてく
る者もいれば仮宅に火を付けようとする者もいて、これ
は田沼一派の残党の仕業なのか。

すると、炎上騒ぎのゴタゴタの中、花蕾が布団に巻かれ
て連れ去られたのを見たという人がいて、話を聞くと、
実行役で(そうざ兄ィ)と呼ばれている男がいて、その
近くに頭巾をかぶった武士がいた、というのです。

ところが、今度は別の見世で遊女がいなくなり・・・

こちらの本筋とは別に、吉原の焼け跡で火事場泥棒を
見つけた幹次郎、主犯格は、火災を機に廃業した見世
の息子で、床下に埋められた小判を探していたという
のですが・・・

一方、大見世では郭内で行われていた「花魁道中」
の真似事をやろうと計画します。見回りをしていた
幹次郎は、いつぞや刃物を突き付けてきた男がいる
のを人ごみの中に見つけますが逃げられます。
どうやらその男は、馴染みの遊女がいたのですが
罪を犯してしばらく江戸には入ってこられず、その
間に馴染みの遊女は別の男に落籍されたのです。
そこで吉原会所は遊女の身の安全を考えて自死した
ことにしたのですが、どうやらその男は遊女が生き
ていることを知ったようで・・・

前作「炎上」で幹次郎がトップの遊女(薄墨太夫)の
命の危険を救い、太夫を背負って炎の中から逃げ出て
きたことは吉原関係者では伝説となっていて、前から
幹次郎にはからかい半分でちょっかいをかけてきた
薄墨太夫ですが、もはや堂々と妻の汀女に向かって
「幹次郎様とのあいだにお子が生まれないなら私が産む」
と言う始末。

遊女失踪(誘拐?)事件でも、もうひとりのトップ遊女
の染井太夫と幹次郎がちょいと仲良くなろうものなら、
薄墨さん、ジェラシーを隠そうともしません。

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宇江佐真理 『深尾くれない』

2017-11-18 | 日本人作家 あ
この作品の主人公、深尾角馬は、江戸時代初期の剣客で、
実在の人物。今まで宇江佐真理さんの作品はけっこう読
んできましたが、文中で当時の将軍や老中といった実在
の人物はちょくちょく出てきましたけど、ここまでガチ
の人物一代記というのははじめてお目にかかりました。

あとがきでご本人が、なにかで角馬という人物を知るも、
過去には短編ぐらいしかなく剣豪の小説を自分が書くには
力不足ではあるけど誰も書いてくれないから自分で書いた、
と説明されていて、終わりに「私の作品の中では異例中の
異例」とあり、まあ確かにそれまでのホッコリするような
温かみのある作風とはだいぶ違います。

深尾角馬は、岡山藩池田家の家臣、河田理右衛門の子で、
(河田喜六)という名前でした。
喜六が2歳のとき、当時の藩主、池田忠雄(ただかつ)
の死去により長男の光仲が新藩主となるはずでしたが
当時わずか3歳。通常でしたら世継が幼年の為といって
領地を没収されたり石高を削減されたりしたのですが、
光仲はかの戦国武将、池田輝政の孫であり、さらに徳川
家康のひ孫にあたり、別姓が(松平)ということもあり、
鳥取藩へと「お国替」になります。

父・理右衛門は剣の実力者で、この当時はまだ戦国の
名残も濃く、主に実践剣法で、甲冑を着て稽古をする
もので、小柄な息子はこの父のもとで鍛えられます。

やがて元服し、家督を継いで、結婚するもすぐに離縁、
このころ「深尾角馬」と名乗るようになったそうです。
そして、(かの)という女性が角馬の後妻に。じつは、
かのの家も池田家家臣だったのですが父の乱心により
断絶となり、角馬は「男やもめで大変だろう」という
ことで、半ば(押し付けられた)状態。

そんな角馬ですが、趣味といえば、庭で牡丹を栽培す
ること。その牡丹は見事で藩内でも有名となり、家老
が株分けを所望するも「上役に追従するような真似は
しない、拙者が死んだらどうぞ」と、偏屈というか頑固
というか、これは彼が低身長というコンプレックス
からきています。

かのは、たまたま角馬が前妻と離縁した理由を聞き衝撃。
浮気していたところを相手の男もろとも斬り殺したという
ではありませんか。

藩主の光仲は(大蔵殿)と親しまれ、とりわけ武芸を
奨励していました。角馬は当時は(丹石流)という
流派の剣法の師匠でしたが、実践剣法は時代遅れ、
危険も多いので新弟子も集まらないので、弟子たちに
新しい剣法を編み出してくださいと懇願されます。

そこで考え出されたのが雖井蛙流(せいありゅう)
という新流派を創設します。
「井の中の蛙と雖(いえど)も大海を知らざるべけんや」
という意味。

ちょうどこの頃、かのは子をみごもります。ですが、
角馬は殿のお付きで江戸に行くことに。
「雖井蛙流の後継者にするため男を産めよ」と冷淡
な態度。かのは「女子だったらどうするんですか」
と聞くと「台所仕事しかできない女子などいらん。
もしそうだったら名前も鍋か釜にでもしとけ」
と、もし誰かがツイッターにこんなこと書こうもの
なら大炎上は必至。
極めつけは妻よりも牡丹の心配をしている様子。

産まれたのは女の子。さすがに鍋釜はなく(ふき)
と名付けます。江戸に手紙は出すも返事は来ず、
「あなたはお父さんに歓迎されないのねえ」と
気落ちしているところに「お嬢様ではありませんか」
と山伏が声をかけてきます。

山伏はかのの父の若党だった戸田瀬左衛門で、断絶
の後、修験者に。「実はあなたのお父さんから娘を
嫁にと言われてたんです」と告げられます。
急速にふたりの仲は深まります。
やがて女中にもバレて「お嬢様のためにも戸田様と
会うのはやめてください」と。戸田も修験の旅に。

そんなこんなで角馬の江戸勤務も終わり帰国。戸田
との浮気はバレていません。
相変わらず剣術と牡丹にしか関心がなく、妻と娘は
ほったらかし。
ある日、山陰地方に大地震が発生。立っていられない
かののもとに現れたのは戸田でした。たちまち恋の炎
が再燃。

弟子の婚礼の日、かのは無性に戸田に会いたくなり、
逢瀬の場所へ。角馬は弟子の家に向かう途中に山伏
とすれ違います。じっとこちらを見つめる山伏。
剣士の勘か、角馬はその山伏の後を追います。
山伏は小屋の中に。そこで角馬は自分の妻と山伏の
今風に言えば「一線を超えた」場面を目撃します。

「・・・わしの背丈が足りんせいか」と妻に問う角馬。
「わたしは旦那様にとって牡丹より価値のない女です」
とかの。そしてかのの首は胴から離れ落ち・・・

ここから第2章は角馬と娘・ふきとの話になります。
藩の財政は逼迫、角馬は(在郷藩士)になることを
決意します。城下のお屋敷から、八東郡隼郡家という
田んぼと山しかない田舎に引っ越します。

角馬にとって隼郡家は(知行地)で、父の代からの
藩から与えられた領地でした。
いちおうはこの地域を収める藩士なのですが、特に
することはありません。
さっそく地元で友達ができるふき。やがて、この
地域の豪農の息子と仲良くなり、それを知った角馬は・・・

ひとり目の妻にもふたり目の妻にも浮気され、斬り
捨てた角馬。やがてその事実を娘は知り、父親に
「私もお父さんを裏切るような真似をしたら斬る?」
と聞きますが「どこの世界に娘を斬る父がいる!」
と怒られます。

丹精込めて育ててきた牡丹。やがて「深尾紅」と呼ばれ
るようにまでなります。郡家にも株分けしたのを持って
行ったのですが、うまく咲いてくれません。
空き家となった屋敷の庭に咲き続ける牡丹。それを見た
ふきは・・・

はじめこそ「これが宇江佐さんの作品?」と戸惑いなが
らも読み進んでいくうちに夢中になっていました。

ちなみに「井の中の蛙~」の文のあとには「されど空の
深さ(青さ?)を知る」と続きがあるという話があり、
脚本家の三谷幸喜さんは大河ドラマ「新選組!」で、
近藤勇にこのセリフを書いたそうですが、後日、永六輔
さんがラジオで「あれは私の作ったもの」と話したとか。
まあ真相はわかりませんが、面白い話ですね。
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東川 篤哉 『交換殺人には向かない夜』

2017-11-08 | 日本人作家 は
やっちまいました。シリーズ物の途中をすっ飛ばして
読むというミスを。

当ブログの過去の投稿を調べてみますと、作者の実質
デビュー作「密室の鍵貸します」を投稿していまして、
今作は作品舞台が烏賊川(いかがわ)市というフザケ
た名前の同シリーズのじつは4作目。

シリーズ1作目で出た登場人物プラス2作目と3作目
で登場したであろう新キャラも出てきますが、まあそ
こまで前作を読まなければ関係性が理解できないとい
うほどではありません。

さて、舞台は烏賊川(いかがわ)市。場所は「千葉の
東、神奈川の西」という、おそらく今われわれがいる
のとは違うディメンションの世界。

この市に住む鵜飼という探偵の事務所にある女性から
依頼が。依頼主は善通寺咲子という女性。依頼内容は
夫の善通寺春彦の浮気調査。

春彦は職業は画家なのですが、「有名画家の善通寺善彦
の息子」という紹介でもしないといけない、つまり春彦
は画家として成功はしていません。

真理子という親戚が就職活動で家に泊まりに来ていて、
その真理子と夫の春彦が怪しい、というのです。
そこで、鵜飼と事務所のあるビルのオーナーの朱美と
いう女性が運転手と家政婦に化けて咲子が一晩留守に
している間に証拠をつかんでほしい、と。

烏賊川市の隣、山間部の猪鹿(いのしか)村にある
善通寺家に出かける鵜飼と朱美。
途中で金髪の青年に道を尋ねますが、挙動不審。
こちらに歩いてくる中年男性をじっと見ています。

どうにか善通寺家に着いたふたり。散歩から帰って
きたという春彦を見てふたりは「さっきの中年男性」
と思い、鵜飼はさきほどすれ違いましたねと聞きま
すが、春彦は知らない、と。

ふたりは真理子にも会って、いよいよ出かける咲子。

この話とは別に、本来は善通寺家に来るはずだった
鵜飼の助手の戸村流平。直前になって鵜飼から「きみ
は来なくてよくなった」と電話が。
偶然にも、十乗寺さくらという女性から買い物に付き
合ってほしいと頼まれ、この日、流平とさくらは烏賊
川市にあるカメラ屋さんで年代物の八ミリカメラを
購入。聞けば、さくらの友人がこのカメラを欲しがっ
ていて、それを届けに行くというのです。

待ち合わせの駅のロータリーで、突進してきた車に
流平は轢かれそうになります。この車の運転手が
さくらの友人、水樹彩子。
水樹彩子は現在、女優を休業中。3人は彩子の別荘
に到着します。すると向かいの別荘から争う声が・・・

烏賊川署の刑事、志木のもとに「鶴見町で殺人事件
発生」と連絡が。迎えに来た和泉という女性刑事と
現場に急行。
被害者はお金持ち風の女性。ナイフで刺されていて、
身元の分かるような所持品はありません。

雪の降る中、聞き込み捜査に出る志木と和泉。商店街
にあるカメラ屋の店主に聞くと、閉店間際に女性がふ
らつきながら歩いていたと。特徴は殺害された女性と
一致。

こちらは善通寺家。外は雪。夕食の時間ですが、春彦
は「ちょっと出かけたい」と鵜飼の運転で出かけます。
小一時間で戻ってきた春彦。夕食の終わりごろに電話
が。電話に出た春彦は呆然状態に。

聞き込みを続けていた志木と和泉は、別の場所でも
被害女性の特徴と同じ人物を見たという目撃情報が。
路上に高級外車があり、ナンバーから所有者の照会
をすると「猪鹿村の善通寺春彦」と。

ふたたび善通寺家。寝る時間になり、いよいよ浮気
調査の開始と思ったら、春彦がスコップ片手に外に
出て、池の近くの地面を掘っていたのです。
が、また掘った穴を埋めます。これはおかしいと
鵜飼と朱美は別の場所を掘るとそこには白骨死体
が・・・・

一方、彩子の別荘では、夜に向かいにある別荘の様子
がおかしいと見に行く3人。そこで見たのは主人の
権藤源次郎の死体だったのです・・・

春彦のもとにかかってきた電話ですが、じつは真理子
が受話器の向こうの声を聞いていて、「奥さんを・・・」
「今度はあなたの番・・・」と話していたというのです。

これはひょっとして交換殺人なのか。

読み進んでいくとだんだんとネタあかしとなっていく
のですが、さらにこんがらがって、最終的には「おおー」
となります。

あまりにも偶然が重なり過ぎるのですが、それを「都合
良く」とは思わせないトリック。フザケた描写の中に
さりげなく巧妙に仕込まれた伏線。
「書評」といえばたいていは(粗探し)になってしまい
がちですが、そういうのを捨てて軽い気持ちで「ダマされ
てみるか」というスタンスで読むのがいいですね。
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葉室麟 『秋月記』

2017-11-03 | 日本人作家 は
時代小説、歴史小説では、史実にせよ創作にせよ「御家騒動」
がよく出てきます。もちろん現代でも会社内ですとか政治の
世界でも派閥抗争なんてのがありますから、もうこれは人間
の本質といいますか、やめられないんでしょうね。

『秋月記』の作品舞台となっている九州筑前の秋月藩は実在
した藩。ですが、正式には(福岡藩の支藩)という状態。
場所は洪水被害のあった朝倉市のあたり。被害の大きかった
川かはわかりませんが、文中では川に木造ではなく石の橋を
作るという話が出てきます。

が、石の橋を作るなんて予算は秋月藩にはありません。じつ
は借金まみれ。ところが宮崎織部という家老は「前藩主の夢」
だとかいって石橋の建設を進めます。

現藩主も宮崎のいいなり、周りにはイエスマンしかいない、
もうやりたい放題。

間小四郎という軽輩の若侍は、幼いころは犬に吠えられたら
身動きがとれなくなるような臆病者でしたが、ある(事件)
をきっかけに「強くならねば」と決心します。
道場で修業し剣の腕も上達し、学問も優秀だったので小四郎
は江戸に行くことに。

帰国した小四郎は、藩内が変な雰囲気になっているのを訝し
く思います。本藩(福岡藩)から来た姫野という宮崎家老
お気に入りの家臣が、ゴタゴタの張本人らしいのです。

石橋工事の失敗で、藩内の小四郎ら若侍たちは、直訴して
宮崎家老を辞めさそうとしますが、その話し合いをしてい
るときに、件の姫野が訪ねてきたのです。
なんと、姫野は秋月の藩主に直訴してもしょうがないから
自分の口利きで本藩に直訴してはどうか、と提案します。

小四郎は、福岡藩の中老に姫野の書状を渡すと、家老から
藩主に話が伝わり、宮崎織部らは失職します。が、じつは
これは本藩の巧妙な作戦で、秋月藩は独立行政のあった
支藩から本藩に乗っ取られたかたちに。

小四郎ら宮崎織部一派追い出しの功労者は出世しますが、
なにやらスッキリとしません。そのうち「もしかしたら
宮崎家老は悪くなかったのかも」と思うようになり、
蟄居している織部に会いに行きます。そこで小四郎は
織部から「やっと気づいたか、馬鹿め」と言われ、姫野
の正体も教えられるのです・・・

結局、本藩にいいように使われて自分たちの藩の乗っ取り
を手助けしてしまった小四郎たち。ですが宮崎家老に代わ
って今度は自分らが秋月藩を取り戻さなければなりません。
小四郎は、悪者の役目は自分が被る覚悟で動きますが、
やがてかつての仲間たちは離れていき・・・

そういえば「蜩ノ記」の寸評で「登場人物がみんないい人」
みたいのがありましたけど、このささくれ立った世の中で、
そういう作品があっても別にいいですよね。
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