晴乗雨読な休日

休日の趣味レベルで晴れの日は自転車に乗ってお出かけ。雨の日は家で読書。

波の伊八とパンと温泉

2022-09-30 | 自転車

なんと3ヶ月ぶりの投稿。最後に投稿したのが梅雨の中休みのころでした。自転車に飽きたわけではありません。ちょうど運悪く休みの日と雨が重なったり、そうこうして梅雨明けしたら今度は毎日暑くて暑くて熱中症になりたくなかったので乗りませんでした。

そしてお彼岸も過ぎ、日中に真夏日を超える日もほぼ無くなり朝晩がとても過ごしやすくなってきたので、ぼちぼち乗りますか。

というわけで車に自転車を積んで、着きました、道の駅むつざわ。温泉が併設してるというとてもナイスな施設。ここからスタートして、観光名所をゆっくりのんびり回ります。

道の駅からだいたい4キロぐらいのところの八坂神社に到着。ここに来た目的は「波の伊八」。波の伊八とは江戸時代の彫刻師で、本名は武志伊八郎信由。とても技術が優れていて、特に波を彫らせたら天下一品で「関東に行ったら波を彫るな」と言われたほど。葛飾北斎の有名な波の絵は波の伊八の彫刻からインスパイアされたという話もありますね。写真だとちょっとアレですけど、肉眼で見たらスゴイです。

ここだけではなくて南房総には波の伊八の作品がたくさんありますので、機会がありましたら。

さらに市内をウロチョロしていると大きな川がありました。一宮川です。下流の茂原市あたりでたびたび氾濫してます。ちなみにこの川、鮭が遡上する川としては太平洋側で日本最南端だそうです。ちょっと前までは同じ千葉県の栗山川が最南端だったんですけど。

睦沢町に来た最大の目的は、こちらのパン屋。場所は田んぼの真ん中。石窯で焼いてまして、お値段はちょいお高めですが、けっこう有名で人気のパン屋さん。

そうして道の駅に帰ってきまして、温泉に入って疲れを取って、お買い物をして、終了。

走行距離は、そうですね、けっこうウロチョロしてほんのちょっと迷ったりもしたので10キロから12キロくらい走ったでしょうか。

久しぶりでしたが、やっぱり自転車は気持ちいいですね。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ジェフリー・アーチャー 『運命のコイン』

2022-09-12 | 海外作家 ア

家にいてもあまりテレビは見ないのですが、地上波はニュースぐらいで見るといえばほぼBSの番組で、主に旅番組と料理番組と動物番組。中でもここ最近ハマってるのが月曜の「酒場放浪記」、火曜の「町中華で飲ろうぜ」、そして金曜の「おんな酒場放浪記」。酒ばっかり。番組が始まる時間になるちょっと前にお酒と冷奴とかししゃもを焼いたのとかちょっとしたつまみを用意して、ちびちび飲みながら見てます。毎週欠かさず見られるわけではないのですが、休みの日に見られればラッキー。でも見られなくても見逃し配信があるので安心です。いい時代になりました。

家飲みだと家で飲んでるという安心感と他の人と会話しないので発散しないせいか酔いが回るのがはやくて、そんなにたいした量を飲まずに眠くなるのである意味経済的ですね。

以上、酒とバラの日々。

 

さて、ジェフリー・アーチャー。2011年から7部におよぶ大長編「クリフトン年代記」が続いて、これが終わったらもしかして断筆宣言でもするんじゃないかと思っていたのですが、その後に出版されたこの『運命のコイン』、の前に短編集も出て、まだまだ現役だそうです。

あれは2015年、イングランドでラグビーのワールドカップが開催されたのですが、決勝戦がオーストラリア対ニュージーランド。そのときジェフリー・アーチャーさんはツイッターで「ラグビーワールドカップの決勝がトゥイッケナム(ラグビーの聖地といわれるロンドンのスタジアム)でオーストラリアとニュージーランドとはなんて屈辱だ」とつぶやいていたのをよく覚えています。

 

この作品は「サーガ」と呼ばれる、本来は出会うはずのない2人の登場人物を描く長編もので、「ケインとアベル」が代表ですね。

1968年、ソヴィエト連邦、レニングラード。高校生のアレクサンドルは友人のウラジーミルといっしょに家に帰ります。ウラジーミルはKGBに入ること、アレクサンドルはモスクワの大学進学を夢見ています。アレクサンドルの父は港の同志主任監督官として、母は食堂の調理人として働いています。ある日の夜、アレクサンドルの父がでかけます。それを見かけたウラジーミル。後をつけていくと、教会の中へ。すると他にも数人の男が教会に入っていきます。ウラジーミルはこっそり話を聞くと、港湾労働者の労働組合を作るという話し合い。ウラジーミルは急いで港湾司令官をしているKGB少佐ポリヤコフの家に行きます。

その翌日、アレクサンドルの父が出勤して、作業を始めようとしたとき、クレーンの積荷が真上に来て、積荷が落下し・・・

コンスタンチン・カルペンコの葬儀が行こなわれますが、妻エレーナと息子アレクサンドルをはじめ、コンスタンチンの友人たちはあれは事故死ではないとわかっていますが、それを口に出すことは許されません。さらに、コンスタンチンにはソヴィエト連邦英雄の称号が与えられ、妻エレーナは年金が満額支給され、息子アレクサンドルは父の後をついで港湾労働者になるという「美談」が用意されていました。

港湾労働者であるエレーナの弟がやって来て「金曜に外国船が2隻入ってきて翌日出港するので、そのどちらかに隠れることができる」と、亡命の手助けをしてくれるというのです。土曜日、どうにかこうにかエレーナとアレクサンドルは倉庫に着きます。そこには大きな木箱がふたつ。行き先はアメリカかイギリスのどちらか。アレクサンドルはポケットから5カペイカ硬貨を出し、「表ならアメリカ、裏ならイギリス」と決めて、硬貨を頭上に弾き上げます。

エレーナとアレクサンドルは木箱に入り、蓋が釘で打ち込まれ、クレーンでゆらゆら揺れながら宙に浮くのを感じて貨物船の倉庫に収まって・・・

ここまでが第1部。はたしてエレーナとアレクサンドルはどちら行きの船に乗ったのか、ということになるのですが、第2部のはじまりが文庫の上巻の60ページから。上下巻合わせて残り800ページぐらいがその「どちらか」という話で、ただこれを書いてしまうと豪快なネタバレになってしまうので書けませんが、一応、ふたりは亡命した地で、アレクサンドルは持ち前の頭脳明晰で出世し、エレーナは料理の腕を見込まれてこちらも成功します。

相変わらず面白いです。そして読みやすい。クレームをつけるとするならば面白すぎて読みやすすぎてあっという間に読み終わってしまったのでもっと文中の世界観に浸っていたかったという誰のせいでもないクレーム。

 

訳者あとがきによれば、この作品は「『ケインとアベル』以来の大作と作者自身が豪語」したとかですが、「ケインとアベル」は若い頃に心震わせながら夢中になって読んでしかもその後に数回読み直してますから、まあ「思い出補正」ありきですがやっぱり「ケインとアベル」が一番ですね。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする