首相、「そればかりやっていてもな」 スキャンダル警戒(朝日新聞)
「本来は政策で(論争を)やってもらいたいけど、なかなかそうはいかないのが国会だ」
安倍首相は19日夜、都内のホテルで尾身財務相や衆院予算委員会の与党理事らと会食。昨年末に辞任した佐田前行革担当相や、年明けに発覚した伊吹文部科学相らによる事務所費をめぐる問題がくすぶっていることから、首相は野党の追及に対する警戒感を示した。
出席者によると、首相はスキャンダル国会となることに懸念を漏らし、「そればかりやっていてもな。国民も見ているから、大事な政策課題を議論したい」と強調。事務所費問題については「そんなにたいした話ではない」と語ったという。
まあ私としても政策で論争をやって欲しいのは同意ですが、スキャンダルで追求されている側の人間が言うべきことではありませんね。しかし、安倍氏が論争の対象として欲しい政策って何なのでしょうね?
共謀罪:安倍首相が成立指示 政府・与党に困惑、真意いぶかる声も(毎日新聞)
安倍晋三首相が19日、共謀罪創設法案(組織犯罪処罰法改正案)を通常国会で成立させるよう唐突に指示したことに対し、「寝耳に水」の与党では戸惑いが広がっている。同法案には世論の批判が強く、参院選への悪影響を懸念する与党は、国会開会前に早々と成立先送りの方針を固めていたためだ。政府内にも首相の真意をいぶかる声があり、安倍首相と塩崎恭久官房長官が、またしても十分な根回しのないまま独走したとの見方も出ている。
「信じられない。なぜこんな話をしたんだ」。首相指示を伝え聞いた公明党国対幹部は19日、怒りを込めた口調で語った。参院選にマイナスな法案は極力先送りしたいのが本音だからだ。
自民党国対幹部も「首相からは何も聞いていない。知恵を付けて持ってきてもらわないと」とこぼした。
悪名高い共謀罪を安倍首相が唐突に持ち出したところ、与党内部でもさっぱり支持が得られていない模様。指導力への高さが窺われますなぁ。
とは言えこの共謀罪、ホワイトカラー・エグゼンプションと同じで先送りにされているだけ、政府筋が諦めているわけではありません。野党以前に与党の段階で支持が得られていない有様だけに当面の採択はなさそうですが、やはり油断はできません。各種のスキャンダルに報道が偏りがちですが、国民やメディアにはこの辺の政策に関してもっと注目して欲しい気はしますね。
参考、共謀罪賛成議員落選運動
もう一つ、スキャンダルよりも注目されるべきものを挙げるとしたら、やはり国民投票法案でしょうか。憲法改正への布石と目されるこの法案、政治家が個人的に懐を温めるのはよくないことですが、それよりももっと国民への影響が大きいものがあるはずです。
国民投票法案:反対で社民党と国民新党が一致(毎日新聞)
社民党の又市征治、国民新党の亀井久興両幹事長が19日、東京都内のホテルで会談し、憲法改正手続きを定める国民投票法案について、通常国会での成立を目指す政府・与党方針に反対することで一致した。会談で亀井氏は「わが党は改憲の立場に立つが、自民党新憲法草案を成立させるための国民投票法案を慌ててやる必要はない」と述べた。
同法案をめぐり民主党は鳩山由紀夫幹事長が通常国会成立に前向きだが、野党共闘を重視する小沢一郎代表はまだ方針を示していない。又市、亀井両氏は通常国会の開会に合わせ野党党首会談を開くよう民主党に呼びかけることも確認した。
社民党、国民新党は反対、共産党はいうまでもなく反対、しかし最大野党であるはずの民主党は鳩山幹事長が賛成の意向であり、党全体としても態度は曖昧なままです。自民党と民主党が手を組んでしまえば国会ではやりたい放題、予断を許さない状況です。