Mizuno on Marketing

あるマーケティング研究者の思考と行動

筑波大学での集中講義(予定)

2009-11-08 02:01:59 | Weblog
筑波大学で「マーケティングと消費者行動の複雑性」と題する集中講義を行なうことになった。この特別講義は,昨年池上高志さんを招いて行なわれており(ぼくも聴講した),それを考えると荷が重いが,研究を色濃く反映した講義をするという魅力に惹かれてお引き受けした。今回 Complex'09 で20分ほど話した内容を核にして,基礎から先端の話題まで延べ 750分 かけて講義することになる。

1. 消費者選択モデルと限定合理性

 選択モデルの基礎(離散的選択モデル)
 選択モデルの応用(コンジョイント分析)
 限定合理性(非補償型選好,文脈効果,可塑性など)

2. 消費者行動の相互依存性

 消費者間相互作用の諸研究
 複雑ネットワークと情報伝播
 クチコミマーケティングの理論と現実

3. イノベーションの普及

 古典的普及モデル:Bass と Rogers
 エージェントベース・モデルの貢献
 革新的な新製品の開発と消費者による受容

学部(学類)学生が対象だが,院生や進学希望者も視野に入れた専門的な講義をしたい。なぜなら日程が以下のとおり,初日がクリスマスイブの前日で祝日なので,ふつうの学生は来ないだろうから。もう帰省している学生だっていそうなこの日に,集中講義にわざわざ出て来る学生が何人かはいることを期待したい。また秋山さんが進化経済のMLに流してくれたので,他大学(明治からも!)から来る学生がいればうれしい。

 12月23日 (水・祝) 13時45分~
 01月06日 (水) 13時45分~
 01月20日 (水) 12時15分~
  詳細はこちら

これに先立ち,11/14~15に和泉潔さんによる「人工社会・人工経済入門」という集中講義もある(詳細はこちら)。ファイナンスにおけるエージェントモデルに興味がある人はこちらがお薦めだ。和泉さんには立派な教科書がある。今回の講義を機に,自分も教科書的なものを書けないかなと思う。ただ,それは研究時間とトレードオフの関係にあるのが悩ましい。

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