クアトロにいつもの静寂が戻ってきた。
怒濤の4周年企画も終わり、あの忙しさは現実のものだったのだろうかと思えるまったりとした時間が流れるクアトロである。
ゆっくりとクアトロを楽しむのにおすすめなのがピッツァである。クアトロはパスタと魚が評判だが、このピッツァもあなどれないのである。
クアトロの父おすすめのワインでも注文してピッツァが焼けるのを待つ。
クアトロ秘伝のピッツァ生地を注文が入ってから丸く伸ばし、チーズを乗せて焼く。
まもなく小麦粉とチーズの焼ける香りが店内に漂う。この香りこそピッツァの醍醐味である。店内がさほどに混んでいない時にこそ、この香りを楽しめるというもので、この香りでワインを一杯飲めてしまう。
しかし、焼き上がるのにそんなに時間はかからない。
2杯目のワインに取りかかろうかと思うころには、クアトロの父が必死の形相でピッツァを運んでくる。
熱々のピッツァを早くお客様に届けろと厨房に尻をたたかれているクアトロの父である。
大きめのピッツァはクアトロの父の熟練の技で等分に切り分けられる。
よく切れるピッツァカッターを使っているだけなのだが、自分の技のような誇らしげな表情をするクアトロの父である。
ここからはお客様はワインの存在もクアトロの静寂を楽しむことも忘れてがむしゃらにピッツァをほうばる。
時折思い出したようにワインを飲む。
やはりピッツァは焼きたてが旨い。