ザ・クアトロ

クアトロの父のたわごと

祝福された石畳

2009年02月18日 | ワインの話

Photo ちょっと気取ったレストランでワインを注文すると、感想を求められることがよくある。これがいやでワインには馴染めないという人も多い。
クアトロの父もお客様に感想を求める時は気を遣う。予めワインを注いだ時に、そのワインの特色をクアトロの父の印象としては伝えておく。
「今日のワインは果実味が濃厚で複雑さも感じるかもしれません」
「このワインは柑橘系の酸味が特色です」
とか云った具合である。
これは、良いことかどうかは難しいところではありますが、あまり深く語らないようにすれば、お客様もクアトロの父のヒントに上積みした感想を述べやすいと思う。
「たしかに濃厚で、プラムやカシスの香りも感じますね」
「柑橘系でもパイナップルのような強い酸を感じられて面白いです」
などど返されるとその後のやりとりも楽しいものです。
しかし最近は、テレビの神の雫の影響か、表現がかなりオーバーになっている。
「このワインは、気が付くと山の頂に立った私が眼下を見下ろすと・・」
「子供のころ、日だまりに草の香りが・・」
とか始まるとクアトロの父もお相手が難しくなる。
バレンタインには、クアトロ・シェフのお嫁さんに手作りの生チョコをいただいた。
「聖バレンタインに導かれ恋人たちが祝福された石畳を踏みしめていく、その先には約束された春の訪れがある、そんな味わいのチョコですね」
クアトロの父は、そのチョコの感想をこのように述べてみたかったが、
「いや、美味しいです」
しか云えなかった。

コメント
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