かってこの墓地には集落から、悲しい野辺送りの行列が何世代にも渡り続いて来たであろう・・・・。
今はそれも遠い昔、人生の終着点を受け入れ続けたこの地も、今や石造物の残骸を留めるだけの叢と化している。
田原の里から、鉢伏峠を下り山間集落を抜け、狭い山道をひたすら走り抜け、やっと目の前に現れる麓の里が鹿野園の集落。
目の前に迫っている奈良市近郊の住宅開発の波から何とか逃れるように、古い佇まいを見せる集落の北外れにこの古墓がある。
なんとも捨て難いロケーション、こんな場所を見つけるとどうしても立ち寄ってみたくなります。
墓地入り口にある祠の中には大きな地蔵さん。
舟形光背を持ち像高約150cm、細身の体躯で右手錫杖の定形地蔵・・・・すっかり角が取れて何が何やらツンツルテン
全体にノッペラボウのこの姿はどう見ても信仰のせいだけでは無さそう・・、見た感じ永らく川の流れに晒され削られたようにも・・・。
元々墓地地蔵ではなく、近くの川から引き上げて来た物かもと勝手な想像しています。
そんなこんなで、無銘のスマート地蔵さん。
奥の方で遠くを見つめるようにぽつんと立ってる阿弥陀さん。
足元には墓碑や小石仏の残骸が叢に埋もれて一寸哀しい情景です。
頭部で幅の広い舟形光背を持つ右手施無畏印、左手与願印、総高約150cmの阿弥陀立像。
天正八年(1580)の刻銘があり、戦国期安土桃山時代の像立。
傍らにも打ち捨てられたように叢に佇むこんな地蔵さん・・・・、やっぱり同じ時期に造られたものでしょうか??
こんな場所をうろついていると怪しいオッサンに見られますが・・・、写真は盗(撮)ってますけど、何も悪いことはしてませんので念のため。
撮影2012.5.5
めちゃめちゃ良い天気で日焼けしちゃいました~
青空の下の石仏さんって何時もと違ってみえますね。
写真を撮るって言う(とる)は本当好くない響きですね。
とにかく地元の人には話かけるようにして居ます。