我が山城の隠れ里、京田辺市天王に神代の時代、古代豪族「息長氏」に依って創建された延喜式内古社「朱智神社」が鎮座する。
天王は京田辺市の西端・・・地理的、民俗文化的には、北山和の生駒や北河内に近いと感じられ、山城の異郷と言えなくもない。
集落最奥民家脇より山路参道を300mばかり登ると、森閑とした中に社標石柱と一の鳥居。
社伝に依ると仁徳天皇69年に古代豪族「息長氏」に拠り西峯に創建され、宣化天皇元年(535)この地に移され、 主殿に息長氏祖神の迦邇米雷王(カニメイカヅチオウ)を、相殿に須佐之男命(牛頭天王)を祀り、早くから「牛頭天王社」とも呼ばれていた。
清和天皇の御代(858--76)に、牛頭天王を祇園の八坂郷感神院(八坂神社の前身)に遷されたことから、八坂神社の元となる神社といわれている。
慶長17(1612)年に建てられた本殿は、京都府の登録文化財になっており、建物は一間社流造、屋根は桧皮葺で、向拝の木鼻や、蟇股には、桃山様式の華麗な彫刻が多く見られる。
撮影2015.7.4