愛しきものたち

石仏、民家街並み、勧請縄、棚田景観、寺社、旧跡などが中心です。

宮城県仙台市宮城野区  岩切磨崖石仏群(東光寺石窟仏)

2012年10月14日 | 石仏:東北

仙台市街の北東、県民のの森のある高森山南斜面裾、七北田川左岸の県道35号線沿いに慈覚大師開基の古刹「東光寺」があり、墓地が広がる裏山への参道脇に磨崖石仏群が在る。

境内脇から続く墓参道を100m近くも登ると左手に岩窟が連なって見え、中央の一窟には鉄柵の扉が見える。

あ~あ、こんなところまで柵越しなのかと少々腰砕け・・・、左手には梯子をかけた小さな磨崖・・・・

鍵を下ろされて居るかと思った鉄扉は無錠で難なく窟内に入り込めた。

<向かって左から右方向を>

<向かって右から左方向を>

岩窟は軟質の砂岩だろう、高さ約2m、間口約3m、奥行約3mとかなり広く、三面に計七体の石仏が刻まれて居る。

奥壁には共に荒削りな蓮座に坐す二体の如来坐像。

石仏の肩先辺りで地層が変わっているのか??色も全く違うし風化浸食も全く違うようです。

両像共に顔は削げ落ち、その形跡だけが影のように残って居ます。

向かって右側には両手で薬壺を抱え持つ薬師如来坐像。

像高約1mばかり、体躯に白い胡粉が残る。

軟質砂岩層に厚く刻み出して居ますが、今にもボロボロ崩れだしそうです。

左手には定印を組む阿弥陀如来坐像・・・こちらはまだ顔面に口元だけが確認出来ます。 

肉付き豊かでボリュ-ウム感はあるのですが、繊細さには欠けるローカル色豊かな造りで鎌倉期の造立だとされている。

向かって右側側壁の二体、最早自然に帰ろうとしてそれらしき形跡が残るのみ。

それでも左は観音立像、右手は地蔵立像か??

左側壁の三体、右手は勢至菩薩立像、その脇二体の坐像は不明ながら供養者像ではないだろうかと思ったり・・・・。

窟脇左手には小さな擬似窟を設けて、右側窟内仏を真似たと思われる石仏が五体。

多分中央が薬師か阿弥陀、あとは観音勢至に地蔵菩薩・・・・。

最早紙に捺した影絵の判子のように薄っぺらです。

右側脇にも石窟の残骸が有り・・・

やっぱり石仏が刻まれて居た形跡が残る。

又東光寺山門前、県道脇の参道横には簡素な堂が設けられ「あかぎれ地蔵」と呼ばれる本来の岩場から切り離された磨崖石仏が収められて居る。

観音扉は固く鍵を懸けられ、上部は網入りガラスで見ることは出来ますが・・・・・、僕の判断では祀られて居るとは言難い状況でした。

前を走る県道脇斜面に何体かの磨崖が有ったようですが、道路の拡幅工事に際して切り離されここに置かれた。

欠損甚だしく、おまけに網入りのガラス越しでは何ともなりませんが円頭光を持つ立像かなと??かろうじて解る程度で地蔵とは断定できません。

とにかく砂岩質凝灰岩は弱すぎる・・・そりゃまあ、彫る時には保存の事など考えもしなかったのだろうから。

撮影2012.9.23



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。