愛しきものたち

石仏、民家街並み、勧請縄、棚田景観、寺社、旧跡などが中心です。

福島県鏡石町 仁井田双式来迎磨崖仏

2012年10月29日 | 石仏:東北

全国でもこれだけしか確認されて居ないという世にも珍しい磨崖双式来迎石仏です。

珍しいと言っても、マイナーな石仏の事、取りわけ話題にも有名にも成ってる訳では有りません。

福島県中通り地方、国道4号線や東北本線沿いの小さな町、東北道鏡石スマートICを出、県道289号線との合流地点が仁井田集落。

集落外れから200mも西に進むと阿武隈川支流の釈迦堂川を挟んで向こうは須賀川市、釈迦堂川右岸の野道を100mも進めば右手、田圃挟んだ竹藪と雑木林に何やらそれらしき看板が見える。

昼なお暗い竹やぶ混じりの林の中、もう今は使われてない小さな古い墓地が有り、この奥の露出した大きな安山岩に石仏や板碑が刻まれて居る。

先年の大震災で崩れたのか?あちこちで様を失った墓石が崩れ、未だに手付かず・・・・。

大岩には簡素な庇が懸けられ、大した変わりは無いでしょうが・・・保護してる積もりなのでしょうか??

西面する巾約6m高さ4mばかりの壁面に巾約120cm、高さ約1mの石龕状に彫り沈め、奥壁に阿弥陀来迎三尊像を、二組横並びで半肉彫りで刻み出す。

真新しい供華はちょうどお彼岸直後だったからかもです。

六体の石仏は小さく風化摩耗も激しく、もうまるでミミズのダンスかと・・・。

左右の三尊共に殆ど同じ像容を持ち中尊の像高約30cm、脇侍の観音勢至は共に約20cm強。

龕の大きさの割には少し小さ過ぎる石仏です。

しかしこれが日本でたった一基しかないという変わりもの、嘉歴四年(1329)の墨書名が確認されて鎌倉末期の造立。

因に双体であると言う理由は夫婦それぞれの供養塔だと言う事らしいのですが???

左脇の龕には全く何も見当たらなかったが、いったい何だったのだろうか??

撮影2012.9.27



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