愛しきものたち

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奈良市 正暦寺道 出垣内の「鼻切れ地蔵尊」

2014年12月21日 | 石仏:奈良

もう10年近く前、このブログを始めた頃に紹介したことの有る石仏さん。

奈良市南端域、菩提山町の山間にある、秋には“錦の里”と呼ばれる紅葉の名所「正暦寺」への参詣道途中に立っている。

正暦寺より流れ出す菩提山川に沿う正暦寺道は、谷間に拓けた棚田と共に、なんとも癒される景観の中にある。

そんな参詣道の中間辺り、小さな出垣内集落が軒を並べ、その入口辺りに簡素な覆い堂が建ち、中に石仏等が安置されて居る。

覆い堂の中央には等身大の丸彫り地蔵立像、向かって左手には六字名号板碑、右側には地蔵坐像を安置、背後ん小石仏を集めて居る。

中央に立つ地蔵石仏は総高190cm、蓮華座に建つ像高162cmの定形の丸掘り地蔵石仏。

地蔵石仏は第二室戸台風(1961)で地蔵堂と共に転倒、肩、腰の部分で折損、顔面はほとんど欠落しているが、 蓮華座は覆輪付き蓮弁を鱗葺きと細工が行き届き・・・・

円頭光も共石で削り出し、体躯や納衣の表現も丸彫りり地蔵石仏としては古様で鎌倉後期の造立。

地元ではハナキレ地蔵として信仰篤いが、ハナキレどころかまるで顔をなくしたのっぺらぼう・・・ちょっと痛々し過ぎる。

向かって右側には舟形光背を持ち磐座に半跏坐、右手錫杖左手宝珠の地蔵坐像。

光背の頭上には蓮台に載る月輪と梵字が線彫りされて居て珍しい。

向かって左手に建つ南無阿弥陀仏の名号板碑、高さ128cm、反花座の上に建ち、山形頂部の下に二伏条、下に短冊型を造り南無阿弥陀仏の六字名号

慶長12年の銘が有る。

撮影2012.7.28

グーグルビュワー、マップに連動しています



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