生駒谷の北端、茶筅の里として知られた高山町の鄙びた集落の廃寺跡に、石仏としては珍しい不空羂索観音石仏がある。
その大庵寺跡は、少し前までは児童公園にもなっていて旧街道脇の高台に在り、今やすっかり草茫々の空き地に崩れかけた本堂といくらかの石造物が残るだけ。
此処も少子高齢化の影響か?外で遊ぶ子供がいなくなったのか??
夏草の生い茂る中、地元では馬頭観音と呼ばれている様ですが・・・、実は頭上に馬頭は無く、宝冠を戴く三面八臂の不空羂索観音座像です。
僕もついぞ見かけた記憶が無い石仏は、総高90cm足らずの細い光背に、像高60cm程の厚く彫り出した体躯で大きな蓮華座に坐し、江戸時代の造立だとされています。
こうした、多面多臂形の石仏は憤怒相の場合が多いのですが・・・・、どう見てもおだやかな童顔です。
何か懐かしい景色の中で子供の頃の自分に出会えたような・・・・遠い昔に帰ったような・・・・。
傍らには一寸妙な石仏さん・・・・すっぽり石龕に納められた地蔵さん・・、いやいや良く見ると頭がとんがっていて如来型石仏のような。
朽ちかけた本堂脇、夏草に隠れるような祠には如意輪観音石仏。
如意輪観音といえば石仏界では十九夜講・・・しかしこれは大きく「一番那智山」の文字・・・これは西国33箇所観音??。
しかしいずれ、もうすっかり忘れ去られた様子でしたけど・・・・。
撮影2011.6.15
変な庚申さんの様に「ゴキブリ」に見えないし・・(笑)
全体のバランスがよく、いい石仏さんです。
遠い昔に帰った気分になれて一寸得しましたね。
明日は特に目当てもなく美杉村をふらついてきま~す。
今帰ったばかりなのでまた、後からメールでもしますが2箇所ばかり新しい石仏に出遭ってきましたよ。
一寸遅めになるかもですが一ヶ所は磨崖の地蔵さんですよ。
たいしんさんはしってるかもですけね・・・。