目的にしていた十三仏板碑が盗難に遭いレプリカに変わってしまって永らくお蔵入りさせてましたが、他の石仏さんにも見るべきものが有るのでUPしました。
伊賀市、近鉄青山町の近く、なだらかな丘陵斜面に有る真言律宗の古刹、宝厳寺には数多くの石仏が残されている。
集落を横切る道路から境内にに続く参道脇にはレプリカの銀色にペイントされた十三仏二基を含めた石造物が立ち並んでいる。
像身を殆ど削り取られた地蔵さんには、いったい何があったのだろうか??
十三仏についてはいまさらどうしようも無いが背の高い舟形光背を持つ地蔵石仏はほぼ等身大、右手錫杖、左手宝珠の定型地蔵。
室町後期の天文八年(1539)三月の銘を持つ。
傍らには自然石の背光五輪や六字名号板碑もみえる。
参道から境内に続く幾段も無い石段、脇には見え四国四十一番霊場と弘法大師霊場の石碑。
境内一角、椿の老木脇には頭上の月輪に根本種字の「ア」を刻む長谷寺型十一面観音石仏。
文亀の文字が見えて室町期のまとまりの良い石仏さんです。
傍らには、いかにも優しい顔つきの地蔵さん、これも難なくまとめた同時期の石仏さん。
少し離れた一角にもこんな地蔵さん・・・、やっぱり室町期様式です。
この寺は鎌倉時代末には地蔵堂として存在していたようで境内のあちこちにこうした地蔵石仏が多く見受けられる。
それにしてもあのレプリカの本物を見てみたかったのになあ・・・
撮影2007.2.11