もう何度となく訪れその古い町並みを散策、落ち着いた佇まいの素晴らしさに時を忘れてしまいます。
奈良県五條市は奈良県南西部、和歌山県橋本市戸県境を接する金剛山系を北側に背負い、直ぐ下流では「紀の川」と名を変える吉野川が目の前を悠然と流れて居ます。
大和国と紀伊国を結ぶ交通の紀州街道要衝として重要視され、また吉野山地への入口、物資の集散地、宿場町、在郷町として栄えた。
奈良市街から国道24号線経由で一路南へ約40km、1時間余りで五條市中心、24号線本陣交差点につく、ここで左折、紀伊半島を縦断する国道168号の最初の交差点が新町口・・・、もうこの辺りにそれらしき街並みや建物が見える。
168号線、通りに面して門戸を開く本瓦葺きの栗山家住宅、内部は未公開ながらその重厚な構えには驚かされる。
漆喰で塗り固められた大きく頑丈な『煙出し』が本瓦葺き屋根と素晴らしいコントラストを見せて居る。
江戸時代初期、慶長十二(1607)年築、建築年代の判る民家では日本最古だそうで国指定の重要文化財です。
こちら新町口辺りから西向きに撮影、左手の民家も栗山家、先の栗山家とは親戚同族なのでしょう・・・、勿論こちらも内部は非公開です。
ここからもう異次元の様な町並が続いています。
細い路地に入り込むと清酒工場「山本本家」の酒蔵が建ち並び・・・
酒蔵と酒蔵の間を歩けばこんな珍しい景観に出遭った。
吉野川からの風情ある水路脇を辿れば・・・・・・五條の町並みでは必ず目にする景色。
端のたもとの「一ツ橋餅商」の看板・・・・向こうに続く家並もいい味を出しています。
一ツ橋を渡り切り、東向きに撮影した町並・・・
同じ位置から振り返って見れば・・・・・白壁虫籠窓の古い町並が整然と続いて居ます。
やっぱりカラコロ下駄の音と和服が似合いそうな通りです。
町並伝承館前から東向きに撮影・・・・このあたりの建物は新しく補修されたのか白壁が眩しいほどです。
振り返って西方向・・・、これから先は新しい家も混じって居ます。
この先西に進むとギョッとするようなこんなものが目に飛び込んで来ます。
明治時代に計画、昭和12年から着工され、紀伊半島を縦断する予定だった「五新鉄道」の跡・・・・・・ついぞこの上にレールの敷かれる事なく頓挫 、強者共が夢の跡のコンクリートの塊はこの新町通を越したところで途切れている。
この鉄道が頓挫したお陰で古い町並が再開発されることなく残ったのかも知れない。
撮影2009.11.28/2006.5.3