愛しきものたち

石仏、民家街並み、勧請縄、棚田景観、寺社、旧跡などが中心です。

秋田県美郷町本堂城回 館間の鍾馗さま/八ツ目川の鍾馗さま

2012年10月31日 | 勧請縄:山の神:野神:人形道祖神

東北へ行き、どうしても見てみたかったものに、この人形道祖神があります。

日本は遠い昔から瑞穂の国、稲作で永らく生きながらえ、独特な稲作文化を形成してきた。

ここ東北、それもこの秋田県に集中して見られる人形道祖神と呼ばれる大きな藁人形は様々な民俗信仰と混合し、「鹿島様」「鍾馗様」などと呼ばれ、「五穀豊穣」「子孫繁栄」「道切り」「道祖神」等々、様々な願いをもって集落ごとに作られ、奉り置かれて居ます。

まずは手始め、秋田県内で数多く見た中でも、周りの景観とも良く溶け合い一番さまに成ってる藁人形の鍾馗さま。

長野県の「芦ノ尻道祖神」を見た時と同じような衝撃でした・・・・。

関西人には馴染みの薄い秋田県中部盆地の美郷町は大曲市街より約10km程東に在る田園地域。

中世にはこの地域を支配した本堂氏の居城、「本堂城」の城下町が有り、今は国の史跡となってだだっ広い野原となった片隅にある「山の神」や「稲荷神社」の祠を従えるようにケヤキの巨木の根元に陣取って居る。

ここは集落の最も大切な場所なのだろうか??村を見渡すかの様に立ち尽くす大きな藁の鍾馗さま。

像高約3m、頭には二本の角、顔には木製面を付け杉の葉で髭もじゃ・・・体躯は藁、筵、俵の蓋、と全て稲藁で造り出し、腰には厄を切り捨てるのか?刀を指している。

どう見ても胴長短足、腰には護符、その横の大きな丸いものは臍だと思うのだけど??やっぱり杉の葉をあしらっている。

厳つくて少しユーモラスに見える鐘馗様は誰が考え出したのか??やっぱり村の守り神として立派に君臨、大切にされているようです。

歴史的にはそう古いものでは無さそうですが、庶民の願いが全て詰まっていそうな気がします。

すぐ近く八ツ目川集落外れには、こんな鍾馗さま。

やっぱり同じ像容ですが・・・、こちらは顔のお面が真っ赤け。

顔面に蔦が絡まって・・・・、もうだいぶお疲れのご様子。

多分この辺り

撮影2012.9.19