愛しきものたち

石仏、民家街並み、勧請縄、棚田景観、寺社、旧跡などが中心です。

山形県鶴岡市湯田川 長福寺大日如来石仏/他

2012年10月08日 | 石仏:東北

思いもしなかった所でたまたま出逢った石仏さん。

鶴岡市の郊外、湯田川温泉は山田洋次監督の映画「たそがれ清兵衛」のロケ地でも有り、柳田国男、種田山頭火、斎藤茂吉などの文人墨客が数多く訪れた鄙びた保養温泉地。

その地、由豆佐売神社(ゆずさめじんじゃ)にある「湯田川の乳イチョウ」を見に行き、隣に建つ長福寺で見つけた大日如来石仏と阿弥陀如来笠塔婆です。

真言宗豊山派、大日山長福寺と呼ばれ、縁起によれば大同2年(807)開基、往時は七坊を抱える名古刹であり、滝蔵権現と称した由豆佐売神社の別当寺として力を持っていたと言う。

本堂の右手に蔵造りのお堂が有り、この木彫仏でもあるかの様な智挙印を結んだ金剛界大日如来坐像が祀られて居ます。

お堂正面は鍵を下ろされた格子戸、いつもの様に格子戸越しの撮影で思いのままには撮れません。

ワンポイントからの撮影で不満は残りますが軟質な凝灰岩のためかまるで鉈彫り木彫仏の様な感じさえ受けます。

総高約1m強、多重蓮弁に結跏趺坐、舟形光背を背負い像高約70cm、力強く近畿の中央仏教色も感じられる像容です。

軟質凝灰岩にしてはことのほか保存状態も良く・・・、こんなところでこんな石仏に出逢うとは。

お堂脇の境内には、殆ど原型を留めない程に融け崩れた笠塔婆。

連弁に載る阿弥陀如来も何が何やら・・・・しかし関西では見かけない笠の形です。

門前の地蔵館にはやっぱり雪国らしい着膨れの地蔵さん。

これじゃとても手出しはできません・・・・・、もちろん信仰のための石仏ですもんね。

撮影2012.9.17