愛しきものたち

石仏、民家街並み、勧請縄、棚田景観、寺社、旧跡などが中心です。

福島県天栄村 羽黒山磨崖十三仏

2012年10月22日 | 石仏:東北

ところ変われば品変わる・・・・・・。

ここ東北福島では、生駒山系の大和や河内に多い十三仏の石仏も、見慣れた板碑型のものとは違って一列横隊で、磨崖に成って居た。

前回紹介の上新庄から国道294号線で道なりに北進する事ほんの5~6分、天栄村大里小学校南側、羽黒山西斜面の墓地につく。

墓地を登った斜面の奥突きに凝灰岩の大きな岩が突き出し、その中程に高さ60cm程の横長の龕を造り、中に蓮座に立つ十三仏を一列横隊で並べて居る。

向かって右手、龕外には二基の磨崖五輪塔、龕下には細い帯状に表面を整え、多くの供養者名を刻み付けて居る。

向かって右端の一体、初七日の不動明王だけは少し大きく蓮座には載っていません。

わずか50cmにも満たない様な肖像ですが、厚肉で刻み出し、なかなか迫力のある特徴的な像容です。

江戸時代前期、元禄十一年(1698)七月の銘が有り、他では見かけたことの無い磨崖です。

凝灰岩ながらそれほど風化が進んでないのは造立時期が江戸期と新しく、庇をを掛ける深い溝が有る様に永らく雨露から逃れていたのだろう・・・。

なかなか味わい深い磨崖仏です。

撮影2012.9.25