愛しきものたち

石仏、民家街並み、勧請縄、棚田景観、寺社、旧跡などが中心です。

上越市三和区水吉 堂百石造仏頭

2012年10月03日 | 石仏:その他

「生け込み石仏」群のある妙高関山神社から北東方面に約30km、上越の海岸線から伸びた平野部がちょうど山裾にぶち当たる三和地区水吉にある石造仏頭です。 

<付近の景観>

水吉集落の南外れ、東部山裾に堂百地蔵宮と呼ぶ簡素な堂が有り、地元では「首切地蔵」と呼ばれる3体の?石造仏頭が祀られている。

お堂は最近改修されたらしく真新しい外観で正面はガラス張りの格子戸にしっかり鍵をかけら何とも撮影しづらい状況でした。

往古この地は東大寺荘園地でも有り近くには古墳群もある古い土地、またこの堂百という地名にも古いこの地の歴史が偲ばれる。

仏頭だけが3体も並ぶちょっと異常な堂内ですが・・・・・・。

ガラス越しに撮影した中央の仏頭は丸彫りで高さ73cm、頂部螺髪部が半欠損、鼻先も欠けているものの気魄に満ちた若々しい顔容。

73cmと言う数字だけでは小さそうですがそれが頭部だけなので結構立派で大きいものです。

頚部にはほぞ穴が穿たれ諏訪「万治の石仏」を思い起こしたりする。

如来形には違いないのですが体躯は無く、良くは解りませんが掲示板には阿弥陀如来、鎌倉期の造立とあります。

向かって左手には頭部宝冠に阿弥陀の化仏を戴いた高さ71cmの 観音菩薩頭部。

石材は近くから採出される大光寺石と言われる軟質の凝灰岩で、これら二体は近くの新田開拓の折掘り出されたと言う。

いずれにしても体躯は失われている。

右手にはまるでタコ坊主の様な地蔵の頭部、殆ど石塊になってしまって、額に開けられた白毫穴だけが目立ちます。

高さ55cm、この地蔵頭部は水吉地蔵屋敷から移されたものだそうですが・・・・それがどこに在るのやら??

何れにしても現在では頭部だけですが木彫仏の寄木工法と同様に造られていたものだと考えられている。

三体共に鎌倉期の造立、新潟県の文化財に指定されている。

撮影2012.9.13