愛しきものたち

石仏、民家街並み、勧請縄、棚田景観、寺社、旧跡などが中心です。

福島県須賀川市 和田の大仏(おおぼとけ)

2012年10月17日 | 石仏:東北

地元では「おおぼとけさん」と呼び親しまれている大きな磨崖石仏です。

ほぼ近くだと思われる集落外れでそれと訊ねると「和田のおおぼとけ」さんならと、いとも親しげに教えていただき、今でも信仰篤いことを窺い知ることが出来た。

磨崖石仏はこの付近一帯に見られる横穴古墳の石窟を利用し、その崖面に彫り刻まれた石仏です。

阿武隈川西岸、国道118号線が阿武隈川を跨ぐ「大仏大橋」のすぐ下にありますが国道は高架橋に成っていて直接ここへ来ることはできません。

集落外れから山裾の農道を来ると高架橋を目の前にして右手斜面に山門代りの大杉が二本、その真ん中を石段参道が奥の磨崖へと誘う。

石仏は横穴古墳を何個か利用したのだろうか?横穴の上に更に大きく龕状窟を設け中央に 像高2.7mの厚肉彫り大仏を刻み出している。

言い伝えに拠ると、石仏は大同三年(808)、弘法大師が諸国行脚のとき、この崖面に三鈷で刻みつけたとされるが、鎌倉時代中期以降の造立とされ当てはまらない。

石仏の上部岩面には庇をつけたと思われる掘り込があるが、剥落欠損がひどい。

 

特に胸部から膝頭にかけて大きく欠落欠損、これは大仏の胸部を削り煮立てて飲めば母乳の出が良くなる、と言う俗信に拠るらしく、膝頭もその足場として使われ摩損したようです。

その部分にまだ苔色の変色がないのは、つい最近までそれが続いていたと言う事なのかも・・・・。

顔面も甚だしく剥離が進み如来形だと言うことは分かっても大日、阿弥陀の二説を判別出来ない。

大仏の向かって右手には窟があり、定印の阿弥陀如来坐像とキリークが刻まれている。

向かって左手にも何か彫り込みは有るのですが最早壁面を残すのみ。

向かって左下、屋根状の彫り込みを持つ横穴石窟には・・・・

三面に二体ずつの・・・・多分阿弥陀如来と思われる

石仏が刻まれているが・・・ほとんど何様なのか判別もつかない程です。

も少し左手にも、こんな三尊の刻まれた窟があります。

東北はどこに行っても凝灰岩・・・・、こちらにはこれしか無いのか??はたまた、わざと石仏にはこれと選んだのだろうか??

撮影2012.9.25