京都国立博物館西庭に展示保管されている安楽寿院の石塔基壇四方石仏の阿弥陀三尊像を撮影してきたので再UPします。
地中から堀起こされたというこの石塔基壇石仏は三面、そのうちでもっとも保存状態の良いこの阿弥陀三尊像、もろい凝灰岩ゆえかやっぱり傷みが激しく尊顔もままならないですがやっぱり古式が良く残った素晴らしい石仏です。
中尊は結跏趺坐して定印を組む阿弥陀如来、両脇時菩薩は胸の前で合掌印を組む・・・・、確かにこの三尊の保存状態が一番良い。
三体共に厚く彫り出し程良い量感があり、裳には僅かばかりの朱の色が残っている。
これほどまでの基壇石仏をもつ石塔はどんなものだったのだろうか・・、在りし日の雄姿を想像するに難くない。
それにしても残りの弥勒三尊は何処へ行ったのやら・・・・上記3点の写真は2009.11.2撮影。
京都市伏見区にある安楽 寿院は名神高速道京都南インターのすぐ南側、今ではすっかり新興住宅地に囲まれた一角。
安楽 寿院の南側には近衛天皇の安楽 寿院南稜があって多宝塔が立っていて美しい姿を残している。
このあたりは鳥羽天皇、白河天皇の稜もあるところで、往古鳥羽離宮の在ったところだが今はこの安楽寿院あたりにその面影を留めるに過ぎない。
石造三如来像は本堂西側の仮堂内に三尊石仏二基が安置されている。
これらの石仏は江戸時代に近くの旧成菩提院跡から出土発掘されたといわれ、三基出土したうちの二基で、一番状態の良い阿弥陀三尊石仏は京都国立博物館に寄託保管されている。
釈迦三尊
この石仏は凝灰岩で高さ約1m、幅1.1m、、厚さ40cmばかりで、平安期の特徴がよく現れています。
向かって右側には釈迦三尊、左側は薬師三尊といわれています。
薬師三尊
どういう理由で土中にうずもれていたのかは定かではないが、顕教四仏をあらわした石塔の四方仏であったと考えられています。
摩滅、欠損ともに大きく無惨な姿にもかかわらずわずかに残った、古式な表現に藤原文化のにおいが感じられる。
国立博物館に保管されている阿弥陀三尊石仏もぜひ見てみたい。
撮影2006.9.15