これは、ユニークな、現在アートと言われても通用しそうな石仏さん。
地中から頭を覗かせたような大きな石の二つの側面におどけた顔のお地蔵さんが十三体ならんでいる。
彫りが稚拙でいかにも素人彫りのような素朴さがなんともユニークでほほえましい。
江戸時代後期のものらしく時代的な価値は薄いそうだがなんとも心魅かれる石仏ではある。
この地蔵さんの奥には巨岩の前に数体の小石仏が並び、その前に「福林寺跡」と刻まれた石柱が立っている。
この大きな磐にも稚拙な石仏が何体こ彫られている。
この樹林のそこかしこに、地中から頭を除かせた板碑や小石仏が確認できる。
また、表示板のあるところから右手に少しあるくと、小さな谷川の向こう側にも大きな四角形をした岩が在って、この岩の側面にも
モチーフ化されたような石仏が短冊形の枠を窪めたなかに刻まれていて、これも又趣があって面白い。
ここの稚拙な磨崖石仏群は、その造形のユニークさと素朴さがとても親しみやすく、野趣豊かで魅力深い。
撮影 2006.4.16