愛しきものたち

石仏、民家街並み、勧請縄、棚田景観、寺社、旧跡などが中心です。

龍穴神社の神木

2006年05月03日 | 勧請縄:山の神:野神:人形道祖神
龍穴神社には神木に値する杉の巨木が何本もあって、その境内は厳かでいかにも神々しい。

 しかし、神木といわれるこの杉の木は神社の鳥居の前を通る県道を跨いで室生川に向かって約100m程行ったところ。




現在廃工場となっている建物裏にあって神社の掲示板等にもまったく書かれていない。

 多分県道があのような場所を通るまではこの神木のある辺りが参道になっていたような形跡が伺える。



 今では廃工場である敷地内を両側にカイヅカイブキ垣根の参道がまっすぐ神社正面の鳥居まで伸びている。

 室生寺の金堂の向かって左手に拝殿があってその奥に小さな祠が鎮座している。

 毎年10月10日に村人で龍の形をした勧請縄が造られ、例祭の10月15日にはこの拝殿横の大杉にその勧請縄が掛けられ7回半龍穴の神にお渡りを請い、その後この縄は、龍穴神社の神木まで運ばれる。




龍は雲を呼び雨を呼ぶ、龍穴は♀そのもののシンボルだと言われており、 この勧請縄に見られる形は、奈良の円成寺の勧請縄にそっくりで、丸い藁の環の中を龍に見立てた♂のシンボルが貫いている。

 生命の再生産と、水の再生産を同一に再重要だと考えていた慣わしなのだろうと思うと、せつなくもあり、ほほえましくも有る。

龍についての民俗学的な考察は・・・




撮影 2006・4・1