Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

時代の雰囲気の呼び起こし

2014-02-05 | マスメディア批評
先週の新聞の科学面にネーチャー一月号の論文が扱われていた。とても興味あるハーバード大学での研究内容であったので、調べ物とした。もう少し現場の情報などを集めてみたいと思った。

キリスト教民主同盟と緑の党の連立政権のヘッセン州エネルギー相が、経済の発展を阻害しないと言及している。当然のことだろう。そうでなければ政権与党にはなれない。それを現実的政治レアロと呼ぶが、連邦政府のメルケル政権の遣り口はかなりプロテスタント系の社会主義に近くなってきているので、労働組合の圧力団体でしかなくなってきた社会民主党の方が特殊な政治結社になってきている。

手元に日本へ注文した書籍が到着した。先ずは孫崎著「戦後史の正体」に目を通してみよう。選挙中の都知事選では、宇都宮候補樹立の節は挨拶をしていた著者であるが、対米関係という大枠から考えれば、明らかに細川候補の方が意味を持つ筈であるがどうであろう。著者がそこで強調していた「なによりも脱原発」という挨拶がとても気になっていて、その真意を考えていたからである。

摘み読みすると、関心を引く個所が出てきた。「細川政権のもとで日本は日米同盟の重要性を軽減する」の見出しの箇所で、その「多面的安全保障」は、米国の警戒を招き細川政権つぶしに発展するのだが、なぜか小池百合子議員がBLOGに書いている人事への米国の介入を総理の回想録「内訟録」では一切触れていないというのである。これは有権者にとっても興味津々であろう。

一方知事選を応援している小泉の方は、「北朝鮮政策をめぐって、ブッシュ大統領からおどかされた」ゆえに強い対米追随路線を歩んだとされていて、その郵政民有化とともにグローバリズムの政策が非難されている。小泉時代はこちらにもネットを通じてそれ以前とは比較できない情報が入ってきているが、著者孫崎氏の指すここ二十年ほどの日米関係の冷戦後の動きはこれを見て初めて知ることとなる。

なるほど、細川の名前が中共のネットにおいても頻繁に出てくる状況はこれでも納得でき、小泉内閣が起こした内外の問題もその枠組みの中で読み取れるようになっている。高校生にでも読めるようにという著述であるが、昭和の宰相のそれらの動きなどをはっきりした単純な座標軸で示していることでとても分かり易い。しかし実際には、その当時の朝日新聞を代表とする日本社会の世論作りとその雰囲気を重ねて呼び起こさせる書き方となっていて、明らかにオジサン向きの読み物である。

繰り返すが冷戦後の二十世紀の終わりまでの所謂失われた時代の日本には1993年11月の三週間しか滞在していないので、当時の細川首相がそのショールか何かで和歌山かどこかの町の喫茶店のおばさんに人気があったことを、そこで食した喫茶店ナポリタンと共に思い出すだけである。寧ろ、進駐軍当時の話は、昔話としてその当時の雰囲気と共に色々と耳にしていることなので、それほど目新しい視点は無さそうだ。



参照:
原発なんてどうでもよい? 2014-01-23 | 文学・思想
細川候の持続的環境意識 2014-02-01 | 文化一般

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