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パン屋√s(ルーツ)。

一人で営んでる「パン屋√s(ルーツ)」の日々。

パン焼いたり、つぶやいたり、パン焼いたり。

新しい仲間です。ホロ苦さが大事な「伊予柑の手仕事」販売開始です。

2010-02-13 | パンのこと。
前回の記事で無農薬伊予柑について触れた。
伊予柑で酵母を起こし、伊予柑を自家製伊予柑ピールにしてみる。

このあとが苦戦した。
ライ麦と伊予柑ピールのホロ苦さが合うはず・・とライ麦配合率を高めにしたところ、
若干、伊予柑ピールの香りが弱まり撃沈。
大好きな白いちじくと合わせたいと思いつつ、白いちじくの香りや種のプチプチ感が
これまた伊予柑ピールより存在感があり、ボツ。

伊予柑ピールの肉厚感を出したい・・・と大きめの伊予柑ピールを入れてみるが
パン生地とうまく馴染まず、「伊予柑ピールだけ」を食べているような感覚を
受ける。

・・とまあ、いろいろとありましたが、やっと販売開始です。
ライ麦は入れてあります、配合率を抑えて。
控えめに配合したライ麦の香りと伊予柑の香り、合ってます。(と思ってマス)


ところどころに見える胡桃のコリっとした食感と、爽やかな甘みのレーズンとも
なかなかのチームワーク。

伊予柑ピールはあまり甘くなく、「ホロ苦い」のが大事だと思い、全体に
そのホロ苦さと香りが全体に行き渡るようにしてみました。

ということで僅かな期間ではありますが「伊予柑の手仕事」をよろしくお願いします。

原材料はこちらに表記していますのでご確認ください。

伊予柑たち、なかなかイイ仕事していると思います。
皆様のご来店、ご利用を伊予柑とともにお待ちしています。
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見た目と裏腹な無農薬伊予柑。

2010-01-28 | パンのこと。
待っていた無農薬栽培の伊予柑が届く。
愛媛県の無茶々園から。
以前はココの甘夏を使ってみたのだが、絶品だった。
伊予柑の季節になったらぜひ伊予柑を使ってみたかったのだ。



↑見た目、無骨。
農薬もワックスもないので、肌もツルリン、ピカピカ・・・という伊予柑ではない。
でも、このたくましさ、伝わります??
で、すっごい香りが華やか。
こんなに無骨なのに、その香りとあまりにジューシーな果肉とに驚く。
なんて裏腹な・・。
伊予柑農家さんにすっごい可愛がられたんだなあ、としみじみ感じる。

無農薬なので、多分酵母は起きるに違いない・・・と早速、酵母を
仕込んでみる。

で、本当の狙いは「皮」。
皮で自家製伊予柑ピールを作り、パンに使いたい。
ピールは皮を使うので皮が口に入ることになる。だから、無農薬栽培の伊予柑が
欲しかった。

↓で、伊予柑ピールも試作。


伊予柑の皮をアク抜きし、てんさい糖でコトコト煮る。
色が茶色いのは白砂糖ではなく、てんさい糖を使うから。
てんさい糖は甘みがまろやかなので、白砂糖よりもてんさい糖が好きだ。
(ちなみに白砂糖よりも血糖値も急激には上がりにくいらしい)
あとは塩をちょっと加えて。

できた伊予柑ピールは肉厚で、「伊予柑の皮」だからこそ出る存在感が
あった。これはきっと八朔やみかんの皮では出ないのだろうなあ。

粉もいろいろ試してみます。
全粒粉やライ麦も使いたい。伊予柑ピールの華やかな香りがうまく出ればいいなあ。

無農薬の伊予柑は季節モノ。
季節限定ですが、新しい仲間を近日中に紹介できればと思います。
どうぞよろしくお願いします。




コメント (20)
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ライ麦は懐かしい味がする。

2010-01-23 | パンのこと。
カンパーニュのことを少し書いてみたい。
カンパーニュも食パンと同様、粉・自家製酵母・塩・水だけで作る。
でも、粉は3種類入れている。
岩手県産南部小麦、岩手県産南部小麦全粒粉、北海道産ライ麦の3種類。

この種類の粉を入れることで、食パンとは全然違う風味ができあがる。

しみじみと感じるのはライ麦のおいしさである。
なんというか、小麦だけのパンとは違う、「滋味」がある。
で、どうしてかわからないけど、懐かしい味なのだ。

ライ麦というものをこれまで口にしたことはほとんどなく、自分がパンを作るように
なってから口にするようになった。

要するにライ麦に馴染みはないほうだと思う。

それなのにライ麦の香りはどこか懐かしく、心にずっしりくるような
味なのだ。。
コメ食で育った私にライ麦を好むDNAがあるのかどうかはわからないが、
このライ麦の懐かしく、心に響くような味わいがとても好きだ。




↑こんなふうに勢いよく開くクープを見るのが嬉しい。
√sのカンパーニュはどっしりともっちりと水分も多く、噛むたびにライ麦の香りが
感じられるのが特徴です。

クセのあるチーズでもいいし、きんぴらごぼうなどの和の総菜をのせても合います。
「自分流」に楽しんでくださいね。
もちろん、何も載せずにそのまま、よ~く噛むのもオススメですよ。
コメント (14)
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失敗と成功の差。

2010-01-17 | パンのこと。
個人的に一番焼くのが好きなのは食パンである。
粉・酵母・塩・水。これだけ。
√sの食パンは、通常の食パンのようなバターも牛乳も砂糖も入らない。
とてもシンプル。
だからこそ、小麦や酵母の香りや味がよくわかる。

シンプルだからこそ、計量・捏ね・発酵・成形・焼成のすべての工程がダイレクトに成果物として反映される。

だからこそ、食パンは毎回一番緊張する。
ドライフルーツの糖分もないので、発酵にも時間が一番かかる。
(糖分は発酵の元となる酵母菌のエサであり、発酵促進の要素)

手間がかかるからこそ、その出来を見るのが楽しいのだ。

で、ここのところ、その食パンを失敗している。
途中まではいいように思うのだが、いざ焼いてみると膨らまない。上に伸びない。

ここ数日、とても寒い。
気温も低く、発酵が足りないかと思い、発酵時間を長くとってみたところ、過発酵のようになり、見極めに自信をなくす。

翌日は過発酵に注意し、発酵を早めに切り上げたものの、分割・成形の段階で少し生地が締まりすぎるのを感じる。
最終発酵ではそれなりに膨らんだが、窯に入れる直前でダレ気味になる。不安に思いながらも
窯に入れてみるが、不安は的中し、膨らまない。




↑で、こんな焼き上がり。膨らまない。
水分は多い食パンなので柔らかくはあり、(といっても●ザキパンのような柔らかさで
はない)食べれるが、商品として話にならない。

私の食パンは水分がかなり多いので、扱いはベタベタして結構大変。
でも発酵するとイイ感じに生地が締まって、それなりに扱えるようになる。
発酵前には手にベタベタついていた生地が、柔らかいながらも発酵後はなんとか
丸めれるようになる。
そこの目安を大事にしてみる。



↑で、やっと戻ってきた、食パンの表情(カオ)が。
ほ~っと安堵。

特に通販のお客様、食パンの件、大変ご迷惑をおかけしました。
まだまだ未熟者で本当に申し訳ありません。

こういう失敗と成功の差はたぶん、紙一重で、ちょっとした迷いとか、焦りとか、
そういうことなのだと改めて痛感する。

パンに教えられる日々だなあとしみじみ思ったりする。

自家製酵母は自然のものなので、気温や湿度などは左右される大きな要因。
なので、いつも同じ発酵状態でない。
アタマでわかっていても、今回のようなことがあると『アタマでしかわかっていない』
ということを実感した。
もっと酵母の声を聞かねば…。

頑張りマス。
コメント (24)
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