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日々 是 変化ナリ ~ DAYS OF STRUGGLE ~
このプラットフォーム上で思いついた企画を実行、仮説・検証を行う場。基本ロジック=整理・ソートすることで面白さが増大・拡大
 



 

 

著者の、池上 彰 関連本は年間を通し、大量に出版されている。

 

が、この本での「池上 彰」は一味違う。

通常は、日本・世界の歴史・経済の問題をわかりやすい表現で解説するスタイルの本が多い。

 

ところがこの本では、どうやってその「わかりやすい解説」に至ったかを解く。

「週刊こどもニュース」キャスターへの異動がその大きなきっかけだったのは周知のところ。

だがその異動だけでなく、NHK入局以来の異動が彼に大きな影響を与えた。

支局配属 → サツ回り(文章の独学)→ 通信部 → 警視庁担当 →社会部 気象担当 →アナ…

“左遷”ともとれるような異動が、“越境” という超ポジティブなコトバで表現される。

 

自分の意思に関係なく、仕事の担当部署が変わる。

でも、そこで腐ることなく一生懸命勉強すると、いずれ成果が花咲く。

(中略)

“越境”の繰り返し、のおかげです。

 

 

その境地を本を通し、また面白い知見が「言語化」される。

思考のための ヒント集 的な趣き!

 

・ゆるやかな帰収法(第4章)

(意味は、この本をお読みいただければ…)

 

・まず本を読むこと → セレンディピティ

 

・人に説明しているうちに、パッと別の関連性を思いつく

 脳が活性化されて、あちらこちらに触手が伸びて、関連しているものを探している?

 

・アウトプットを意識する

 

・原点から考える

 

・守られているものは弱い

 

・「そんな馬鹿な」質問をする=「週刊こどもニュース」キャスターの効能!

 

・人をだしに使う 質問法、がある(笑) 高等戦術!

 

・「置き換え」の技 を使う

 

 

 

最後に、終章で披露される、4つの“越境”の醍醐味 で締めたいと思う。

1. 知らないということを 知る。「無知の知」(子供の視点)

2. 知らないことを知って、停滞を破る(未知の土地や人に越境する)

3. 離れているものどうしに共通点を見出す

4. 知らないことを知ることで多数の視点を持つ。自分を相対化する

 

結論:通常の池上本とは一線を画する路線の、仕事・生き方の視点・醍醐味を表現する一冊。



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ここ数年、ソーシャルメディア上で発信されるデータ量が飛躍的に拡張、たった1日で2002年間総量に匹敵するという(汗)

 

となると、このビッグデータを元に、ソーシャルメディアトラッキングが可能に。

Googleの前データサイエンティストは言う。

検索の言葉や順序が「人の心のうちを語っている」と...

 

 

 

このようなデータ起点の政治選挙活動の走りはオバマ元大統領のチームだそう。

クッキーを使いアクセス者の特徴を分析し、その個人に紐付いたアプローチを行っていた。 

 

そして数年後、最新のトランプの選挙戦では、更に進化した手法が使用されていた。

英 ケンブリッジ・アナリティカ社 の開発した手法は、ヒトを5つのパターンで分析。

行動学的マイクロターゲッティング戦略を用い、マイクロターゲット広告を配信。

悪くいうと、個別化されたプロパガンダ(!!!)

 

だけでなく、フェイスブック上では「ダークポスト」という発進元を追求しにくい方式でアプローチ。

 

 

そしてトランプ当選直後にトランプ・タワーを訪問したのは何と、英eu離脱派。

イギリスEU離脱の国民投票にも、我々が無意識のうちに提供する大量のデータがや世論形成に利用された...

 

ブルッキングス研究所が調査したアメリカの結果からいくつか抜粋。

・ニュースはデジタル化している

・ネットニュースは事実を検証しない場合が多くニュースの質が危険にさらされる

・ソーシャルメディアはニュース(と嘘ニュース)をすぐ拡散する

・若者層にはニュースはコメディ番組で伝えられている(!!!←実にアメリカっぽい 笑)

 

アプリの一種「ボット」がさらにそのl傾向を劇的にアップする(一種のAIか?)

 

 

 

そして第4章に入ると、サブタイトルは「ロシアよりボットをこめて(汗)

IOTの伸長により過激化するハッキングし、原発さえ?もがその餌食に?!

ウクライナでのサイバー攻撃で厳冬の中、電力が奪われる地域が発生。

嘘が巧妙に含まれたプロパガンダが大量に配信、個人の不安に直接訴える(汗)

これはもうデジタルサイバー戦争、ではないか?!?

 

フランスのマクロンでさえ、ロシアのサイバー攻撃を警戒していたという。

幸いフランスのメディアは未だ強いこと、フランス人は米ほどSNSに信頼を寄せていなかったことで影響は危惧するほどではなかったそう(笑)

日本は、どうなんだろう?!?

 

 

という具合で、予想外に芯を食って持ってかれた。

つい最近の偽アカウント削除で7億フォロワーが消え「いいね!」経済も揺らぎ、ネット情報汚染問題が表面化しつつある今日この頃。

今年のベスト10入りもありや?!(笑)


追記:8/18日本経済新聞のトップ記事は何と...

         ロシアの手法を模倣し、中国がカンボジア選挙にサイバー介入とな!

         この分野、目が離せない(汗)



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「レクサスとオリーブの木」「フラット化する世界」などの、トーマス・フリードマン の最新作。

(上)(下)の2冊で、合計1000ページ近い旅!

 

だが元々コラムニストだけあって、比較的 するする 読める(ホッ、と)

 

 

 

1.熟考 で、本のタイトルの意味は早々に明かされ、次に。

 

2.加速 

に入ると、時代の節目のキーボードとして「2007年」が。

確かにi phoneが誕生した、のは、その年。

 

 

だけでなく、

・クラウド・コンピューティングの成長を可能にせる重要なテクノロジーが誕生

・Hadoop。ビッグデータ系

・GitHub。オープンソースのプラットフォーム

 などによって、ソフトウエアが「世界を食べる」能力が大幅に拡大。

 

さらに

・ビットコイン

・アマゾンがキンドル発売

・Airbnb

・IBMワトソン

・インテルがチップに初めて非シリコン素材を採用

 

 

そして早くもこの本のピークは 60 ~ 64ページにやってくる。

本の最大のエッセンスを早くも披露(汗)

 

そして次は、ムーアの法則 の誕生経緯、そして今に至るまで。

今や、チェス盤の倍々ゲームが後半に差し掛かっていることを指摘。 

面白い!

 

ところが…

3.イノベーティング から急速に失速を始める。

(上)の最後から(下)に入る大事なところで…

 

そして(下)に突入するも...

著者の故郷 ミネソタ へ文章が展開するころから、ある意味コラムニストの書いた本だと自覚(汗)

そして、その印象は最後まで変わらなかった…

 

 

結論:(上)だけなら、今年のベストの一つだったかも… だが…



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2冊目のEV系本の読破。

今回は新書、なので、タイトル通り絞り込んだ内容 = EV、自動運転

 

とはいえ、こちらはこちらで侮れない内容。

 

 

まず冒頭プロローグは、今年 1/8 の TOYOTA の EV 「e - Pallete Concept」の発表会。

「モノ = 愛車」を売る会社 →「サービス = MaaS mobile as a service」を売る会社への決意表明!

 

 

そして 第1章 クルマがこのままでは立ち行かない理由 

アマゾン vs トイザらス から、消費者の「実用的価値→「情緒的価値」への移行を解く。

そしてこの移行についていけてない、クルマの危機と改革の必要を訴える。

キーワードは「いつでも」「どこでも」「誰でも」「直ぐに」「簡単に」etc...

わかりやすく、かつ説得力があった(汗)

 

続き、

第2章 すべてのクルマはEVになるのか = 「電動化」

第3章 ドライバーのいらないクルマはいかにして可能になったか = 「自動化」「コネクテッド化」

当ブログ的には、自動運転まわりの最新状況が詳しく解説されていることを評価したい。

 

で最終章、

第4章 自動車産業の未来;エピローグ―サービス化はもう始まっている

ここで冒頭のTOYOTA の EV 「e  Pallete Concept」に戻る。

そして、東京オリンピック がこのコンセプトの世界へのお披露目になることを解説している。

お台場地区? 選手村近辺? で自在に動き回るこの無人車たちが絶好のプレゼンテーションとなるのだろうか?!

 

オリンピックや万博は常にこうした先進をアピールする機会として有効だった。

2年後の東京2020、それを実感したいものだ!!


結論:やはり東京2020でのTOYOTA の「電動化」「自動化」「コネクテッド化」デモンストレーション「e - Pallete Concept」は重要!

 

次の本はコレだ!(笑):EVウォーズ



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日産のノートが、国内新車48年ぶり首位、というニュースが!

48年もなかったのね…という方に頭がいってしまいつつ、EVに近いクルマが売れつつあるのか?

というわけで、EV系の本をこの際一気に ×3冊一気読みすることに決めた(笑)

 

 

第一弾は、この EVシフト で。

冒頭にあっさり申し上げてしまうと、全5章中、白眉はラストの第4章・第5章。

 

第4章:EVシフト実現に向けた課題とビジネスチャンス

第5章:これからクルマはどうなるのか?

 

細かくいうと、

第4章:EVシフト実現に向けた課題とビジネスチャンス の章立ては、

・電池業界に与えるインパクト

・素材・材料業界に与えるインパクト

・電力業界に与えるインパクト

・情報・通信業界に与えるインパクト

 

日本の工業界・産業界にどんな影響があるのかが判り、有用だった。

 

 

また次の 第5章:これからクルマはどうなるのか? では、

・電動化がもたらす自動車産業ゲームチェンジ

・EVシフトが推進する自動運転の導入

・自動運転とシェアリングサービスにより加速するEVシフト

・「走る蓄電池」としてのビジネス

 

このように、この第4章 第5章 の50ページは読み応えが、がっつりと。

短い章もあり、もっと深く突っ込んで欲しい部分も。

 

 

最後に、当ブログなりのまとめ。

政治的な意図を持ち驀進する 中国、を中心とする 内燃機関 → EV化

この「EV化 = 電動化」に加え、時代の大きな変化がある。

それは「自動運転」「コネクテッド・カー」そして「シェアリング」

 

この結果「クルマ」のポジション自体が、アズ・ア・サービス化、しつつある?

 

 

結論:日本の工業の代表選手「クルマ」が時代の変化にさらされる状況は、他人事ではすまない(汗)

 

次の本はコレだ!(笑):EVと自動運転(新書)



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 読み始めて 著者が正に、アマゾンエフェクト を語るに相応しい人物だと驚く。

 

名前は、鈴木 康弘。

キャリアのハイライトは、 鈴木 敏文 氏(父!!!)に仕えた。

グループの オムニチャネル を立ち上げた。

 

その前はソフトバンクG (孫 正義)で、デジタルシフトウェーブ代表取締役社長(ネット書店 汗)

SBIホールディングス社外役員も兼任していたので、北尾 吉孝 氏とも濃い交流(汗)

 

このように、とてつもないカリスマたちに鍛えられた経験則から語る、アマゾン 攻略法。

 

 

この背景から、圧倒的に面白いのが、第1、2章。

章の タイトル 及び サブタイトル から「ここだ!」を抜粋。

 

第1章 アマゾン・ショックが日本にも押し寄せる

日本に押し寄せる「四つのショック」

ニューヨークで体験した“アマゾン・ショック” 

企業の難しさを学んだネット書店の設立

 

第2章 アマゾンに対抗できるのはどのグループか

トイザらスの倒産は対岸の火事ではない

ホールフーズの店頭で実感したアマゾンの顧客戦略 

会社の利益を未来への投資に回すアマゾン

「最高のカスタマーエクスペリエンス」を提供する

アマゾンの方程式は「ライフタイムバリュー × アクティブ・ユーザー数

 

 

第3章以降は 概念的な方向にいくので、良い意味でも…でもスラスラ読めて読了。

とはいえ第4章で語られる、日本が周回遅れになりつつある、教育ショック は超響く…

 

 

結論:ネット書店 → セブン・オムニチャネル立ち上げ、とあまりにあまりに適切な人物が語る アマゾン・ショック は読む価値あり!




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最新技術が人間生活に及ぼすだろう変化を、550ページ以上にわたり ポジティブ に語る。

 

 

冒頭早々に、今後の ↓ と ↑ が示されるのでメモ。

 

↑ 拡張時代の勝者

①テクノロジー大手企業

②人口知能スタートアップ企業

③スマート・インフラストラクチャー

④モノのインターネット

⑤発展途上国のネットワーキング

⑥開発者、人間とコンピューターのやり取り及び経験デザインの実践者

⑦ヘルステックとフィンテックの提供企業

⑧個人向け A I 提供企業

⑨AR、VR、AV 及び PHUD

⑩エキゾティックなメタマテリアルと3D プリンティング

 

さもありなん、と言ったところ。

 

 

では次に、

↓ 拡張時代の敗者

①大規模エネルギー産業

②大手ヘルスケア及び製薬産業(えっ!)

③小中規模カレッッジと大学

④大きな政府

⑤銀行、保険、規制当局 及び 金融一般

 

この敗者ゾーンで驚いたのは、② と ⑤。

で興味深く読んだのだが、特に ⑤ !

 

そのくだりは、第3部 「拡張」の時代 で語られる。

当ブログ的なピークにそこは、442ページあたりからの10何ページ!

ここだけでも立ち読みし、この本を買うか買わないかの判断をするもの、あり?(笑)

 

読後に気づいたのだが、著者は元々 USA、カナダ、ニュージーランドで利用可能の、世界初モバイルのダウンロード可能銀行口座を提供しているヒト。

なるほど 先の ⑤方面の攻撃?! の真意はそこにあったか!(笑)

そこは置いといても、十二分に面白く読めた 550ページ。

 

 

結論:テクノロジーが生み出す「破壊 vs 創造」の予行演習として、現状捨て置けない一冊!



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読み始めたら あまりに面白いので、多くとも「1日1話」と決め、ゆっくりと ゆっくりと 味わいつつ読破。

 なので、読み終わるまで随分時間がかかった(笑)

 

第一話からして凄すぎて、完敗(汗)

報酬が動機を阻害する、という アンダーマイニング効果 をあまりにわかりやすく解説。

 

だけでなく、その実例を次の1ページで引用するのだが、絶句…

驚異的な説得力!!!

 

フレーミング効果 を説明する「スーパーおしの」の巻 はなぜか泣かせる(笑)

続くイマの日本が表出する「保母さんの名案」、「心の会計」も痺れる内容…

って全23話中の、まだたった 5話!!!

 

 

この感じが最後の最後まで続き、さらにラスト「あとがき」で衝撃の1発を食らう。

そのタイトルでネタバレしてしまうのでここでは書かない(笑)

が、天才 佐藤 雅彦 氏が、マンガ経験のない グラフィックデザイナー  高橋 秀明 氏を「結果的」に 引っ張り出し完成させたとわかる。


だが実は、その経験の無さが効いていて、マンガを書く人にはとても考えつかないような斬新な表現が沢山!

枠とセリフだけで構成される回とか、主従関係が同時並行で逆転する回とか、4つの次元が同時並行で進行する多次元マンガ!、とか...

唸りっぱなしの秘密を、ちょっとだけ知った気分(汗)

 



結論:一家に一冊、級の強力なインパクトを残す名著!

去年のベストに選ぶべきだったと激しく後悔。 

 

というわけで、最後に懺悔…

雑誌ブルータスで2年にわたり連載されていたそうだが、なぜに全く気づかなかった!!!→マンガというだけで敬遠していた自分(涙)



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アメリカ文化研究、現代アメリカ論を専攻する大学教授が送る、アメリカスポーツ論。

 

世界のスポーツとアメリカのスポーツ、かなりの独特の違いがある。

著者はさすが現代アメリカ論のヒトだけあって、アメリカ民主主義と個々のスポーツの関係に踏み込む。

以下ざっと箇条書き。

 

・ベースボール

南北戦争時代、にらみ合いの戦場の娯楽として一気に兵士たちに広まり、国に帰り普及。

早々に地域を中心に発展しプロスポーツ化、巨大化し国技にまで至る。

国技ゆえか、良い意味でも悪い意味でも、MLB 中心に全てがまわっている。

アメリカ各地の個性的な球技場は文化的公共財的な意味も持つように(地域活性化の見本?)

一方でその結果か? 世界大会のWBCに参加する国は限定され、継続さえ危ぶまれる状況…

 

 

・アメリカン・フットボール

サッカーは世界でメジャーだが、アメリカではアメフト。

大学を中心に普及。サッカーとラクビーの中間のような競技がローカルルールで行われていた。

ハーバード式が次第に中心になり、イエール大のウォルター・キャンプ氏がこのルールを整備。

空間・時間・行動をコントロール下に置く現在のルールの原型がここで完成。

巨大化を続け、野球に迫る規模にまで成長した。

 

一方フットボールでいうと、MLSが奮闘しつつ、女子は強いもののリーグは解体される状態…

 

 

・バスケット・ボール

バスケ もアメリカ発、でオリンピックでも優勝はいつもアメリカ。

なんと! YMCAを中心に、狭いスペース内で成立するスポーツとして普及。

考案者ネイスミスは13条の基本ルールを設け、フェア・プレーを重視した。

ピューリタン的思想からスタートしたバスケだったが、長期的には黒人を中心に都市部の移民下層階級のスポーツとして成長し巨大化した。

頂点を目指す下層階級や黒人を中心とした若者たちは、過当競争の中を勝ち抜いて這い上がるしかない…

 

上記は本の中のそれぞれのスポーツのエッセンスを抜き出したものだが共通するのは「巨大化」

この巨大化の結果、スポーツ国家アメリカというような本のタイトルになっている。

 

 

また当ブログ的にぐっとくるパートについても言及しておきたい。

スポーツが、民主化と社会改革にも寄与してきたのは事実。

そうしたドラマを、ハリウッドは積極的にテーマとして取り上げてきた。

最近でいうと、ナチス下のオリンピックで孤高の闘いをした伝説の陸上選手 ジェシー・オーエンス。

栄光のランナー/1936ベルリン Race 人種差別な時代に、オリンピック精神を発揮した男たち、の物語は今だから知っておくべき物語。  

 

女性解放でいうと女性たちの野球「プリティ・リーグ」とか。

そして未だ映画評には至っていないが今年有数に面白かった映画「バトル・オブ・ザ・セクシーズ Battle of the sexes」が登場するに至り当ブログは密かにガッツポーズした(笑) 

男女の優勝賞金のあまりの差に立ち上がった女子選手たちが自分たちのリーグを立ち上げる(WTA)

これに対抗し、優勝経験豊富の引退男子選手が、女子中心人物の ビリー・ジーン・キング を挑発!

男子 vs 女子 の公開テニスエキジビション(テレビ中継つき)で対決、というハナシ。

こんな試合があったことを映画で初めて知ったが、この本でも中心的に取り上げられていて納得!

 

 

また最後に。

今 日本で大問題化しているアメフトの「意図的な暴力問題」もアメリカの歴史が体験している。

セオドア・ローズベルト時代(1905年)、彼が音頭を取り有名大学にルール改正を迫った。

「前方へのパス」がここで解禁され、パス主体で試合を組み立てていく独自性がここで確立した。

日本での今回の事件はその大変革さえを揺るがす点で、やはりトンデモな事件であることは間違いない!

 


上記は非常に日本の体育会的な「権力の誤った集中」という問題が中心にあると当ブログは考える。

が 巨大化の中、そんな権力の誤った集中だけでなく、契約金の高騰及びそれにまつわるトラブル、薬物汚染 etc、常にスポーツビジネスは功罪が表裏一体の状態にある。


この点で、常にアメリカはもちろん、世界のスポーツビジネスに注視していくことは重要だなというのが結論。



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とある本で、日本の鉄道は国の成長とともに海外からキャッチアップしただけでなく、全国の都市での集中化の恩恵を大きく受け、今に至っていることを認識した。

 

その一方、これから縮小しようとするニッポン。

じゃ鉄道はどうなってしまうのか?!

 

 

このテーマを、著者の 石井 幸孝 氏が語る。

 

著者は元、初代JR九州の代表取締役社長。

JR東海、JR東日本のメジャーではなく、九州という点でぴったりかと!

 

第1章で、人口減少時代の鉄道を分析するが、本当に厳しい…

 

その危機感を早くから持ったことで、JR九州時代にそうとうの手を次々と繰り出す。

多角経営に邁進し、韓流ブームという神風で日韓高速船が黒字化、最近話題の画期的豪華観光列車もこの流れで。

 

 そしてどう手を打つべきかの処方箋を提示しているところに非常に好感が持てる。

その処方箋とは = 新幹線物流

 

ネット通販の膨張に伴いトラック物流が限界に近づく中、新幹線ラインを使い物流を回すべき、だと。

一見、通常交通だけで新幹線は目一杯のように見えるが、プロ視点でその可能性を訴れる20ページは読む価値があるかと!

 

そして最終章の5章がまた読ませる。

世界の今後の鉄道潮流を読むのだが、世界のゲージ分布(広軌・狭軌)ひとつを取っても国際情勢のルツボ(笑)

さらに中国の「一帯一路」構想にまで到達!

 

 

結論:縮小ニッポンでの鉄道のあり方を示唆するとともに、世界でのニッポン鉄道の在り方までを展望し、鉄道好きには捨て置けぬ一冊!




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著者ロバート・キンセルは、同社CBO(副社長)

なので基本、YouTube絶賛本。

 

 

 

個人から行う「発信の価値」、をエンハンスしたところに、YouTube の価値があることを理解。

キルトから始まった街の再生、ゲームの中継?!?、ハウツー動画、カリスマ美容ブロガー etc…

これが可能にし、加速させたのが、スマホの登場。

 

2005年 YouTube設立

2006年 Google社が買収

2007年 日本でサービス開始 =IPhone登場の年!

 

知ってはいたものの、改めて強調され「確かに」となったのが、YouTubeは報酬を製作者に払っていること。

 

またアクセス総数の実態も面白い。

アクセス数には、テレビが普及しきっていない、あるいは政治的にメディアが抑圧された途上国がかなり含まれている。

映像のチカラ、が言葉の壁を越えることを可能にしたわけだ!

 

 

反面、ポジティブ過ぎで気になるところもある。

どこで触れるかを気にしながら読み進んだのだが、遂にラストでそのパートが!

 

それは音楽業界とのコンフリクト問題。

著者は語る。

・YouTubeは音楽業界に年間10億ドル以上支払っている

・無許可アップロードと違い、YouTubeはお金を取り支払っている

・YouTubeもチカラを入れているデジタル配信定額サービスに未来を見出す。

 

それに対する反論?は、面白いことに本の中にあった。

動画に10,000ドルかけて製作したYouTuberがいう。

「それをYouTubeにアップして、入ってくるのは広告料として150ドル」

 

 

さてアメリカはともかく、日本ではどうなのだろうか。

内閣府の調査(平成28年)によると、中学生のネット使用順位は、

1. 動画視聴 ←注目!

2. ゲーム

3. コミュニケーション

4. 音楽 ←注目!

 

元々、若い世代では音楽をCD、ダウンロードのコストを嫌いYouTube使い、という話があるが、それが裏付けられた形。

フリーミニアムにやられちゃっている音楽業界、という図式が透けて見える…

 

 

最後に、最近の新聞記事のラインを2つ。

本の内容を真に受けるほど、おめでたい状況ではなさそう…

YouTube動画 = 8,000,000件削除 信頼性・情報管理に課題

ニコ動          = 曲がり角 有料会員減。機能改善遅れ

 

さあ今後、どうなることやら...



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オリンピック秘史 あと878日、タフにいくしかないぞ、東京! と悟らせる一冊(汗)  

に続いての、オリンピック読書。

新聞の書評で、好意的に取り上げられていたので。

 

 

読み始めると、こちらも同じような感想に陥る。

ボイコット、アマチュアリズム、借金体質 etc… 常に危機が内包されているのがオリンピック...

そんな中、色んな文献を読み込みまとめた結果、各章の脚注が多いのは好感が持てる。

どの章も × 30以上レベルで、1番多い 第4章は ページで × 54もある。

 

 

全体でいうと当ブログ的に面白く読んだのは、第2章と5章。

第2章は、幻の東京オリンピック1940 の記述が過去になく充実した内容。

印象的だったのはこの時でさえ、スタジアム問題がもつれていたこと!

 

そして5章。

こちらはやはりオリンピックの発展期となるロス1984~ソウル1988~バルセロナ1992の時代。

やはり大きくオリンピックが進化し、時代が動くこの時期は面白い!

 

 

 

一方で違和感も…

 

それは後半。

脚注が多くまとめているところまでは良かったのだが、肝心のラスト2章が弱い。

 

まず第7章で、北京2008の中国政府によるガチガチの政治的展開を批判。

だがその後の 8章 9章 と東京2020に繋ぐ終章で、北京2022に向けての懸念が、全く示されない(汗)

東京2020がその点において大きな成功に導かれる可能性があると当ブログは考える。

がなぜ、ここについて言及しないのか?!


この後半、前向き感があまりにない…

批判することに忙し過ぎたのかな

「惰性に流れる東京大会」とは、よく言ったもんだ(笑) 

 

また長野1998が失敗であると指摘し東京2020に懸念を表明する。

だが、夏と冬、という全く性質の違う大会を同列に語るのは如何なものか?!?

そもそも、長野と首都 東京、という対比でみても如何なものか?!?

 

ちょっと辛めの指摘かもしれないが、東京2020に向けての適切な示唆を期待していただけに、こんな評となった。

タイトルで「二度目の東京が目指すもの」とあったことで期待し過ぎたか...




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すしといっても、庶民的な方。
基本「巻きずし」と「稲荷ずし」の庶民派代表の2つ(笑)

実はこの本、なかなか読了に至らなかった。
その理由は明確 = 読み出すとお腹が鳴る、お腹が減る(笑)

 

 


発祥など、それぞれの歴史からはじまる。


まず「巻きずし」
巻ければ何でもはさめるので、当初からのバリエーションが豊富。
誕生は1770年ごろとされる。
書籍から引用されているのだけでも7種類!


この本では全国各地のそれを追っていて、それどころじゃない壮観。

広島市の江波巻き
千葉県の太巻きずし
明石市のフルセの巻きずし
秦野市の赤ジソの巻きずし
コバ巻きずし
広島県石高原町まけずし
静岡県松崎町イワノリの巻きずし
高知県大月町のメノリの巻きずし
埼玉県北部のきらずずし
三重県多気町のイモずし
和歌山県加太ワカメ巻きずし
和歌山県新宮市平コンブの巻きずし
サバの松前ずし
バッテラ!
ひとはめずし
たまご巻きずし
伊達巻きずし
タカナの巻きずし
湯葉の巻きずし
油揚げの巻きずし

現在の一般論でいうと、鉄火巻き、新香巻き、カッパ軍艦巻き、サラダ巻き、恵方巻き、まで尽きない(笑)

 

 

次に「稲荷ずし」
面白いのが、東・西で大きく違うことが2つ。

 

「稲荷ずし」の東西差 = ①形が違う!

三角か(西)、四角か(東)

 

「稲荷ずし」の東西差 = ②具が違う!

中身が、五目ずしか(西)、白いすし飯か (東)

 

しかも両方の違いは同じゾーンを境に日本地図で東西に分かれる!
三重県あたりから北上し、富山に至るゾーンがその区分けエリア。

「稲荷ずし」も同じように、土地独自の展開が。


津軽「赤い」稲荷ずし
北関東の俵ずし
宇都宮市の俵ずし
栃木県佐野市のの俵ずし
群馬県沼田氏の稲荷ずし
埼玉県熊谷市の稲荷ずし
「泉平」の稲荷ずし ←ここだけは会社!
香川県丸亀の袖ずし
愛媛県八幡市周辺の稲荷ずし
大分県日田市とっきんずし
高知県コンニャクずし!
鳥取県米子市「いただき」?!


そして2つが出会い?、「助六ずし」が生まれる。
ちなみに助六という名称だが、歌舞伎「曽我もの」の登場人物からという説が面白い。
歌舞伎の幕間に食べるには便利な「揚げずし=稲荷ずし」と「巻きずし」を組み合わせで「アゲマキ」ずし。
「曽我もの」は「揚巻」という名前の花魁を中心とした歌舞伎なので、芝居ファンには「助六」はストレートに繋がる。
何と!新富町の 蛇の目寿司 がこの名前の名付け親だという!

 

結論:正にタイトル通り、「巻きずし」「稲荷ずし」「助六ずし」で全国各地を巡る。ご馳走さまでした(笑)



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先日ホンダジェットの本を読んだので、今度は… と思っていたらタイムリーにこの本が登場。

日本を代表するトヨタ自動車の創業から現在までを400ページで。

 

 

先ずは感心したのが、トヨタの歴史のはずが、まるで日本の近代史のよう。

繊維業(豊田織機)からのベンチャー ~ 大戦中の統制経済 ~ 敗戦 ~ ドッジライン・竹馬経済 ~ 労働争議 ~ 朝鮮戦争 ~ クラウン発売 ~ カローラ大ヒット ~ アメリカ進出・現地生産 ~ そしてエピローグは、アメリカ議会に社長が呼ばれた公聴会!

 

 

とはいえ、この本のメインの「軸」はサブタイトルでも表現している「トヨタ生産方式」TPS

世の中的には「かんばん方式」として有名。

 

だが読んでいくうちに、そうとうの誤解が世間ではあり、さらにそれがメディア・本で流布されていることを知る。

この本では「トヨタ生産方式」の誕生からその成長の過程をしっかりと描いていく。


すると「トヨタ生産方式」は 教科書的なものでは全くなく、あくまでもヒトに紐づいていることがわかる。

豊田社長の命を受けて始めた 大野 耐一氏はスパルタでこの方式の 伝承者たち を育てあげていく。

そして彼らはまずは社内、でその方向性に目処がついたあとは、協力会社に、そして究極はディーラーにまで!

 

特徴的だと感じた部分を2つ引用。

「人間は自由度を与えると、仕事をしたくなるんですよ。

 トヨタ生産方式は強制ではなく、自由なものです。

 だから生産性が向上したんです」

「僕らはラインのレイアウトを毎週のように変えました。そうして、流れを作る。

 でもビッグ3はそんなことしません。一度、ラインを引いたら、そのままです。

 トヨタ生産方式の特徴のひとつでもあるのだけれど、そうしたことにまで言及するメディアは少ない。

 モノづくりに関わる人たちにはその重要性が理解されても、一般の多くの人たちには、

 あの頃からいままで、ずっと誤解されています」

 

明治維新以来、日本の製品はいくつも世界に出ていった。

しかし、生産システムがアメリカへ行き、その後、世界標準になったのはトヨタ生産方式たったひとつだ。

後にも先にもない。

 

結論:この本を読むと、その凄みを垣間見ることが出来たような気が…

   そういう点でゲキお薦めかと!




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当ブログがずっと指摘してきたことを テーマにした本が登場!

 

スマホ・タブレットで通勤中、ゲームに自己投入するヒトたちは、さながら映画マトリックスの世界 -その2 カップル編(笑)2017-05-26


スマホ・タブレットで通勤中、ゲームに自己投入する女性を中心としたヒトたちは、さながら映画 マトリックス の世界(笑)2016-11-06

 

 

著者は、樋口 進 氏。

精神科医で、独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター院長。

2011年に日本で初めて「インターネット依存専門治療外来」を開設。

日本におけるネット依存治療の第一人者。

 

 

そして、なぜ、スマホゲームにはまるのか? を精神科医の視点から、わかりやすく解説していく。

以下、この本での当ブログの気づきを列挙。

 

・スマホゲーム市場は「無料」で拡大した(フリーミニアム)

 

・「終わりがない」のがスマホゲームの特徴

 (昔のゲームはクリアー(あがり)があった)

 

・頻繁なアップデート、がそれを生み出す

 

・「プッシュ通知」によって、それは届けられる

 

・「ガチャ」がギャンブルと同等の刺激を創る

 

・「過剰使用」と「依存」の見極めは難しい

 

・WHO(世界保健機関)も「ゲーム障害」を認めている

 

こうして、スマホゲーム依存になる脳の中で何が起きているのか、を解き明かしていく…




実は!
この本に限らず、ゲームにまでいかないレベルでさえ、このスマホ問題にふれている本が幾つも(汗)

まだ読後評には至ってないがPEAK PERFORMANCEというトレーニング系の本でも重要な指摘が。


長くなっちゃうので短くいうと、

電源のオンオフに関係なく、ポケットのなかでも、テーブルの上でも、携帯は集中力を奪う。
おまけに他人の携帯ですら、われわれの注意力を散漫にする

(ジャーナル・オブ・ソーシャル・サイコロジー誌より)

 


また次に読もうと思っている本のタイトルは、

=退屈すれば脳はひらめく 

発想にはオン・オフの切り替えが大事!ということか?


  
で、サブタイトルが何と!               

=7つのステップでスマホを手放す(笑)

 

やっちゃいけないとは言わないが、ほどほどに....



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