オリンピック秘史 あと878日、タフにいくしかないぞ、東京! と悟らせる一冊(汗)
に続いての、オリンピック読書。
新聞の書評で、好意的に取り上げられていたので。
読み始めると、こちらも同じような感想に陥る。
ボイコット、アマチュアリズム、借金体質 etc… 常に危機が内包されているのがオリンピック...
そんな中、色んな文献を読み込みまとめた結果、各章の脚注が多いのは好感が持てる。
どの章も × 30以上レベルで、1番多い 第4章は ページで × 54もある。
全体でいうと当ブログ的に面白く読んだのは、第2章と5章。
第2章は、幻の東京オリンピック1940 の記述が過去になく充実した内容。
印象的だったのはこの時でさえ、スタジアム問題がもつれていたこと!
そして5章。
こちらはやはりオリンピックの発展期となるロス1984~ソウル1988~バルセロナ1992の時代。
やはり大きくオリンピックが進化し、時代が動くこの時期は面白い!
一方で違和感も…
それは後半。
脚注が多くまとめているところまでは良かったのだが、肝心のラスト2章が弱い。
まず第7章で、北京2008の中国政府によるガチガチの政治的展開を批判。
だがその後の 8章 9章 と東京2020に繋ぐ終章で、北京2022に向けての懸念が、全く示されない(汗)
東京2020がその点において大きな成功に導かれる可能性があると当ブログは考える。
がなぜ、ここについて言及しないのか?!
この後半、前向き感があまりにない…
批判することに忙し過ぎたのかな?
「惰性に流れる東京大会」とは、よく言ったもんだ(笑)
また長野1998が失敗であると指摘し東京2020に懸念を表明する。
だが、夏と冬、という全く性質の違う大会を同列に語るのは如何なものか?!?
そもそも、長野と首都 東京、という対比でみても如何なものか?!?
ちょっと辛めの指摘かもしれないが、東京2020に向けての適切な示唆を期待していただけに、こんな評となった。
タイトルで「二度目の東京が目指すもの」とあったことで期待し過ぎたか...