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日本のエネルギー問題 - 2 ( スーパーメジャー )

2022-01-14 15:33:43 | 徒然の記

 本日は、杉森副会長の記事の紹介から始めます。

 〈 2. 令和3年12月28日 経団連・杉森務副会長談話 〉

  (  ENEOSホールディングス会長である氏は、経団連でエネルギー政策の担当で、脱炭素化議論を主導する立場にある。)

   ・2050年に炭素ガスの排出をゼロにするためには、原発の新設と建て替えが不可欠である。

   ・原発を含めたエネルギー政策全般の提言を、来年3月に取りまとめる。

   ・脱炭素化に取り組む企業支援のため、政府が2兆円の支援基金の創設をしたことは、評価する。

   ・しかし研究開発だけでなく、社会ヘのインフラづくりを考えると、少なすぎる。

   ・国際的な産業競争力維持のため、欧米に劣らない財政支援を要請する。

   ・2050年になると、廃炉問題で原発が全然足りなくなり、新設・建て替えが必要となる。

   ・重大事故回避を考慮すると、小型原発のための技術開発に期待したい。

 この談話に、共同通信社の補足説明が書かれています。

 「政府は10月、約3年ぶりに改訂した『 エネルギー基本計画』で、原発を低コストで安定供給が可能な、」「〈 重要なベースロード電源 〉と位置づけたが、新設やリプレースには触れていない。」

 経団連は、「脱炭素」を「カーボンニュートラル」とも呼んでいますが、この言葉も海の向こうからやってきた「流行語」です。いつもの話ですが、政府も経済界もマスコミも、「バスに乗り遅れるな」と、一斉に走り出しています。吉本隆明氏の言葉を借りれば、これも一種の「共同幻想」でしょうか。個人の考えを無視し、国民全体を巻き込んでいきます。

 ここでも杉森氏は、「メタンハイドレート」について、触れていません。不思議な話です。石油メジャーによる巨額利権が絡んでいるため、政治家も官僚も動けないのだと、青山氏が遠回しに語っていましたが、その利権とは一体何なのでしょう。

 石油メジャーは、国際石油資本とも呼ばれ、資本力と政治力を持ち、世界の石油市場を寡占する巨大複合企業のことを言います。彼らは、石油の探鉱、採掘からはじめ、原油輸送、精製、販売までの全段階を垂直統合で行います。

 この中には「スーパーメジャー」と呼ばれる下記6社があります。

 1. エクソン・モービル  米国   平成26年の売上高・46兆円

 2. ロイヤル・ダッチ・シェル  オランダ 平成26年の売上高・49兆円

 3. BP ( 旧フリティシュ・ペトローリアム ) 英国  平成26年の売上高・42兆円

 4. シェブロン  米国      平成26年の売上高・23兆円

 5. トタル    フランス     平成26年の売上高・27兆円

 6. コノコフィリップス  米国      平成26年の売上高・6兆円

 米軍基地に守られた米国の従属国でしかない日本が、無尽蔵なメタンハイドレードを商業化し、石油を買わなくなったら、「スーパーメジャー」が困ります。

  参考までに、環境省が平成24年度発表した、日本の石油・LNG購入額の推移です。

    平成20年 23.1 兆円    平成21年 14.2 兆円

          平成22年 16.9 兆円       平成20年 20. 8兆円

  この資料が、「印刷禁止」「取扱厳秘」と記されているのに驚きました。外国のスパイでもなく、国民の一人である私が、この数字を知ることに対し、環境省はなぜここまで神経質になるのでしょう。

 日本が自前で消費するだけでなく、「メタンハイドレート」を周辺国へ安価で販売を始めたら、彼らにとっては、友好国でなく敵対国になります。

 ロックフェラー財閥に率いられたエクソン・モービル以下の企業が、日本に圧力をかけても不思議ではなくなってきました。経済産業省だけでなく、環境省も、財務省も、防衛省も、米国とのつながりが深いので、青山繁晴氏が孤軍奮闘しても、かなう相手でない事情も見えてきました。自民党の議員である氏が、動画の中で具体的に語れなくて当然です。

 軽い気持ちで始めましたが、どうやら森の中に、足を踏み込んでしまったようです。goo事務局の警告にも気遣いながら、次回以降を続けようと思います。

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