ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

私がする仮説 - 17 ( 日本版サファリクラブ )

2022-12-11 09:04:50 | 徒然の記

 ソ連は、1979 ( 昭和54 ) 年 から 1989 ( 平成元年 ) 年までの10年間、アフガニスタンに侵攻しました。世間はこれを「アフガン紛争」呼んでいますが、紛争後社会主義国ソ連邦が崩壊しました。

 崩壊前のソ連は、米国と世界を二分する超大国の一方として君臨していました。現在の中国と似て、アフリカや中近東、アジア諸国に手を伸ばして社会主義勢力を支援し、自国の勢力圏を広めていました。中国はまだ発展途上国の段階にいて、国内問題で手一杯でした。 

 息子たちに、統一教会問題の「仮説」の根拠として紹介するのは、4年前に読んだジョン・クーリー氏の著書『非聖戦 ( UNHOLY WARS )』の内容です。氏はニューヨーク・ヘラルド・トリビューンの記者を振り出しに、UPI 通信、オブザーバー紙、クリスチャン・サイエンス・モニター紙などの記者として、中東を取材した人物です。

 宿敵のソ連を崩壊させるため、アメリカが何をしたかに関し、当時の取材経験からまとめた本で、カーター大統領と元国務長官キッシンジャーについて語っています。キッシンジャーが陰湿な策謀家として叙述されていますが、反日政治家である氏を知るだけに身につまされて読みました。

 「カーター政権は、失敗した場合に、汚名がアメリカにかかってくるような活動への、CIAの直接介入を避ける手段を探っていた。」「それが、ニクソン大統領時の国家安全担当補佐官、後に国務長官となったキッシンジャーが磨き上げ、巧妙に使った手段である。」

 つまりそれは、

 「自分のやりたいことを他人にやらせ、失敗した場合の汚名や非難を避ける、という手段である。」ということでした。

 アフガニスタン紛争に関しアラブ諸国の問題に関与するにも、米国はCIAを表に出さないため、「サファリクラブ」という秘密結社を作りました。メンバーは、意外な人物たちです。

  1. フランスの対外諜報機関の元長官、アレキサンドル・ドラマンシュ

  2. エジプト大統領、アンワル・サダト

  3. イランのシャー パーレビ

  4. モロッコ国王 ハッサン2世

  5. サウジアラビア国王の諜報部長官、カマル・アドハム

 クラブの目的は、アフリカその他の第三世界で、反共産主義の立場に立ち、アメリカに協力するというもので、ソ連の共産主義がアラブ諸国へ浸透するのを防ぎ、排除することが緊急の課題でした。

 4年前「ねこ庭」で取り上げていますが、息子たちも忘れている頃ですから、氏の叙述を再度紹介します。

 「クラブの創設者たちにとって、最初の焦点はアフリカにあった。共産主義者がアフリカで勝利すれば、彼らは失うものが多かった。」「シャーとその家族は、南アの白人優位体制下で巨大企業への投資など大きな利権を有していた。」「サダト大統領や、モロッコ国王も、同じ憂慮を抱いていた。」

 「エチオピアやアンゴラでの、ソ連やキューバによる軍事介入、その他アフリカ、アジア、ラテン・アメリカ各地での、マルクス主義者による解放運動への憂慮を共有していた。」

 米国とその諜報機関の活動が、どれほど広範囲な規模で、慎重に張り巡らされているのかを氏が説明しています。

 彼らが利用するのは、思想、宗教、人種間の対立と憎しみです。同じ国の中に、異なる宗教、異なる人種、異なる思想の人間たちが、それぞれ集団を形成し生活している中近東の多くの国々は、彼らには格好の地域です。

 力の弱い民族は国を作ることができないまま、あちこちに分散して生活し、迫害されると反抗し、抗争を起こします。米国の巨大資金と武器が投入されていますから、猜疑心に満ち利権に絡む人間たちが常に緊張した関係で存在しています。アフガン紛争で大国ソ連を疲弊させたのは、「サファリクラブ」に支援された部族集団でした。

 日本には豊富な資源はありませんが、世界でも稀な人的資源があります。大東亜戦争の敗北で、徹底的に壊滅させられても、「世界第2位の経済大国」へと不死鳥のようによみがえり、アメリカ経済界に挑戦しました。

 米国に「二度と、戦争をするな」「お前の国が、一番悪かった」と言われれば、神のお告げのように信じて疑わず、昔の独立国に戻ろうともしません。アメリカのために働き、アメリカのために金を貯め、溜まった金はアメリカが使います。こんな素直で愚かしく、けれども勤勉で礼儀正しい日本人は、世界のどこにもいない「人財」です。

 戦後77年が経過すると、米国の催眠術から目覚める人間が出始めました。「祖国への愛を失い、先祖を否定し、果たして日本人はこれで良いのか」と、戦後を検証する者が増えてきました。私は氏の著書を読みながら、米国内にいる反日政治家や経済界・金融界の人間たちが、やはり日本に危機感を抱いていたと確信するに至りました。中東で作られた「サファリクラブ」は、アジアでも既に作られているはずと、氏の著書が教えてくれました。

 戦前の日本へ戻られることを一番危惧しているのは、他ならぬ同盟国アメリカです。アメリカが主導すれば、中国、韓国・北朝鮮がなびきます。ロシアも、インドもインドネシアも、フィリピンも、この「日本包囲網」に、既に参加しているのかもしれません。

  米国内の反日勢力は、かってのソ連と同じレベルで日本を危険視していますから、アメリカの「金庫である日本」を失うことより、アメリカに対峙する「独立国日本」の方が、危険で恐ろしいのです。「南京問題」や「慰安婦問題」で、日本を国際的に批判・攻撃しても、「憲法改正反対」「平和憲法を守れ」で揺さぶってみても、効果がないと知ったアメリカとその同調国が、次の手段として持ち出したのが、「統一教会問題」だと仮定しても矛盾はありません。

 日本崩壊を狙う秘密同盟の目標は、「皇室」と「自衛隊」の二つです。彼らは、日本国内にいる反日・左翼勢力と、お花畑のおめでたい日本人を踊らせ、「女系天皇賛成」「憲法改正反対」の二つを、これまで以上に宣伝するはずです。昨今の国内の動きを見ますと、そのようになっているのではないでしょうか。

 息子たちに紹介したかったのは、ジョン・クーリー氏の著書が教えてくれた「秘密結社」の存在です。ここにもう一つ、敗戦以来財務省が、米国内の反日左翼勢力の支配下にあるという事実をつけ加え、「仮定」の完成としました。

 だがこのままで終わると、未来永劫救いようのない日本という結論になります。そんな馬鹿なことにはならないという事実を紹介し、次回でシリーズを終わる予定です。多くの方々の「ねこ庭」へのご訪問をお待ちしています。

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 私がする仮説 - 16 ( 「憲法... | トップ | 私がする仮説 - 18 ( 護る会 ) »

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (tibineko)
2022-12-11 10:07:23
onecat様
おはようございます

>お花畑のおめでたい日本人を踊らせ、「女系天皇賛成」・・・

私の周りでも、女性天皇と女系天皇の違いを全く知らない人が多すぎる事に愕然としました。
何がどう違うのかを子供にも分かるように話して、
それでも半分の人は、「でも今は天皇さんの子供はI子さんだけだし、別に男でなくても構わないでしょう」と無邪気に返されると、もう萎えてしまって・・
間違った「権利意識」が、間違った「男女同権」に結びつき、結局底の浅い「お花畑平和主義」を生み出すんだなと・・つくづく感じさせられました。

内容と離れてしまったコメントで、ごめんなさい。
返信する
「憲法改正」と「皇室護持」 (onecat01)
2022-12-11 11:54:19
 tibinekoさん

 貴方のコメントは内容と離れておらず、内容の核心です。

 統一教会問題を煽り立てている勢力は、「憲法改正」を言う保守自民党と国を愛する国民に、「憲法改正」をさせないよう邪魔しています。

 再建される軍は、国民と領土の安全を守るだけでなく、皇室の伝統を守る軍でもあります。男女同権の間違いも知っています。つまり軍の再建は、「皇室護持」と同じ意味になります。

 反日左翼勢力が言う、皇室破壊ための男女同権の詭弁も正されます。踊らされている国民の目が覚めるのはその時なのかもしれません。

 だからこそ反日左翼勢力は、懸命になって統一教会問題で騒ぎ、自民党政府を揺さぶります。国民の目に見えているのは統一教会問題ですが、その裏にある真の目的は、「軍の再建」と「皇室護持」の妨害です。

 ですから貴方のコメントは、このシリーズの核心を突いています。

 コメントに感謝いたします。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

徒然の記」カテゴリの最新記事