OK元学芸員のこだわりデータファイル

最近の旅行記録とともに、以前訪れた場所の写真などを紹介し、見つけた面白いもの・鉄道・化石などについて記します。

博物館に行ってきました

2021年03月16日 | 今日このごろ
 9日(火)久しぶりに自然史博物館に行ってきた。目的は3つあって、一つは最近書いたものの別刷を何人かに差し上げるため。もう一つは図書室で調べもの。この二つを済ませてから、特別展をちょっとだけ見てきた。

特別展チラシ表

特別展チラシ裏

 今回は収蔵庫に保管されている標本を見てもらう、という展示会で、通常見られない標本が出ている。勤めていた頃につくった翼竜の骨格レプリカがなつかしい。最近作成したコビレゴンドウの骨格をちょっとだけ見る。

コビレゴンドウ 頭部

 博物館からの帰途、道路の緑地になにやら鉄骨を溶接して動物の形を作っていた。まだ製作途中だったが、撮影の許可をもらった。二つの造形があって、一つ目は次の写真。

鉄骨ドードー

 この形はドードーに違いないので溶接作業中の方に「ドードーですか?」と聞くと、嬉しそうなお顔でそうだとおっしゃる。ドードーはモーリシャス島にいたハトに近い鳥で、西欧の探検が島に至るとすぐに(80年ほどだそうだ)絶滅してしまった。多くの博物学者の気付く前にいなくなってしまったから、何枚かのスケッチといくつかの部分的な標本だけが残された。
 もう一つの犬のような造形はなんだろうか? 聞いてみるとフクロオオカミだという。確かにこの口の開き方はそうだが、脚が長すぎるのでは? と聞いてみると、これから台のようなものを作るから、この長さではないという。なるほど。しかし関節の位置などを見るとやはりちょっと長すぎるかな。口の開きはこれでも少ないくらいで、もっと開くことが分かっている。

鉄骨フクロオオカミ

 フクロオオカミは、タスマニアにいた有袋類で、こちらもたちまち絶滅してしまった。生きていたときの動画が残っている。背中にはトラのような縞模様があった。
 この鉄骨に、藍島などに漂着した物を取り付けるというのだが、どんな物になったのだろうか? 見に行こうかな。それにしても二種類の南半球の絶滅動物とは、なんとマニアックな選択か。