OK元学芸員のこだわりデータファイル

最近の旅行記録とともに、以前訪れた場所の写真などを紹介し、見つけた面白いもの・鉄道・化石などについて記します。

学校の太陽光発電

2011年05月18日 | 今日このごろ
学校の太陽光発電

天気のいい日は運動のために歩いている。おおよそ家から2.5kmほどまで、なるべく歩いたことのない道を選ぶ。1時間半以上をめやすに、時速4ないし5kmで歩くので、歩く日は6kmから10kmほどになる。
昨年11月に歩いていたとき、ある市立の小学校の校門の横のフェンスに、「太陽光発電設備校」という看板を見た。学校名と設置時期、設置位置の略図、最大発電量などが記してある。
学校は太陽光発電に適している。屋根を利用すれば発電パネルが広く置けること、電力需要がほぼ昼だけにあること、比較的一定の需要があること、音がしないことなど。さらに児童・生徒に対する教育的効果は大きな意味がある。それで、教育委員会も良いことをしていると思ったが……。気になったのは、発電量でその学校は最大3kWとなっていること。わが家の太陽光発電も同じ3kW。学校がこれと同じでいいのかな?
帰って、教育委員会のホームページを見ると、平成21年度までに北九州市内の市立小中学校79校に太陽光発電施設が設置されていることを知った。その内訳は、3kW(4校)4kW(2校)5kW(11校)10kW(61校)50kW(1校)となっている。平均9.3kWである(数字は最大発電量。日照や太陽の位置などの条件の揃ったときの発電量で、ずっと3kW発電できるわけではない。)。わが家も太陽光発電を持っているが3kWなので、学校発電は3倍くらい。4月になってから散歩で学校発電の看板を見かけると写真を残すことにした。ところが最初の5校で3kWが4校ある。小さな所だけをたまたま見たのだろうか?後にこの判断は間違っていたことが分かったが。
今春になって暖かくなったので散歩を再開した。何か目標があると歩きやすいので、家から半径2.5kmの円内にある13の市立小中学校を全部回ってみた。その結果が次表。順不同。同じ頭文字の学校もある。

学校名    発電量 設置年度 調査日 学級数
Y小学校     3    22   4.17   22
M小学校    10    22   4.17   31
T小学校     3    22   4.10   18
K小学校    10    22   4.15   16
O小学校     3    22   4.18   16
K小学校     3    22   4.09   31
S小学校     3    22   4.18   17
N小学校     3    22   4.18   15

K中学校    10    22   4.17   15
Y中学校    10    22   4.17   13
M中学校     3    22   4.17   16
S中学校     3    22   4.15   21
K中学校    10    22   4.15   14

おどろいたことに、すべての学校13校に太陽光発電設備があって、そのうち3kW(9校)10kW(4校)で、平均5.2kWである。誤解していたのは設置年度で、この地域はすべて22年度なので前述の教育委員会ホームページの統計には入っていない。だから3kWがいくつあっても矛盾はない。それにしても、家の近くでは22年度に小さな発電量の施設ばかり作ったということになる。








      
写真は13校の看板。O小学校を除いて上記の表の順。ただし最後の写真はO小学校看板で、ちょうど後に発電パネルがあったので1校だけ大きな写真を掲載した。
看板によると10kWの発電で14教室の照明電力にあたる(もちろん最大の時)と書いてある。そうすると上のリストの13校のうち、照明電力が足りることがあるのは2中学校のみとなる。3kWで足りるわけがない。最近は各教室にテレビ設備があるし、職員室の分や、ほかの電力も使うだろう。少なくとも20kWぐらいは要ると思う。そうすると現在のように校庭などの片隅に鉄柱を設けて設置するのはよくない。空いている屋根や屋上を使うほうが良さそうだ。
結論:学校の太陽光発電は教育的効果の面では大きな効果があり、多くの学校に設置されていることや、校門横にしっかりと解説してある点などが評価できるが、電力需要を満たすほどではないのが残念。また施設の屋根などの有効利用が望ましい。