緻密に計算された儀式・・・、女王の棺をイギリス王室親族が囲み、その回りに全世界から集まった要人を、理路整然と序列を決め席に並ばせる。
ウエストミンスター寺院から出た棺は、海軍将校で構成された移動部隊により沿道に集まった国民に惜しげもなく見られるよう、ゆっくりと、かつ整然と一歩一歩進行していく。
2時間かけてウインザー城へ徒歩で移動し、途中から車により移動方法が変わり、最終セント・ジョージ礼拝堂まで送られ、礼拝堂で埋葬の式典が行われたようだ。
まだ100年前まで大英帝国と称し君臨していたイギリスは、今はその痕跡もない・・・、とはいっても、エリザベス女王の内なる心の中では、大英帝国を継承する責任というものを持ち続け、現代なりにアレンジして、世界各国を回り、平和外交に腐心していたのではないだろうか・・・。
その意をくんで、イギリス政府は、現代では世界に類を見ない、大々的な国葬を無事にやってのけた。
さあこれからエリザベス女王に代わって、チャールズ国王となるイギリスだが、今の時点から、エリザベス女王と比較され、あまり期待できないのレッテルがもう張られているとのことだが・・・。
あの前の大統領あたりからアメリカも、揺らいでいる。
ダイアナ王妃の悲劇、ヘンリー王子の王家離脱など盤石とは言い難いイギリス王家、一方の民主主義国家のアメリカが揺らいでいることとは若干ニュアンスが違うが、イギリス王家、アメリカの不穏な揺らぎは、全世界末端まで微妙に伝わっていく・・・。
イギリス王家、アメリカは盤石でなければならない・・・。