フランスを代表する名優カトリーヌ・ドヌーブと「ピアニスト」のブノワ・マジメルが共演し、ガンで余命宣告を受けた男とその母が穏やかに死と対峙していく姿を描いたヒューマンドラマ。
人生半ばにして膵臓ガンを患ったバンジャマンは、母クリスタルとともに、名医として知られるドクター・エデのもとを訪れる。ステージ4の膵臓ガンは治せないと告げられ自暴自棄になるバンジャマンに対し、エデは病状を緩和する化学療法を提案。エデの助けを借りながら、クリスタルはできる限り気丈に息子の最期を見守ることを決意するが……。
主人公に愛情を寄せる看護師を「モンテーニュ通りのカフェ」のセシル・ドゥ・フランス、主治医のドクター・エデを実際にガンの専門医であるガブリエル・サラが演じる。監督は「太陽のめざめ」のエマニュエル・ベルコ。2022年・第47回セザール賞でマジメルが最優秀主演男優賞を受賞。(映画.comより)
<2022年10月9日 劇場鑑賞>
私のような年輩世代にとっては、カトリーヌ・ドヌーヴと言えば大女優で永遠の憧れ、フランス女優と言うとまず最初に浮かぶ女優さんでした。もちろん、他にも美しい女優さんはあまたいらっしゃるのですが。そして、ブノア・マジメル!彼は若い頃から本当に美形で、ビノシュ姐さんと共演し、後に本当に恋仲になってしまった「年下のひと」や、見ているのがやや苦痛になるくらいのハネケ監督作「ピアニスト」など、日本にもたくさん映画が来ていました。年を重ねるほど、信条に基づいた「いのちの戦場ーアルジェリア1959」のような作品が増え、”美形俳優”であることを払拭しようとしているのかな、と思ったこともあったのですが、最近はあんまり見ないなと思ってました。
基本のお話は、もう助からないステージ4のすい臓がんを患う息子と、それを見守るしかない母親の物語なのですが、息子が俳優なこともあって、若い生徒たちとの演技のワークショップが描かれたり、ガン病棟自体が日本とはかなり趣が違うこともあり、ガン末期の闘病と言うよりは、文化の違いを楽しんだ感じでした。
非常によくできた映画だったのですが、個人的にはキャステキングが豪華すぎた感じがしました。それぞれのイメージが強すぎて、素直に見れないというか、非現実的な感じがして。ドヌーヴは、迷う母親にしてはゴージャス過ぎるし(しかもあの年齢で、息子に「どうせ男の金だろ」とか言われてる!さすが過ぎる!)、ブノアは「僕ももう39歳なんだから!」と発言する場面があって「そんなはずないだろ!」って思わず突っ込みました、心の中で。サバ読み過ぎ(笑)。
ラスト、クレジットに移る前の、本当のラストシーンは、うまい演出だと思いました。印象に残りました。
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