「マッドマックス 怒りのデス・ロード」のトム・ハーディが1人2役で双子のギャングを演じたクライムサスペンス。「ザ・クレイズ 冷血の絆」(1991)などでもその人生が映画化されてきた、実在の双子のギャング、クレイ兄弟の栄光と破滅を描いた。1960年代初頭のロンドン。貧しい家庭で生まれ育ったレジーとロニーのクレイ兄弟は、手段を選ばないやり方で裏社会をのしあがり、アメリカのマフィアとの結託や有力者たちとの交流を深めることでイギリス社会に絶大な影響力を及ぼしていく。そんな中、部下の妹フランシスと結婚したレジーは彼女のために足を洗うことを決意し、ナイトクラブの経営に力を注ぐようになるが……。レジーの妻フランシス役を「ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール」のエミリー・ブラウニング、ゲイであるロニーの恋人役を「キングスマン」のタロン・エガートンがそれぞれ演じた。「L.A.コンフィデンシャル」「ミスティック・リバー」などの名脚本家ブライアン・ヘルゲランドが監督・脚本を手がけた。(映画.comより)
「双子ネタ」も結構あるようには思うのですが、まぁトム・ハーディだし、エミリー・ブラウニングは好きだし・・・みたいな感じで行って来ました。映画の雰囲気は「ものすごく英国」でした(笑)。物語的には、少し古いけれど「ギャングスターNo.1」みたいな。
ギャングの世界は難しい。平凡な男は成功しないだろうけれど、過激すぎてもいけない。頭でっかちすぎても難しいだろうし、地域の人々に対する温情あるいは彼らからの信頼がなくては存続できない。まぁどんな仕事でもそうなんでしょうけど。
で、マフィアって、やっぱりどうにもならない親族ってのが少なからず居て、でも血が繋がっている以上邪険にはできない。これは、多くの場合「アホ息子」だったりするのですが、今回は「双子の弟」。私、双子の経験はないので間違っているかもしれないのですが、双子って、やっぱり繋がりが特別だと思うのです。お互いがなくてはならない存在というか。ましてや、今回の場合は「アホ息子」ではありません。彼は少し情動が不安定で、考え方が少し過激だっただけで、根は賢いのです。また、万事うまくやる兄さんですが、この弟がいなくなると、今までのように「大人なやり手」ではなくなるのです、多分。
そんなこんなで、しのぎを削るマフィアの世界での栄枯盛衰が描かれます。ちょっと「ゴットファーザー」のような。兄さんが惚れる美女役にエミリー・ブラウニング。相変わらずかわいい。あのかわいさは天然ですね。なんか、特殊。だからでしょうか、わりとエキセントリックな映画が多いような気もします。「エンジェルウォーズ」なんか、好きでしたね~。もちろん「ゴット・ヘルプ・ザ・ガール」の軽快に踊る彼女もたまらないほどかわいかったですけど。
ということで、物語的には目新しいモノではありません。ただ、実話だというのと、トム・ハーディの演技が素晴らしいということです。